フェティッシュの火曜日 2013年7月23日
 

横浜でアリゲーターガーを釣って食べた (あとカミツキガメも)

丸焼きにして丸裸に!

直火で丸焼き!
直火で丸焼き!
実は先日、実際に原産地であるテキサス州でアリゲーターガ―を釣って食べたという人物に話を聞くことができた。その人物によると、「川が焦げるまでしっかり丸焼きにして、皮をバキバキ割って身を取り出すと食べやすい」とのことであった。
「皮」を「バキバキ割る」というのがピンとこないが、とりあえずやってみよう。
んん!?
んん!?
じっくり時間をかけて焼いていくうちにアリゲーターガ―の皮に異変が。鱗の並びに沿って亀裂が入ったのだ。よく見ると肉と皮が分離しつつある。
皮がめくれ上がっている…。
皮がめくれ上がっている…。
めくれた皮を掴んで引っ張ると、バキバキバリバリと音を立てて割れ、剥がれる。「皮を割る」ってこれのことか〜。
剥けたというより脱げたと表現した方がいいかもしれない。
剥けたというより脱げたと表現した方がいいかもしれない。
皮が鱗ごと大きく身から離れてきた。まるでアリゲーターガ―が服、いや甲冑を外そうとしているかのようだ。
「アリゲーターガ―の丸焼き」完成!
「アリゲーターガ―の丸焼き」完成!
2時間かけて付きっきりで焼き続け、ようやく出来上がり。ちなみに晴天の下で作業したので僕もよく焼けた。
しっかり焼くとすごく気持ちよく皮が剥ける。人間の日焼け跡と同じだね。
しっかり焼くとすごく気持ちよく皮が剥ける。人間の日焼け跡と同じだね。
剥がれかけた皮をめくってみると、ベロォォッと勢いよく剥けた。ここで皮まで分厚く固いことに気付く。これは皮を通り越して「殻」の領域に片足突っ込んでいる印象だ。
一瞬で胴体の皮が全て剥ける。スカッと爽やか。
一瞬で胴体の皮が全て剥ける。スカッと爽やか。
頭を固定して皮をズルンと脱がせると一瞬で丸裸になってしまった。ものすごく気持ちがいい。この快感はあれだ。タラバガニの脚の身を綺麗に引きずり出せた時の爽快さに似ている。クセになりそうだが、もう生涯でこの感覚を味わう機会はおそらく二度とないだろう。
剥いた皮の一部。やはり鱗が特殊すぎて、まったく魚の皮には見えない。
剥いた皮の一部。やはり鱗が特殊すぎて、まったく魚の皮には見えない。

魚より七面鳥に近い

さて、いよいよ試食の時である。一体どんな味なのか。どんな食感なのか。
身はすごくパサパサ。ナイフで切り分けてもポロポロ崩れる。ジューシーさの欠片も無いことは写真でも伝わると思う。
身はすごくパサパサ。ナイフで切り分けてもポロポロ崩れる。ジューシーさの欠片も無いことは写真でも伝わると思う。
皿に取り分けるためにナイフを入れると、かなりしっかりした手ごたえを感じる。肉質はかなりしまっているようだ。しかし、肉を骨から外す際には白い身肉がぽろぽろと崩れる。何か変だ。そう、身に脂がほとんど無く、パッサパサなのだ。
クリスマスに食べるアレに見えないか。
クリスマスに食べるアレに見えないか。
切り分けてみるとなんだか魚肉には見えない。でもこのパサパサした肉。どこかで見た覚えがあるぞ。そうだ、七面鳥の肉だ。
とりあえず食べてみよう。
とりあえず食べてみよう。
でもまあ見た目は七面鳥でも味は魚かもしれない。とにかく食べてみようではないか。

…。
食感は魚ではない。脂がまったく乗っておらず、極端にパサパサしている。こんな肉はどこかで食べた覚えがある
…やっぱり七面鳥だ。もしくは安い鶏のササミか胸肉だ。森のバターやら畑の肉のように川の七面鳥とか湖のササミといったあだ名をつけてやりたい。まさか魚なのに食感は鳥類だなんて。かなり意外である。
アリゲーターガ―を食らう際は、油脂分と味わいを補うべし!
アリゲーターガ―を食らう際は、油脂分と味わいを補うべし!
では味の方はどうか。…残念ながら脂と同じく味もやけに薄い。しっかり噛みしめると確かに魚の風味は感じられるが、非常に味気ない。要約すると「ぼんやりした魚の味がするパサパサの鳥肉」である。
そんな味気ないものを食べ続けるのはさすがに辛い。そこで味と脂と色どりを補う目的でサルサやニンニクマヨネーズを添えてみるとグッとおいしく、そして食べやすくなった。素朴な食材だけに調理法と味付けの工夫が重要ということだろう。
身と皮の間に臭みが溜まっているようだ。アリゲーターガ―料理を作る際は要注意。
身と皮の間に臭みが溜まっているようだ。アリゲーターガ―料理を作る際は要注意。
さて、アリゲーターガ―の肉は脂も少なく味わいも薄く、強いてポジティブに言えばクセの無い食材であることがわかった。
しかし皮と肉の境目の身には川魚特有の臭みがあった。ここにだけは淡水魚らしさを垣間見せてしまったようだ。
手元には頭が残った。捨ててしまおうかとも思ったが、せっかくだし干して記念にとっておこうか。
手元には頭が残った。捨ててしまおうかとも思ったが、せっかくだし干して記念にとっておこうか。
横浜産アリゲーターガ―の食材としての総評は正直なところ「まあ食べられる」という程度であった。残念ながら個人的にはまた食べたいとまでは思えなかった。僕はアリゲーターガ―よりは七面鳥や鶏肉の方がいい。

繁殖してる?してない?

時間はかかったが、なんとか無事にアリゲーターガ―を手にすることができた。ついでに口にすることもできた。ほぼ満足だが、欲を言うならやはり「丸太ん棒」も仕留めたかった。ところで鶴見川のアリゲーターガ―は繁殖までしてしまっているのだろうか。もし今回釣ったのが「丸太ん棒」たちの子どもだったとしたら…?考えたくないことだが、今後もちょくちょく様子を見に行く必要がありそうだ。
巨大外来魚といえば鶴見川には1mを超えるソウギョもいる。岸辺には彼らに食いちぎられた葦の葉がちらほら。
巨大外来魚といえば鶴見川には1mを超えるソウギョもいる。岸辺には彼らに食いちぎられた葦の葉がちらほら。

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