とくべつ企画 2013年5月24日

オランダ揚げ? お好みうどん? ~練り物情報を募集します!~

下関、築地、静岡、世田谷から集まった練り物10種を食べ語りながら練り物写真を募集します!
下関、築地、静岡、世田谷から集まった練り物10種を食べ語りながら練り物写真を募集します!
練り物って、食べ物としてしみじみ良い。

ちくわ、かまぼこ、さつま揚げ、はんぺんなど、所属選手たちはどれも地味そうでいて出るとこに出れば派手だ。高級品があれば駄菓子的な一面もある。何を食べてもだいたい美味しい。しかも日本全国どこへ行っても何かしら土地ならではの種類がある。楽しい!

日夜練り物わっしょいの心でいたが、ついに本日5/24(金)から5/30(木)にかけて、全国から練り物の写真を募集することとあいなった!(募集は終了しました! 投稿ありがとうございました)

募集にあたって、今日は関係者3名が練り物を持ち寄りましたので紹介しながらみなみな様からの写真を待ちたいと思います。
東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:名古屋でチーズリゾットの素を買ったら味噌味だった

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

急に「これからは、練り物だ!」と叫ぶ

なんで急に「これからは、練り物だ!」と雄たけびを上げ始めたのか。実は今回の企画はマガジンハウス社の「コロカル」というウェブマガジンとの協力で始まった企画である。

日本の“地域”をテーマとし「ローカルは楽しい! ローカルはカッコいい! ローカルは進化している!」を合言葉にした情報を発信しているコロカル。

何かわくわくした形でローカル情報を集められないかと今回ご相談をいただいたのだ。
コロカルのクリエイティブディレクター  滝戸ドリタさん。静岡育ちで好きな練り物はチーかま。「最近は明太子入りのが美味しいです」
コロカルのクリエイティブディレクター 滝戸ドリタさん。静岡育ちで好きな練り物はチーかま。「最近は明太子入りのが美味しいです」
本日は地元静岡の「黒はんぺん」を持参。生の状態が「イクラのにおいだ!」と騒然となった試食レポートはこのあと
本日は地元静岡の「黒はんぺん」を持参。生の状態が「イクラのにおいだ!」と騒然となった試食レポートはこのあと
「わくわくしたローカル情報……。それなら、なにをおいてもまずは練り物でしょう!」 と当サイトは瞬時に起立(いや実際はいろいろと検討してのことです)、今回の連携企画の始動とあいなったわけである。

本記事の最後にもご説明しますが、早く投稿したい! という方は、こちらのコロカルの企画ページへどうぞ。
デイリーポータルZからは「好きな練り物ははんぺん」のウェブマスター 林(奥) と 「好きな練り物はかまぼこ」の編集部 古賀(手前)が参戦
デイリーポータルZからは「好きな練り物ははんぺん」のウェブマスター 林(奥) と 「好きな練り物はかまぼこ」の編集部 古賀(手前)が参戦
林は先日訪れた下関から写真の品をはじめとした練り物の数々を
林は先日訪れた下関から写真の品をはじめとした練り物の数々を
古賀はこの日の朝 築地へ駆けつけ「お好みうどん」なるものを買ってきた
古賀はこの日の朝 築地へ駆けつけ「お好みうどん」なるものを買ってきた
練り物といえば当サイトでもこれまで多くのレポートを公開してきた。練り物大好きサイトである。

改めて写真をひとからげに集めることができるとなればこんなに嬉しいことはない。

これまでにとりあげた練り物記事、ほんの一部

今回指す練り物はいわゆる「魚肉練り製品」

さて、今回は練り物の写真をみなさまから募集したい。まず確認しておきたいのはこの「練り物」の定義だ。

「練り物っていうと、羊羹もそうなのですよね。和菓子の世界ではぎゅうひや練り切りを“練り物”と呼ぶそうです」とはドリタさん。ウェブマスター林も「ハンバーグも言ってみれば練り物じゃないですか。だって、こねるでしょう」という。
練り物
練り物
確かにそうか。

さらにwikipediaによると「合成樹脂などで練り固めて作ったもの」も練り物と呼ぶらしい。麻雀牌などがそれにあたるそうだ。なんと。

畳み掛けて祭礼で町中を練り歩く神輿や山車も「練り物」であると。
……。うん。読者のみなさまから写真を集めてみたらみんなお神輿の写真ばっかり送ってきてくれた、という状況が実際あったらそれはそれでハッピーである。ハンバーグや羊羹の写真ばかりが集まっても嬉しい。

