はっけんの水曜日 2013年7月10日
 

豆の豆ちしきの豆本を豆で作る

ぜーんぶ豆!
ぜーんぶ豆!
「豆の豆ちしきをまとめた豆本」があったら面白いと思った。

こういう韻を踏んだヒップホップ系ダジャレはくどくど言い訳しても仕方がない。

そういうことなんです。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

手頃な豆本キットを見つけた

「豆本 作り方」で検索すると、実に様々な豆本の作り方がヒットする。

中にはハードカバーのしっかりした装丁のキレイな豆本の作り方を懇切丁寧に解説したサイトもあるのだが、ぼくの工作能力にそこまで手の込んだ豆本を作るほどの甲斐性はない。

「もっと手軽に作れる豆本ねーかなー」と思っていた所、手頃な豆本キットを手芸用品店で発見した。
材料もすべて入った豆本キット
材料もすべて入った豆本キット
とじ郎倶楽部」という豆本キットだ。
部品はシンプル
部品はシンプル
このキットがあれば、ハードカバーのしっかりとした作りの豆本を、簡単な手順でサクッと作ることができる。

これはダジャレの豆本にうってつけだ。早速作ってみたい。

その前に豆の豆ちしきを集めたい

豆本の制作に取り掛かる前に、豆の豆ちしきを集めなければならない。

ぼくの知っている豆の豆ちしきといえば「いんげん豆は隠元禅師が日本に持ち込んだのでその名がついた」ぐらいしか知らない。

こういうときはウィキペディアに直接「豆」と入れて出てきた項目を片っ端から読んでみるしかない。

以下、ネットを調べて「へー」と思った豆の豆ちしきの一部を紹介したい。
レンズ豆が最初である
レンズ豆が最初である
豆の豆ちしき……カメラや望遠鏡などに使う「レンズ」は、レンズ豆に形が似ているのでレンズと名付けられた。

豆の豆ちしき……枝豆は、未成熟な大豆。

豆の豆ちしき……生の豆には毒がある。
ピタゴラスの定理「数学の図形問題を日常生活にいかす」
豆の豆ちしき……ピタゴラスはそら豆アレルギーで、自ら主宰する教団ではそら豆を食べることを禁じた。

豆の豆ちしき……コーヒー豆はマメ科の植物ではない

豆の豆ちしき……金時豆は金太郎のように赤いことから
納豆を混ぜるわたくし「納豆を10万回まぜる」より
納豆を混ぜるわたくし「納豆を10万回まぜる」より
豆の豆ちしき……納豆は冬の季語。しかし、納豆の日は7月10日。

豆の豆ちしき……金時豆、うずら豆、とら豆、キドニービーンズはすべていんげん豆。

豆の豆ちしき……グリーンピースは、えんどう豆の未熟な種子を食用にしたもの。

豆の豆ちしき……極端な潔癖症だった泉鏡花は、豆腐のことを豆府と書いた。

……すべてネットで調べたニワカの知識である。納豆の日がまさか記事公開日に重なるとは夢にも思わなかったが、そんな驚きも踏まえつつ、これらの豆ちしきを本にする。

あっという間に完成してしまう

それでは、調べた豆ちしきを元に、豆本の制作にとりかかりたい。
まずは可愛らしい表紙を描く
まずは可愛らしい表紙を描く
蛇腹折りにしたページに
蛇腹折りにしたページに
本文を書いていく
本文を書いていく
字が汚い……
字が汚い……
字がきたない。

日に数万アクセスもあるWEBサイトで皆様にご覧いただく文字ではない。

これは、ページを蛇腹折りしてから本文を書いてしまったので、紙が安定せず、文字が歪んできたなくなってしまったからだと思いたい。

一体、だれに向けての言い訳なのかよくわからないが、自分のプライドに対して言い訳しているのでお目こぼしいただきたい。

豆の豆ちしきの豆本できたよ!

表紙を型紙に折り込んだら絵がずれた……
表紙を型紙に折り込んだら絵がずれた……
中はこんな感じで豆の豆ちしきを読むことができる!
中はこんな感じで豆の豆ちしきを読むことができる!
表紙の絵がずれた点を除けば概ね上手く出来たのではないか。
以上、豆の豆ちしきの豆本づくりでした!

……しかしながら、心の中にいまひとつ何かが足りなかったのではないかというわだかまりが浮かんでは消え、消えては浮かぶ。

「豆の豆ちしきの豆本」までは、まだわかる。もう一歩突き抜けることはできないか?

「豆の豆ちしきの豆本」を「豆で作る」ことはできないだろうか?

