フェティッシュの火曜日 2013年7月23日
 

横浜でアリゲーターガーを釣って食べた (あとカミツキガメも)

中華街!ベイブリッジ!!アリゲーターガー!!!
中華街!ベイブリッジ!!アリゲーターガー!!!
「アリゲーターガー」という魚がいる。成長すると全長2メートルを超えるという大型淡水魚だ。もちろん外国原産の種なのだが、その化け物みたいな魚は残念ながら日本にもいる。日本にもいるので捕まえてきた。捕まえてきたので食べた。
1985年生まれ。生物を五感で楽しむことが生きがい。好きな芸能人は城島茂。
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東京にもいる。横浜にもいる

ガー、あるいはガーパイクと呼ばれる北・中米産の魚たち。
魚雷のように長くとがった体型、鋭い歯。そして古代の生物を彷彿とさせるような独特の雰囲気を持ち、ここ日本でも観賞魚として人気者になっている。
博物館に展示されていたアリゲーターガ―のはく製
博物館に展示されていたアリゲーターガ―のはく製
しかし最近、日本各地の河川や湖沼でこのガーたちが目撃あるいは捕獲される例が増えている。とても大きく育つ魚なので、持て余して捨ててしまう飼い主がいるのだ。
中でも超大型になるアリゲーターガ―は、かわいい赤ちゃんがとても安価で買えてしまうのだが、あっという間に一般家庭では手に負えないサイズに成長する。そのため捨てられやすいのか捕獲例が多い。東京でも多摩川や呑川などで近年相次いで捕らえられ、新聞やテレビにイヤな色の華を添えている。

で、最近この魚が横浜のある川でも目撃されているらしい
横浜といえば港町。というイメージだったが、立派な川もあるのだ。
横浜といえば港町。というイメージだったが、立派な川もあるのだ。
街中を流れる鶴見川という川である。日中の川原には付近にお住まいの方々がウォーキングやキャッチボールなどで体を動かしている姿が目に付く。のどかだ。ガーなんかがいる川辺の風景とは思えない。
消えかけている看板には鶴見川に暮らす魚たちの紹介が。でもアリゲーターガ―の名はさすがに無い。
消えかけている看板には鶴見川に暮らす魚たちの紹介が。でもアリゲーターガ―の名はさすがに無い。

釣り人から情報を集める

さて、初めて訪れる川である。手元には「アリゲーターガーがいるらしい」という情報しかない。獲物がどこにいるのか、どうやって捕まえればよいのか。街中の水辺でそのヒントを求めるのにうってつけな存在が「アマチュア漁師」とも言える釣り人である。
水面を覗いてまわる前に、彼らを探してお話を聞かせてもらう。
日中、特に休日はブラックバスやコイ、テナガエビ等を狙う釣り人で賑わう。
日中、特に休日はブラックバスやコイ、テナガエビ等を狙う釣り人で賑わう。
結果から言うと、とりあえず情報は意外なほどたくさん集まった。
目撃者は多数。釣り上げた、あるいはハリに掛けたけど逃げられたという釣り人も複数いることが明らかになった。その時の状況はというと、
・ハリに掛かった小魚を仕掛けごと横取りしていった。
・泳いでいるのが見えたのでルアーを投げたら釣れた。
・気づいたら足元にいたので、生きたハゼを落としたら襲いかかってきた。
などというものであった。
いずれの例も最初から準備万端で狙っていたわけではなく、他の魚を釣っている最中にたまたま遭遇してしまったらしい。
ただ、全てのケースでアリゲーターガ―は動いているエサまたはルアーに反応しているので、「捕まえたいなら生きたエサを使って釣るのがいいのでは」というアドバイスもいただいた。
身の丈より高いアシが茂り放題に茂っているので、立ち入れる岸辺はかなり制限される。
身の丈より高いアシが茂り放題に茂っているので、立ち入れる岸辺はかなり制限される。
また、この川には確実に複数匹のガーが生息しているらしい。大きなものでは120センチほどのものと150センチほどのものがおそらく1尾ずつ、小さなものでは40センチから80センチほどのものが最低でも数匹はいるというのが、釣り人たちの見解である。
目撃例が多いエリアの風景
目撃例が多いエリアの風景
なお、1メートルを超える大型個体はやや下流でコイやハゼを狙う釣り人を中心に目撃されており、彼らの間では「丸太ん棒みてえにデカい魚」として共通認識されていた。
一方、数十センチ台と小型のものはもう少し上流でバス釣りファンたちに多く目撃されていた。ただし、いずれも神出鬼没であるらしい。
また、ガーの姿をよく見かけるのは夕暮れ以後であるということだったので、今後は日没後を中心に探っていくことにした。
目撃情報が多いのは潮の影響を強く受けるエリアなので、干潮時は水が減ってしまい釣りどころではない。場所だけでなく時間帯も限られるのだ。
目撃情報が多いのは潮の影響を強く受けるエリアなので、干潮時は水が減ってしまい釣りどころではない。場所だけでなく時間帯も限られるのだ。

いきなり目撃!

鶴見川初訪問は釣り人と雑談して、川沿いをひたすら歩いて地形を把握しただけで終わった。ガーの姿こそ見られなかったが、色々と有意義な情報を得られた。
待っていろ「丸太ん棒」。ここから確実に追い詰めてやるぞ。

そう思いながら駅へと向かって歩く途中、ふと川に掛かる橋から水面を見下ろすと…
へぁっ!?
へぁっ!?
いた。ガーがいた。
50センチくらいのガーが5匹、群れて回遊している。

水面を泳ぐガー達を10秒くらい呆然と見ていた。群れが方向を転換し、視界から遠ざかろうとした時になってようやく「あっ、写真撮らなきゃ!」と気づいた。しかし焦って手が震えてカメラの準備にもたつき、結局その姿をSDカードに収めることはできなかった。
ガーの群れを激写!…したはずが何も写ってない。心の眼を使っても見えない。
ガーの群れを激写!…したはずが何も写ってない。心の眼を使っても見えない。
なんにもできなかった…。という後悔と同時に、外来種問題への嘆きやら捕獲成功への期待やらが入り混じった興奮がこみ上げてきた。

ところで今見えたガーの種類は何だろうか。小さかったが、頭の形状や体色から判断すると若いアリゲーターガ―である可能性が高いように思う。いや、より小型の「スポッテッドガー」という種類かもしれない。興奮時の記憶はあまりアテにならないし。これはやはり捕まえて確かめるしかなさそうだ。
これがスポッテッドガー。全身にまだら模様があり、ガーの中では比較的小型。
これがスポッテッドガー。全身にまだら模様があり、ガーの中では比較的小型。
さて、後日改めて釣竿を持って鶴見川を訪れた。前回群れの姿を拝んでいるのでもう釣ったも同然という気分になっている。足取りも軽い。
釣り場に着いたらまずはエサを調達しなければならない。ブルーギルを釣ろう。
エサのブルーギル。現地調達、現地消費。
エサのブルーギル。現地調達、現地消費。
これがものすごく面倒くさい。いくらでも簡単に釣れるだろうと甘く考えていたのだが、それが意外と難しい。しかもアリゲーターガーとは逆の昼行性なので、エサを確保するためだけに日没前に現地入りする必要が出てくる。釣った後活かしておくのも大変だ。その後しばらくはこのエサ問題に悩まされた。

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