いやしかし、すでにご承知いただいているかなとは思うが今回指すところの「練り物」とはつまり「魚肉練り製品」でお願いしたいのだ。みんなで魚のすり身を練った食品を集めようじゃないか。
ザ・練り物!(ドリタさん持参の世田谷は松陰神社前で購入の練り物たち。のちほど試食しますぞ)
ザ・練り物!(ドリタさん持参の世田谷は松陰神社前で購入の練り物たち。のちほど試食しますぞ)

下関の練り物が見たことなさすぎる

練り物という言葉の思わぬ広義ぶりに前段が長くなってしまったが、いよいよここからは写真投稿の前哨戦ともいえる練り物の紹介合戦を行いたい。

まずは下関から「練り物ってこんなにうまいんだと思って帰ってきた」という林。

林「ヤマスというメーカーの本店へ行きました。販売店よりも本店で買うべきってネットで見て。下関から電車で20分くらいかかるところなんですけど、有名店らしくてお客も多いんですよ」
なんだかものすごく良いところにある
なんだかものすごく良いところにある
写真を撮らせてもらったら店員さんみなさん遠慮して端っこに隠れてしまったそう。大量に練り物が売られている
写真を撮らせてもらったら店員さんみなさん遠慮して端っこに隠れてしまったそう。大量に練り物が売られている
林「練り物って東京だと、良いもの、高級品みたいなところがあるじゃないですか」
古賀「下町だとおやつ風のもありますけど、高級感はありますよね。小田原の練り物もそう」
林「今回行った下関とか、あと福岡の小倉にも行ったんですけど練り物が駄菓子っぽいんですよ。ちょっとふざけても許される感じ」
まずはこちら、「オランダ揚」。「カステラ風味」? 「今、口当たりソフトにあまくち」????
まずはこちら、「オランダ揚」。「カステラ風味」? 「今、口当たりソフトにあまくち」????
林「最初にいうと、これオランダ感は一切ないんですよ。カステラっていうのもわからない。カステラってオランダのもの……じゃないですよね。ポルトガルでしたっけ」
古賀「オランダといえばミッフィーとチューリップのイメージしか…。味の想像が……」
油揚げのようなサイズで特にオランダらしい模様もない
油揚げのようなサイズで特にオランダらしい模様もない
試食にはさらにライター大北さん、藤原さん、編集部の石川、安藤も参加。「カステラ風味」のわけを検索するも謎のまま試食へ
試食にはさらにライター大北さん、藤原さん、編集部の石川、安藤も参加。「カステラ風味」のわけを検索するも謎のまま試食へ
大北「あ、甘い。すごく甘い。ふわふわしてる」
林「歯ごたえが無くていいんですよね。関東の練り物って歯ごたえあるじゃないですか」
古賀「弾力至上主義みたいなところありますよね」

林「下関の子どものオランダ感がこれだといいな」

石川「甘いことを指して“カステラ風味”って言ってるのかな」
ドリタ「(原材料をみつつ)甘味は玉ねぎっぽいですね」

オランダ揚げは九州全域と一部他地域でも見かける食べ物らしいことは分かったのだが、地域によって食べ物としての差も大きいようだ。この人を高揚させるわからなさ、さすがのローカルフードである。

鶏がちょっと入っているから「ピヨピヨ」

林からは続いてもまたわからないものが出てきた。「ピヨピヨ」だ。

パッケージにはチキンフライとあるが、裏の原材料表示の品名としては「揚げかまぼこ」となっている。主原料は魚肉と玉ねぎ。少し鶏肉。ビーフエキスに魚介エキスも入っている。何ごとか。
全面に鶏をアピールするも、基本的には魚の練り物
全面に鶏をアピールするも、基本的には魚の練り物
レンジで軽く温めました
レンジで軽く温めました
断面は鶏というより完全に魚の練り物
断面は鶏というより完全に魚の練り物
林「食べてもこれ、鶏っぽくないですよね」
古賀「(食べながら)いや、鶏ですよ!」
ドリタ「おいしい!」
石川「ビッグカツを想像してたけど全然違う。うまみがすごい」
大北「玉ねぎがごろっとして、どこかで食べたことあるような。フライドチキンですかね、においは」
古賀「そうだ、においが鶏なんだ」
ドリタ「あ、ほんとだ!」

