フェティッシュの火曜日 2013年5月28日
 

45年前の観劇チケットがかっこいい

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実家の整理をしていたら、40年ぐらい前のチケットがごそっと出てきた。松竹、帝国劇場、芸術座などの観劇チケット、10点を厳選して紹介してみたい。
1978年、東京都出身。漂泊の理科教員。名前の漢字は、正しい行いと書いて『正行』なのだが、「不正行為」という語にも名前が含まれてるのに気付いたので、次からそれで説明しようと思う。
> 個人サイト まさゆき研究所 新棟

築??年の家を整理している

僕の実家は都内にあり、おそろしく古くて汚い。
昭和の文豪の部屋か。
昭和の文豪の部屋か。
諸事情があって家族は誰も住んでおらず、僕の友人が2階に住んでいるという不可思議な状況なのだが、僕はこの家のネズミの駆除をしたり竹の伐採をさせられたりと、心底苦労ばかりしている。

→『叔父の遺品を紹介します

→『親孝行な僕に、酒が無限に湧き出す

古い観劇チケットを発見

さて、そんな実家の古いタンスから、古い観劇チケットが大量に出てきた。
曾祖母のものらしい。別に高級品ではない。
曾祖母のものらしい。別に高級品ではない。
おそらく祖父母が子育ても終わり、生活も安定した頃に見始めたものだと思う。
このチケットが今見ると珍しくてかっこよかったので、その紹介をしたいと思います。

1・帝国劇場「屋根の上のヴァイオリン弾き」

公演日は昭和42年9月17日。観劇料金300円!
公演日は昭和42年9月17日。観劇料金300円!
最近はコンビニの味気ない印字チケットに慣れてしまっているが、昔はこんな総天然色のチケットを、公演ごとに発行していたんだなあ。
チケットが手に入った時のわくわく感も、今よりもずっと大きかっただろう。
席順も、1枚ずつ印刷されている。
席順も、1枚ずつ印刷されている。
この席順も、順番に印刷するための機械があって、それで1枚ずつ印刷してたんだろう。今は倉庫でホコリをかぶってるであろうその機械を思うと、目に涙が浮かぶ。
裏面には広告が入るのがお約束。これは地下ショッピング街の広告。
裏面には広告が入るのがお約束。これは地下ショッピング街の広告。

2・上野美術館「池坊華道展」

奇数日・偶数日で開館時間が違うのが斬新。
奇数日・偶数日で開館時間が違うのが斬新。
続いては上野美術館の「池坊華道展」。
左の写真、よく見ると活版の活字を並べてるのがかっこいい。
開催場所の「上野美術館」は、今でいう東京都美術館なのだろうか? ウィキペディアを読んでも分からなかったので気になる。
裏面は雑誌『新婦人』の広告。
裏面は雑誌『新婦人』の広告。

3・東京宝塚劇場「美空ひばり特別公演」

昭和44年2月の公演。700円
昭和44年2月の公演。700円
会場は東京宝塚劇場。
「タカラヅカで美空ひばりの公演!?」と思ったのだが、東京宝塚劇場は平成10年の建替工事の前までは専属劇場ではなく、こいういった貸し公演もたびたびやっていたらしい。
裏面はタケダ薬品の広告。絵柄がなんと言えない。
裏面はタケダ薬品の広告。絵柄がなんと言えない。

4・帝国劇場「西鶴一代男」

大衆演劇? 2500円と高価。
大衆演劇? 2500円と高価。
ふたたび帝国劇場。
帝劇というとミュージカルしか見に行ったことが無いのだが、こういうのもやってたのかな。ちなみにこのチケット、裏面がとてもかわいい。
出光ガソリン。車ぶーぶー。
出光ガソリン。車ぶーぶー。
帝劇のビルには出光の本社も入っているらしい。その関係なのだろうか。何にしろ車の絵がかわいい。
よく見ると、たまにUFOみたいなの混じってる。
よく見ると、たまにUFOみたいなの混じってる。