「豆の豆ちしきの豆本」を豆で作る

豆でできた豆本を作るにあたり、粒状の豆をいかにシート状にするかという点が問題だ。

豆を数珠つなぎにして横に並べる。とか、豆をすりつぶして紙をすく。などを考えたものの、ここは、加工された食品のちからを借りる事にした。

豆でできたもので、いちばんシート状に近いものはなにか?
なるべく薄い油揚げを選ぶ
なるべく薄い油揚げを選ぶ
油揚げだろう。

おいなりさんに使われる油揚げ(大豆)を、薄く剥がし、何枚か重ねて緑豆春雨(緑豆)でしばり、ケーキの飾り文字のように、こしあん(小豆)で文字を書けば、すべて豆でできた豆本になるのではないか?

豆の豆ちしきの豆本。しかも豆でできている。完璧だ。完璧だと信じたい。

先人がいない分野へのチャレンジ

人類が火を手にしていらい「大抵のことはやりつくされている」といつも思う。しかし「油揚げ 豆本 作り方」をGoogleで検索しても、出てくるのは油揚げ料理のレシピばかり。

だれも油揚げで豆本なんか作っていない。

油揚げで豆本を作る。わたしは、人跡未踏の領域に一歩を踏み出そうとしてる。

先人がいないので、作り方はすべて自己流で考えなければいけない。パイオニアのつらさである。
油揚げを適度な大きさに切り揃える
油揚げを適度な大きさに切り揃える
破らないように中をあける……
破らないように中をあける……
ペロリ
ペロリ
破れないように慎重に広げるものの、薄く剥がれた場所が目立つが構わず進める。
緑豆春雨を突き刺して油揚げをまとめる
緑豆春雨を突き刺して油揚げをまとめる
その間に、こしあんをデコペンの中に詰める
その間に、こしあんをデコペンの中に詰める
詰めたこしあんで文字を書く
詰めたこしあんで文字を書く
表紙と中身を分けました
表紙と中身を分けました
豆でできた豆本は、こしあんで文字を載せているだけなので、ページをめくったりすると文字が崩れてしまう。したがって、表紙に「マメノマメチシキ」と書いた豆本。そして見開きに「ナタマメハデカイ」の文字を書いた豆本を分けて作った。

はからずもダイイングメッセージっぽくなってしまった。死に際にナタマメのデカさについて血文字で書く被害者の心情はいかなものなのか。

文字が壊れた

いくら文字をこしあんで書いたと言えども、豆本としてのアイデンティティーを全うしてほしいというせめてもの親心から、表紙を書いた豆本の方に本文を書き、一旦閉じてまた開いてみた。
エダマメハダイズと書いた
エダマメハダイズと書いた
本文を書いた後、いったん表紙を閉じる。さぁ、文字はどうなったか。
 文字がズルズルに……
 文字がズルズルに……
やはり文字がぐちゃぐちゃになってしまった。

でも「……タ メハ タイズ……」と、かろうじて前の姿を想像できる余地をのこしている点は、よく頑張ったと褒めてやりたい。

ついこの豆本に、ドラえもん抜きでジャイアンと喧嘩して、ボコボコに殴られたあとののび太(てんとう虫コミックス6巻参照)のような愛おしさを感じてしまった。

豆本は紙で作るに限る

次の日に作りなおしてみたけど、本の素材はやっぱり紙のほうがいい
次の日に作りなおしてみたけど、本の素材はやっぱり紙のほうがいい

以上「豆の豆ちしきの豆本」を豆で作ってみた。そこでわかったのは、本の素材として紙がいかに優れているか、ということだ。

紙は、濡れてないし、表面にインクで文字を書くことが出来る。

最終的に、油揚げなんか使わずに紙を使って本を作ったら便利なのではないだろうかということに思い至った。

東京に憧れて上京したものの、いろいろと挫折して地元にUターン就職した若者みたいな結論になってしまった。

路線図ワークショップやります!

レシピだけではない路線図の可能性を考えよう
レシピだけではない路線図の可能性を考えよう

今週末7月13日〜7月15日の3連休、渋谷ヒカリエ8階のデイリーポータルZ編集部にて「夏休み直前!ワークショップ10連発!」が開催されます。

私、西村も7月14日14時〜15時30分まで「身の回りの物をなんでも路線図にしてみよう」というワークショップを行います。

少し前の記事「料理のレシピを鉄道路線図で表現してみる」 がことのほか人気だったので、調子にブッこいて偉そうにワークショップなんてものを開こうってすんぽうです。

ただ「考えよう」と銘打ってますが、ぼくが家から持っていく路線図コレクションの自慢大会という一面もあると思うので、自慢されたいだけという奇特な方の参加もOKです。

詳しくはこちら「身の回りのものをなんでも路線図にしてみよう」をごらんください。

日時:7月14日(日)14時〜15時30分
定員:10人
参加費:無料

以上、みなさまふるってご参加ください。
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