においは鶏、食べれば魚。噛むごとに玉ねぎの甘さ。駄菓子的な食べ物だが、情報量の多さが一筋縄ではない。
下関らしく「ふくスープ仕立て」というちくわも
下関らしく「ふくスープ仕立て」というちくわも
美味しかったからついでに持ってきたという「高級生ちくわ」をうたう「ふくっ子」は、「オランダ揚げ」と「ピヨピヨ」のインパクトに押されてみんなただ「うまい」を連発するにとどまった。仙台の笹かまぼこっぽい味。
食べちゃったから持ってこなかったけど、という林から下関練り物写真
食べちゃったから持ってこなかったけど、という林から下関練り物写真
林「味はほとんど魚肉ソーセージでした」
林「味はほとんど魚肉ソーセージでした」
かわいいパッケージ!
かわいいパッケージ!
中はほぼタコ。小さいながらのこの迫力
中はほぼタコ。小さいながらのこの迫力
小倉には「カナッペ」なる練り物もあった。練り物を薄いパンで巻いて揚げているそう。未知である
小倉には「カナッペ」なる練り物もあった。練り物を薄いパンで巻いて揚げているそう。未知である

築地からは宇宙食的な練り物

続いては古賀のターン。

この日の朝、築地の場外にある佃權というお店で買ってきた「お好みうどん」である。

ライター玉置さんの記事「築地で揚げたての練り物食べ歩き」を参考に本当は“おでんゼリー”も購入の予定であったが夏季限定ということで築地の店ではまだ取扱いがなかった。
朝8:30の築地場外は観光客らしき方々がラーメンを食べ、その手前で商店のご主人が丸椅子にかけてぺヤングを食べていた
朝8:30の築地場外は観光客らしき方々がラーメンを食べ、その手前で商店のご主人が丸椅子にかけてぺヤングを食べていた
気になるラインナップから練り物の表面にうどんがからみついている「お好みうどん」3枚で450円をチョイス
気になるラインナップから練り物の表面にうどんがからみついている「お好みうどん」3枚で450円をチョイス
林「魚のすり身にうどんで野菜も入ってるってこれ完全食じゃないですか。宇宙食か。ドクターペッパーに合いそう。いや、コーラかなちょっと買ってきます(買いに出ていく林)」
ドリタ「おいしそう! うどんなのにお好み焼きなんですね」
断面はうどんよりも練り物の感じ
断面はうどんよりも練り物の感じ
石川「うどん、完全に同化……してますね」
林「これなら宇宙で食べてもこぼれない。やっぱり宇宙食ですよ」
食べる、つい、笑う
食べる、つい、笑う
林「あははは。うどん入れたなー、これ」
大北「もっちゃーっとする!」
古賀「紅ショウガがお好み焼きっぽい」
林「どっかの県の特産品全部入れた、みたいな感じある」
古賀「チーズ入ってる?」
石川「そこがチーズじゃなくてうどんなんですよ。うどん部分が相当やわらかい」
林「これ、ごはんに合わせたら炭水化物かぶっちゃうんですよね」
他にもいろいろあったのだ。これはまた行かないと
他にもいろいろあったのだ。これはまた行かないと
次ページではいよいよ静岡名物、黒はんぺんと世田谷で人気の松陰ジンジャーをご紹介しましょう。
いったん広告です

あの黒はんぺんはイクラのにおい?

揚げ物が続いたところでバトンは静岡育ちのドリタさんへ。地元から名物の黒はんぺんを取り寄せてくれた。
8枚入り10袋からの通販だったそうで、しばらく黒はんぺんを食べ続けていたとのこと
8枚入り10袋からの通販だったそうで、しばらく黒はんぺんを食べ続けていたとのこと
林「パッケージがちゃんとしてる。オランダ揚げとかピヨピヨみたいな駄菓子感がない」
ドリタ「においすごいですよ。焼いたりしないと生ぐさいです。おいしいんですけどね!」
せっかくなので、まず、かぐ
せっかくなので、まず、かぐ
古賀「うおー、これはいい生ぐささ!」
林「……イクラのにおいだ!」
ドリタ「粘土っぽいなあといつも思うんですけど…」
石川「粘土? いや、イクラですよ!」
大北「イクラだ!」
ドリタさんの粘土案を抑えて場内に響き渡るイクラの声
ドリタさんの粘土案を抑えて場内に響き渡るイクラの声
古賀「生で食べるものなんですか?」
ドリタ「はい。おでんに入れるのが有名ですが、生で食べますよ」
林「おお、食べちゃうとイクラの味一切しない」
古賀「わ、これ弾力がないんだ。珍味のたぐいじゃないですか、もしかして」
ドリタ「ええっ?!」
石川「苦味もありますよね」
ドリタ「ですね、ワタも入っているので」
古賀「うん、いやー、おいしい!」
大北「お酒飲みたいですね」
ドリタさん抜かりなく焼きバージョンも用意
ドリタさん抜かりなく焼きバージョンも用意
林「焼くと一気に魚っぽくなりますね」
古賀「イクラじゃなくなった! 珍味じゃなくて普通の美味しい名物になった……」
安藤「でも後味はイクラの後味に似てるような」
フライバージョンも!
フライバージョンも!
林「揚げると甘くなりますね! 美味しいものを食べた時に“甘い”って言っちゃうの負けた感じするけど」
古賀「アジフライっぽい…のかな」
大北「カキフライとか」
古賀「それだ!」
ドリタ「賞味期限が5日しかないのでなかなか東京では食べられないんですよね」
安藤「うまいなあこれ。うまい」
好きな食べ物はあくまで「ローソンの菓子パン」の編集部 安藤が「うまい」を連発。山動く、である
好きな食べ物はあくまで「ローソンの菓子パン」の編集部 安藤が「うまい」を連発。山動く、である

