特集 2013年8月17日

憧れの雑誌の取材を受けました!

有名雑誌に取材されました!
有名雑誌に取材されました!
先日、雑誌の取材を受けました。
全国の書店やコンビニ、駅の売店等で発売されている、誰もが一度は見かけたことのある有名雑誌にです。
そんな機会は今後の私の人生でまず起こりませんので、ここぞとばかりに自慢させていただければと思います。
その雑誌とは、あの業界一の老舗雑誌『週刊プロレス』です!!
1980年北海道生まれ。
気が付くと甘いものばかり食べている偏った食生活を送っています。


前の記事:風発生器と風発生カーディガンを作りました


『週刊プロレス』とは。

『週刊プロレス』、通称・週プロはベースボール・マガジン社が刊行するプロレス専門誌。1955年にその前身となる月刊誌『プロレス』が創刊、1983年から週刊化され、今なお続いている老舗プロレス雑誌です。
『プロレス』のロゴが印象的。一度くらい見かけたことありますよね?
『プロレス』のロゴが印象的。一度くらい見かけたことありますよね?
かつては週プロや『週刊ゴング』、タブロイド紙の『週刊ファイト』など複数の専門誌がそれぞれに個性的な切り口でファンを楽しませていましたが、現在ファイトとゴングは休刊しており、週刊誌として定期刊行されているのは週プロのみとなっています。

何を隠そう、私は現在のような週プロ一党制になる前から週プロ派でした。
以前の職場では、「芸人によるコラムなど試合レポート以外の企画も面白いものが多い」と言うゴング派の上司と、ゴングよりサイズが大きめでカラーページが多く写真もきれいな週プロこそプロレス雑誌の雄だと退かない私とで意見を戦わせていたものです。
数年前、週プロをごっそり捨てることになり、得も言われぬ喪失感に襲われたこともあります。
捨てる直前の悪あがきで、写真に残しました。
捨てる直前の悪あがきで、写真に残しました。
何が言いたいのかというと、プロレスファンにとって週プロとはそれだけ大きな存在であるということです。
いわば、阪神ファンにとってのデイリースポーツのようなものです。
あるいはおしゃれOLにとってのCanCam、もしくは就職活動中の大学生にとっての会社四季報、はたまたバイト探しにおけるフロムエーのようなもの。
それでは、週プロについて分かっていただけたところで話を先に進めたいと思います。

週プロがやってくる!

今回取材を受けたのは、もちろん私個人ではなく、私が以前記事にした女子プロレス団体・アイスリボンのプロレスサークルです。
何故私まで取材を受けたのかと言うと、それは私が今プロレスサークルに通っているからです。
記事より、ヘボドロップキック。今は少しマシな動きになりました、多分。
記事より、ヘボドロップキック。今は少しマシな動きになりました、多分。
メンバーのひとりが週プロに手紙を送り、今回初めてプロレスサークルを週プロに取材してもらう運びとなりました。

プロレス専門誌がデイリーポータルZの後追いとなった、歴史的な瞬間である。

唐突に文体を変えてしまいましたが、実はプロレスサークルに関しては専門誌に先がけてデイリーポータルZが記事にしていたんてす!
すごくないですか?!すごいですよね!

何故こんなアピールをしているのかというと、私が取材した時は平常モードだったサークルメンバーの皆さんが、週プロの取材と聞くや相当な盛り上がりを見せ、手紙を送った本人は感激のあまり泣いていたからです。
何だよ、週プロがそんなにいいのかよ!まぁ私だって読んでるけどさ!!
そんなわけで、週プロさんがやってきました!
そんなわけで、週プロさんがやってきました!