5・松竹「女の一生」

倍賞千恵子&岩下志麻の豪華キャスト!
倍賞千恵子&岩下志麻の豪華キャスト!
もう完全にぼくの知らない時代の映画チケットである。
「芸術祭参加」・「カラー作品」・「原作・モーパッサン」など、近年の映画ではレアな文句が並ぶ。
そして裏面もいい。
岩下志麻がスチール本棚を広告。
岩下志麻がスチール本棚を広告。
ちなみに「コンマ」とは区切りの記号ではなく、製作所の社長が「今間」さんだからっぽい。

6・国立劇場・不明

昭和42年の公演。400円。
昭和42年の公演。400円。
国立劇場、というと能とか歌舞伎とかやってる格調高いイメージがあり、僕は行ったことが無いのだが、チケットもやはり格調高いデザインである。
しかし裏面は意外と大衆的。
日本のベストファミリーカー。
日本のベストファミリーカー。
この時代のチケット、どれも広告とバランス感が微妙に取れてないような気がするが、当時は別に違和感のあるものではなかったのだろうか。

7・伊豆シャボテン公園

ちょっと変わってシャボテン公園。
ちょっと変わってシャボテン公園。
デイリーポータルでも紹介されたことのある伊豆シャボテン公園だが、こんなに古くからあるのを知って驚いた!
昭和34年に開園らしい。
→「伊豆シャボテン公園でサボテンを食べ倒す
まだ開園9年目の頃。このころはサボテン食えたのか。
まだ開園9年目の頃。このころはサボテン食えたのか。

8・新宿コマスタジアム

懐かしのコマ劇場!!
懐かしのコマ劇場!!
最近上京した学生はもう知らないであろう、今は亡きコマ劇場。僕もあそこが、いつの間にか空き地になってしまっているのにびっくりした。
そしてコマ劇場チケットの裏面は、見たこともない商品の広告だった。
し、知らない!こんなジュース!
し、知らない!こんなジュース!
なんだろう、このアイスを食べる木のスプーンが入ってた紙袋 みたいなデザインは。
調べてみると、一時期だけ日本で売られていたブランドのジュースらしい。コカコーラの対抗馬と言えばペプシしか知らない僕らだが、こんなコーラもあったんだと新鮮な気持ちになる。

9・芸術座

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最近「芸術座」って単語聞かないなあ、と思っていたら、2005年に閉鎖していたらしい。知らなかった。
今は跡地に「シアタークリエ」という名前の劇場ができたのだが、「芸術座」のままの方が良かったと思うのは僕だけだろうか。
裏面は「日比谷三井ビル」のレストラン街の広告。
裏面は「日比谷三井ビル」のレストラン街の広告。
このレストラン街、今でも残ってる店あるのかなと取材に行こうとしたら、日比谷三井ビル自体が2011年に解体されてしまっていたらしい。というわけで、このチケットの表面も裏面も、もう現存しないのだ。多少残念である。

10・歌舞伎座

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最後はさいきん新築され、話題の歌舞伎座である。
歌舞伎座と言えば勘九郎とか勘三郎とか、そんな名前の人がよくニュースにも出てきて華々しいイメージだ。このチケットも、シンプルだがフォントもきれいでおしゃれである。
裏面はなめ茸の広告。
裏面はなめ茸の広告。
どうだろう。
なめ茸のことは僕も大好きだが、若干の違和感がどうしてもぬぐえない 。こんど新しい歌舞伎座を見に行くときは、なめ茸持参で行ってみようと思う。

以上、45年前のチケットを見てみたが、一枚一枚のデザインにかける思いが今よりもずいぶん強かったのが伝わってきて、心を打つものがあった。
そして裏面に入っている広告の堂々さたるや、21世紀に細々と生きる僕らを笑い飛ばすかのようである。
それはそうと、僕の実家掃除はむこう1年はまだ続きそうなので、続報をお待ち願いたい。
生後4か月の僕と兄。
生後4か月の僕と兄。
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