特集 2013年8月16日

日本一の水のない水族館に行く

左から、リュウグウノツカイ、人、マンボウ、マンボウ
左から、リュウグウノツカイ、人、マンボウ、マンボウ
水族館に行けばいろいろな魚を見ることができる。そんな水族館に必ずあるのが水である。水がなければ魚はピチピチ跳ねるだけだ。

しかし、鳥取県の境港市には水のない水族館がある。国内最大規模の700種4000点の魚が展示され、日本一の大きさを誇るマンボウを見ることもできる。ただし水はないのだ。実際に行ってみようではないか。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

水族館には魚がいる

薄暗い空間に青く輝く水槽があり、世界各地の魚が泳ぐ水族館。海の世界に棲む魚を見ることができる貴重な施設だ。サメもいれば、イワシやアジというスーパーに並ぶ見慣れた魚もいる。水族館は楽しい場所だ。
水族館は楽しい!
水族館は楽しい!
そんな水族館に必ずあるのが「水」である。水がなければ水族館は成立しない。魚が生活できないからだ。干物の展示会みたいになってしまう。美味しそうだけれど、それは水族館ではない。
水族館には水が必要!
水族館には水が必要!
しかし、水のない水族館が存在した。水木しげるの出身地「鳥取県境港市」にそれはある。境港と言えば「水木しげるロード」に注目されがちだけれど、境港はそれだけではないのだ。しかも日本一の水族館だそうだ。
水木しげるだけではありません!
水木しげるだけではありません!

700種4000点

水のない水族館の名前は「海とくらしの資料館」。別名「日本一の魚のはく製水族館」である。白い壁が美しい酒蔵を改修して1994年にオープンした施設だ。700種4000点の魚やカニの剥製が展示されている。
海とくらしの資料館(鳥取県境港市花町8-1)
海とくらしの資料館(鳥取県境港市花町8-1)
休日の水族館と言えばカップルや家族連れに賑わうが、こちらの水族館は人が少なくゆっくりと魚を見ることができた。水槽をはさまないので、魚との距離は近い。サメもマンボウも口づけできる距離で見れるのだ。
近い!
近い!
入ってすぐに目につくマンボウは体長2.8m。境港で水揚げされたマンボウで、日本一巨大なのだそうだ。実際に見てみるとやっぱり大きい。家にいたら邪魔だろうな、と思うけれどここは水族館。やはり大きいと迫力があって見応えがある。
サメもいる!
サメもいる!
深海魚であるリュウグウノツカイも展示されている。人魚の肉を食べて800歳まで生きたという伝説「八百比丘尼」の人魚とはこのリュウグウノツカイのことだ。展示されているのは松江市で水揚げされたものである。
泳いでいるように展示されているのは珍しい
泳いでいるように展示されているのは珍しい

とにかくたくさんいる

水こそないが大きい魚も小さい魚も貝やカニも展示されている。本当の水族館のように大きくないのが逆によく、次々に魚が目に入ってくる。こんな魚もいるのか、こんな形をしているのかという純粋な驚きがある。
たくさんいる!
たくさんいる!
一気に見れるのも逆に新鮮!
一気に見れるのも逆に新鮮!
わらわらいる
わらわらいる
ガラスの向こうに展示される魚もいるけれど、そうでない魚も多く、「触らないでね」と書いてあってもつい手が出てしまいそうになる。特に子供はそうらしく、触っちゃダメ! というお母さんの声がよく聞こえた。
喰われる!(テンションが上がっておりました)
喰われる!(テンションが上がっておりました)
ガラスがない展示は写り込みもないので写真も撮りやすい。また宙に吊ってあるものもあるので、水族館では難しい360度どこからでも魚を見ることができる。実に興味深い。動きはないが魚のことを知るにはいい施設な気がした。
いい!
いい!

牡蠣を食べる

世界で一番美味しい食べ物をご存知だろうか。いろいろな意見があると思うが、答えは「牡蠣」である。鳥取は岩牡蠣の産地。上記の施設から歩いて数分のところに「境港水産物直売センター」というものがあり、ここで牡蠣を食べることができる。
境港水産物直売センター(鳥取県境港市昭和町9ー5)
境港水産物直売センター(鳥取県境港市昭和町9ー5)
安い!
安い!
牡蠣が一個400円。大きさを考えれば高くない。その場で剥いて食べることもできる。海の生き物を「海とくらしの史料館」で勉強した後は経験である。水族館では知ることのできない味を知るのだ。資料館に牡蠣はなかった気がするけれど、経験である。
大きい!
大きい!
醤油もポン酢もいらない。レモンを絞るだけ。するとどうだろう。お口の中はパラダイス。濃厚で滑らかな味わいが広がる。何個でも食べられそうな味なのだ。魚を知り、牡蠣の味を知る。境港は素晴らしき場所なのではないだろうか。水のない水族館のあとはここだ。
美味しい!
美味しい!

水族館の後は食べる

以前からこの施設の存在を知っていて行ってみたいと思っていた。行ってみると剥製とは言え、一般の水族館のように水槽のガラスをはさまないため迫力がある。また大きさを直接感じることもできるのも嬉しいポイントだ。そして、何より牡蠣が美味しい。これが一番の高ポイント。やはり水族館の近くには牡蠣を食べられる場所が必要だ。
真正面から初めてサメを見た
真正面から初めてサメを見た
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