世田谷からの刺客

松陰神社の近くに有名なおでん種の店があるんです、とさらにドリタさんが持ってきてくれたのは、おがわ屋の「松陰ジンジャー」など練り物の数々。
袋の「世田谷スピリッツ」に一同の期待が高まる
袋の「世田谷スピリッツ」に一同の期待が高まる
このバラエティ感。全員が箸を持って周りを囲んでいます。 鶏軟骨 、松陰ジンジャー(紅ショウガ)、タコ、枝豆、ナス
このバラエティ感。全員が箸を持って周りを囲んでいます。 鶏軟骨 、松陰ジンジャー(紅ショウガ)、タコ、枝豆、ナス
松陰ジンジャーのほか注目はササミ風の鶏軟骨 。先ほどの「ピヨピヨ」といい、肉を練りこむのは練り物界で普通のことなのか。

大北「下町は商店街に練り物屋さんがあるイメージですけど、世田谷にもあるんですねえ」
古賀「旗の台、武蔵小山、西小山あたりの商店街で有名な街にも必ずありますね、おでん種の店」
林「おでん種だけしか扱ってない店ですよね。商売やっていけるのかなーって思う」
古賀「夏もおでん種ですもんねえ」
大北「あ、でもこれおでんに入れるってよりもそのまま食べる物なんじゃないですか」
鶏軟骨 。軟骨のコリコリした食感と、かなり黒コショウがきいている。一気に全員ビールが飲みたくなった
鶏軟骨 。軟骨のコリコリした食感と、かなり黒コショウがきいている。一気に全員ビールが飲みたくなった
そして名物、松陰ジンジャー。シャキシャキするのは「もやし? これもやしじゃない?」と一同騒然
そして名物、松陰ジンジャー。シャキシャキするのは「もやし? これもやしじゃない?」と一同騒然
ナスは、天ぷらのような風情で中に練り物が挟んである。うわあ
ナスは、天ぷらのような風情で中に練り物が挟んである。うわあ
安定のタコ、枝豆。大北「おいしくても特にご飯は欲しくならない」不思議と共感
安定のタコ、枝豆。大北「おいしくても特にご飯は欲しくならない」不思議と共感
試食の様子の音声はICレコーダーで抑えてあるのだが、あとはもう、聴いてもただ全員「うまい」「うまい」しか言っていないのだった。全員が食べながら店の場所を確認していた。

「当たり前」が、「珍しい」

遠地のお土産だけじゃなく、超地元のお店の練り物でもこんなに発見があるのだ。

ぜひみなさまも「こんな地元の当たり前の練り物じゃなあ」と思わず投稿してください! きっと隣町では珍しいはず! 全国で売られているような大手メーカーのものだってOKです。

本企画は「日本ねりものばなし」と銘打っておりますが、海外からの投稿も大歓迎です。
含有する野菜をなんとかして見極めようとする面々
含有する野菜をなんとかして見極めようとする面々

投稿は #nerimono_dc をつけてTwitterへ!

あらためまして、今回の練り物写真投稿企画「第1回 日本ねりものばなし」はデイリーポータルZとコロカルの連携企画です。

投稿募集期間は終了しました。投稿ありがとうございました!

集まった投稿はこちらで見られます。
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←
ひと段落(広告)

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