プロの技術を見て盗もう。

私の場合は取材の名目で体験させてもらっていたので、動きについていくのに必至で2時間があっという間に過ぎてしまいましたが、週プロさんの場合はどうでしょう。
プロの取材がどんな風に行われるのか興味深々だったので、練習中あからさまにチラ見してコーチに呆れられつつ、様子を窺ってみました。
準備運動中。すごく見てる。
準備運動中。すごく見てる。
ドロップキック練習中。すごく撮ってる。
ドロップキック練習中。すごく撮ってる。
カメラマンの方は、リングサイドを動き回りながら練習ごとに1人5~6枚写真を撮っているようです。
今までいい写真が撮れないのは安いカメラのせいだと思ってきましたが、こうやってベストショットを求めて動き回ったりシャッターチャンスを逃さないためにたくさん撮っておくという当たり前のことが大事なんだな、とプロの姿から学びました。
プロでさえそうなのですから、機材も腕もしょぼい私などなおさらです。
ロックアップ練習中。超見てる。たまにメモとってる。
ロックアップ練習中。超見てる。たまにメモとってる。
記者の方はあまり動かず、たまにメモを取りながらじっと練習風景を観察していました。
別に見た目が怖いとかじゃないんですが、真面目な表情を崩さずに佇むその姿に静かな迫力を感じます。
私は珍しいものを見たり楽しそうだなーと思ったりすると、にやけ顔になったり口が半開きになったり間抜け面を晒しがちなので、一見出来るライターを装えるように真面目な表情を保つことを心がけようと思いました。

プロによるインタビュー。

練習終了後は、プロによるサークルメンバーへの質問タイムです。
インタビューされる私たち。
インタビューされる私たち。
質問内容は、「何でここに通うようになったのか」「周りの反応はどうか」など、わりとありありがちなもの。
ですが、記者の方がそれぞれの回答についてつっこんだり話を広げたりするのが上手く、そのあたりにもプロの技を感じさせられました。
「プロレス好きで、プロレスラーに憧れていたので」 「プロレス好きで、ダイエットしたかったので」<br> 「プロレス好きで、失恋したので」
「プロレス好きで、プロレスラーに憧れていたので」
「プロレス好きで、ダイエットしたかったので」
「プロレス好きで、失恋したので」
「プロレス見たことないけど、強い女になりたいから。男に守ってもらわなくてもいいような」
「プロレス見たことないけど、強い女になりたいから。男に守ってもらわなくてもいいような」
記者の方も、
「強い女になりたくてプロレス?」」
「他にあったでしょ?」
と食いついていました。
「接客業なのですが、お客さんに『技かけてよ』って言われます。」
「接客業なのですが、お客さんに『技かけてよ』って言われます。」
「お母さんは心配みたいだけど、お父さんは喜んでます」 「プロレスやってるなんて引かれちゃうから、なかなか周りに言えないですよー」
「お母さんは心配みたいだけど、お父さんは喜んでます」
「プロレスやってるなんて引かれちゃうから、なかなか周りに言えないですよー」
練習中は一番積極的に技の体得に臨んでいる彼女の口から「周りに言えない」なんて控え目な発言が飛び出すとは、意外な一面を見た思いです。
ミサイルキックもお手の物。カメラマンも食いついてます。
ミサイルキックもお手の物。カメラマンも食いついてます。
また、プロレスサークルのアイドル的存在には記者もカメラマンも釘付けのようでした。
こちら、最年少メンバーの小学生です。
「お友達にプロレス習ってるって言ってる?」「言ってなーい」
「お友達にプロレス習ってるって言ってる?」「言ってなーい」
私は練習中はいいところ無しな上、特別面白い回答もできなかったので誌面で使われることがあるのか分かりませんが、こうしてメンバーたちの回答を聞いていると新鮮な驚きがあって面白かったです。
取材の締めにはコーチの志田選手にインタビューしていましたが、さすがにプロレスラーの志田コーチはインタビュー慣れしているのか、堂々とした受け答えでした。
若いのに考え方もしっかりしていて、さすが我らがコーチ!
週プロさんには、是非志田コーチのインタビューにカラー見開き2ページくらい使っていただきたいと思います。
我らが志田コーチは堂々とした受け答え。かっこいい。
我らが志田コーチは堂々とした受け答え。かっこいい。

週プロさんに逆取材。

私もライターの端くれですから、取材を受けた!わーい!!だけで終わるわけにはいきません。逆にこちらも取材してみることにしました。
ベースボール・マガジン社週刊プロレス担当記者、カメラマンのお二人。
ベースボール・マガジン社週刊プロレス担当記者、カメラマンのお二人。
--今回プロレスサークルを取材しようと思われたのは、何故ですか?
「実は今までアイスリボンがこういった活動をしていることをよく知らなかったのですが、手紙を頂いて、何故普通の女性が危険なことをやろうと思ったのか興味を持ったんです。 週プロの投稿コーナーにもたまに女子高生からの投書がありますが、何がきっかけでプロレスを知ったのか気になりますね。 それと、こういうことをしている団体自体が珍しいので面白いな、というのもありました。」

