フェティッシュの火曜日 2013年7月23日
 

横浜でアリゲーターガーを釣って食べた (あとカミツキガメも)

1年が経つ

鶴見川に足繁く通い始めて1年近くが過ぎた。初めて目撃した日以来、ガーの姿は見ていない。あの日はたまたま運が良かったようだ。
そういえばかさばる装備を長距離運搬するのに嫌気がさし、横浜に月極めのロッカーまで借りた。

ちなみに、1年間の自宅‐横浜間の交通費をざっと計算すると、オフシーズンならちょっとした沖縄旅行ができそうな額になった。実際はこれに宿泊費、食事代、エサ代、ロッカー代などが加わるのだが、自分を保てなくなりそうなので考えないことにする。
もはや乗りかかった船、たとえそれが深海艇だろうが宇宙船だろうが、もう目的地まで下船はできない。夜の川辺に今宵も立つ
もはや乗りかかった船、たとえそれが深海艇だろうが宇宙船だろうが、もう目的地まで下船はできない。夜の川辺に今宵も立つ
しかしその間にも、鶴見川でアリゲーターガーとスポッテッドガーが1尾ずつ釣りあげられたという情報が入った。
そうか、やっぱりこの川にはスポッテッドガーもいるのか。ということは最初に見つけた群れはスポッテッドガーだったのだろうか。どちらにせよ釣り上げたい。

しかし悔しい。ガー捕獲への情熱なら負けてないつもりなんだけどなー。それを証明するためにはまた横浜へ通うのみ。そんなある晩、ついに仕掛けが引っ張られた!川の中で何かがバタバタと暴れる!その正体は!
ああ、おまえか…。
ああ、おまえか…。
ナマズでした…。ナマズは個人的に大好きな魚だ。川にブラックバスやブルーギルが泳いでいると悲しくなるが、ナマズの間抜けな顔が見えるととても嬉しい。「日本の川だなー!」と思える。
でもちょっと〜。このタイミングは違うでしょ〜。空気読んでよ〜。

ついに釣れた!アリゲーターガー!

後日、季節外れに冷え込んだ晩。またも仕掛けが引っ張られる。
しかしあまり大きな魚ではなさそうなので、「またナマズかな…。」と大して期待もせず釣り糸を巻く。
だが妙だ。ナマズはバタバタとその場でもがくように暴れて抵抗したのに対して、この魚は「キューーン!」と対岸へ向けて一直線に走ろうとする。

ナマズじゃない…?じゃあ…!?
こ・れ・は〜?
こ・れ・は〜?
細長いシルエットが水面に見えた。
なんとかタモ網に収めたが、興奮しすぎてその前後の記憶が実はあいまいだ。
アリゲーターガーでしたー!小さいけどー!
アリゲーターガーでしたー!小さいけどー!
網の中で暴れるのは間違いなく小型のアリゲーターガ―。「丸太」には程遠い。せいぜいおもちゃのバットといったところ。でも嬉しい。
魚雷というかミサイルというか。個性的なシルエット。
魚雷というかミサイルというか。個性的なシルエット。
アリゲーターと名が付くだけあって、確かにワニなどの爬虫類に通じる雰囲気が感じられる。特に上下から見た頭の形はワニによく似ている。
裏返すと真っ白。ヒレがある点以外は魚っぽくない。
裏返すと真っ白。ヒレがある点以外は魚っぽくない。
そして色々と硬い。頭や顎の骨はカチコチだし、全身を覆う鱗も一枚一枚が小石のように硬くて腕の中で暴れられるとけっこう痛い。
頭の骨格のつなぎ目が見える。
頭の骨格のつなぎ目が見える。
口の周りはカッチカチ。よく釣りバリが刺さったもんだ。
口の周りはカッチカチ。よく釣りバリが刺さったもんだ。
口の中には細かいが鋭い歯が二列に並ぶ。
口の中には細かいが鋭い歯が二列に並ぶ。
正直に言うと、間近で見てみるとすごくかっこいい魚だなと思った。飼ってみたくなる人の気持ちもわかる。だが飼いきれなくなって野外に密放流するのはやはりいただけない。

逃がす?飼う?否、食べる!

さあ、なんとか捕獲まではこぎつけたがこの獲物をどうするか。また川に放すわけにもいかないし、かと言ってこんなに大きな魚を責任持って飼ってやることもできない。
ならば食べるしか取るべき手段は無かろう。どんな味か気になるし。
まな板の上のガー
まな板の上のガー
まずは料理の下ごしらえ。もちろんアリゲーターガ―なんて料理した経験は無いが、所詮は魚だしどうとでもできるだろう。とりあえず下ごしらえとして鱗を落とし、内臓を取り去る。
鱗を落とそう…あれ?
鱗を落とそう…あれ?
しかし、ここでさっそく問題発生。鱗が落とせないのだ!どんなにしつこく頑張っても、どんなに強く包丁の刃を立てても一枚も剥がせない。なんだか鱗の構造自体がちょっと変だぞ…?
みっちりと隙間なく敷き詰められた「ガノイン鱗」。配列が芸術的。
みっちりと隙間なく敷き詰められた「ガノイン鱗」。配列が芸術的。
一般的に魚の鱗と言うものは前方(頭部側)で皮膚とジョイントしているだけなので包丁で逆撫でしてやれば落ちる。ところがガーの鱗はガノイン鱗(別名:硬鱗)という特殊なもので、全体がぴったりと皮膚に密着していて剥がれない。しかも一枚一枚が骨のように硬く分厚い。普通の魚のうろこがスパンコールだとすると、アリゲーターガ―のガノイン鱗はさながら石畳なのだ。

仕方ない。あれをやるか。

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