--普段はどんな団体の取材をされているんでしょうか?
「全日本プロレスなどの男子団体が主ですね。女子団体はあまり見る機会がありません。」

--好きな選手や団体など、ありますか?
「10年近く媒体の人間としてやっていますから、そういった感覚で仕事していないですね。」
ですよねー。ちなみに私は元全日本プロレス(現在は退団)の武藤選手のファンです。
ですよねー。ちなみに私は元全日本プロレス(現在は退団)の武藤選手のファンです。
--日頃男子の試合を見慣れていたら、プロじゃない女子の練習を見ていて苦痛じゃありませんでした?取材していて面白かったですか?
「いえ、皆さんよく動けているなぁと感心しました。日常でやらないような動きばかりなのに、よく付いていってますよね。 始めたきっかけで『ダイエット』『失恋』みたいな女子っぽい理由が聞けたのも面白かったです。ギャルがいるのには驚きました。」

--男子団体でもこういった活動が行われていたら、自分も体験したいと思いますか?
「いや、それは媒体の記者のすることじゃないでしょう。」
ですよねー。鋭い視線は、別に「俺もやってみてーなー」と思ってるわけではない。
ですよねー。鋭い視線は、別に「俺もやってみてーなー」と思ってるわけではない。
--カメラマンさんはいかがでしたか?写真の撮りがいがあるメンバーはいました?
「ギャルと小学生ですね。ギャルはあの見た目なのに動きがいい、というギャップが面白かったです。子供は走っているだけでも面白いですから、絵になりますね。」

--写真をたくさん撮っていましたが、普段の取材ではどれくらい撮られるんでしょう?
「一回の興行で2,000~3,000枚くらいです。今はデジタルなのでたくさん撮れますが、昔はフィルムだったので、1回の興行で36枚撮り2本くらいだったんですよ。」

--フィルムは無駄遣いできないし、現像するまで写真の出来も分からないし、大変ですね。
「まぁ僕はデジタル世代なので、そんな苦労してませんけどね。」
してないのかよ!デジタル世代は毎回12~3kgほどの機材を持ち運んでいるそうです。
してないのかよ!デジタル世代は毎回12~3kgほどの機材を持ち運んでいるそうです。
--週プロの表紙になるようなベストショットは狙って撮れるものなんですか?
「3,000枚も撮っていたら、ベストショットが撮れることもあります。」
狙ってないのかよ!小学生のロープワークに食らいついています。
狙ってないのかよ!小学生のロープワークに食らいついています。
「今の記事に載せます?やっぱり狙って撮ってることにしてください。」
狙い通りですよ!プロですから!!とのことでした。
狙い通りですよ!プロですから!!とのことでした。

取材って難しい。

週プロさんに逆取材!と言いつつ、怖そうな人だったら逃げる気満々でしたが、私の拙いインタビューにも気さくに答えてくれました。
ただ、インタビュアーがダメすぎて回答者に頼りきったものとなってしまい、私たちのように話すことに不慣れな素人からも適切なコメントを引き出す記者の技量はすごいなぁと改めて感心させられました。
それに、一回の取材で何千枚も写真を撮るカメラマンもすごいですよね。
正直たまに「何だこのつまんねぇ記事は!なぁ金澤!!」と思うことも無いわけではありませんが、こうしてプロの技を目の当たりにして、今後週プロを読むのがますます楽しみになりました。

今回の取材の様子は、8月中旬発売の週刊プロレスに掲載予定だそうです。
もうそろそろ発売になるはずですので、コンビニや書店で週プロを見かけたら是非お手に取ってご確認ください。ついでに買ってください。
よろしくお願いいたします。
アンケートの「よくなかった記事」まで公開するのが、週プロのプロレスっぽいところ。
アンケートの「よくなかった記事」まで公開するのが、週プロのプロレスっぽいところ。

そして、プロレスサークルは随時メンバー募集中です。興味を持たれた女性の皆様、お待ちしております!!

取材協力:ベースボール・マガジン社
アイスリボン プロレスサークル
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