フェティッシュの火曜日 2013年8月20日
 

ウナギが無ければタウナギを食べればいいじゃない

奈良の田んぼはタウナギ天国!

いや、次々見つかるものである。明るい内はどこにいたのか、あちこちの用水路にタウナギの黄色い影が浮かび上がる。
石垣の隙間やコンクリートの穴から顔をのぞかせていたり
石垣の隙間やコンクリートの穴から顔をのぞかせていたり
ただし、やみくもに用水路を照らして回れば良いというものでもないようだ。
注目すべきは水深で、タウナギは深さ5センチから20センチくらいと浅く水の張った流れの緩い水路に多かった。タウナギは魚のくせにエラ呼吸だけでなく、水面に鼻先を出して空気を直接吸い込む呼吸もする。浅い場所を好むのは餌を待ち伏せしながらその場で呼吸を済ませることができるためだろうか。
もう半身が水から出ちゃってたり。
もう半身が水から出ちゃってたり。
捕まえていて気付いたのだが、タウナギは泳ぎがかなり下手くそである。捕まえ損ねて泳いで逃げられても小走りで追いつけてしまうほどだ。その代わり、小さな穴やせまい隙間に潜り込む能力にはヘビもウナギも顔負けするほど長けている。そのためにヒレと泳ぎを捨てる進化を果たしたのだろう。流れの強い場所にいなかったのはこのせいかも。
これで平均的なサイズ。胴周りは親指より一回り太い程度。今回捕まえた最大のもので直径3センチくらい。
これで平均的なサイズ。胴周りは親指より一回り太い程度。今回捕まえた最大のもので直径3センチくらい。
姿を見つけてしまえばあとは簡単だ。網を構えて追い込むか、砂利ごと掬い取ってやればいい。失敗しても岩の隙間などに潜られる前に急いで回りこめばOK。こんなに簡単な魚捕りもそう無い。ただし、隠れ家から首だけ出している状態のものは網だと難しい。エサでおびき出して釣ることもできるが、さっさとあきらめて次のターゲットを見つけた方が効率的だ。
捕ったタウナギはスポーツジャグに入れて運搬した。エラ呼吸よりも空気呼吸に頼る魚なので水はほんの少しでよい。
捕ったタウナギはスポーツジャグに入れて運搬した。エラ呼吸よりも空気呼吸に頼る魚なので水はほんの少しでよい。

釣ってやる!エサは俺の指だ!

タウナギ、いくらでも採れる。一人で味見するには十分すぎる量があっという間に集まる。なんてちょろい魚だ…。と、ここで妙な欲が出てきた。もっと面白い方法で捕まえたい。
そこである仕掛けを考えた。自分の指そのものを餌にしてタウナギを釣るのだ。

自身の指に釣りバリを装着。ちょっと怪我が怖かったので指サックを買ってきた。
自身の指に釣りバリを装着。ちょっと怪我が怖かったので指サックを買ってきた。
なぜこんな馬鹿っぽいことを思いついたかと言うと、どうもタウナギは主に水の振動を頼りに餌を探しているように思えたからだ。その証拠に、近寄ってもライトで照らしても逃げ出さなかった。これは目が悪くてこちらに気付けなかったのではないか。じゃあ匂いに頼っているのでは?とも思ったが、新鮮なザリガニの死体が近くにあるのにまったく気づいていないタウナギも見かけたのでそういうわけでもなさそうだ。となると餌が動き回る振動を感じ取り、襲っているに違いない。
ならば、タウナギの目の前で小動物を装って指先を動かせば食いついてくるのではないだろうかと考えたのだ。
指に噛みつかせるまではできるようになったのだが…
指に噛みつかせるまではできるようになったのだが…
試してみると、この推理はほぼ当たっていた。怪訝そうに指先を見た後で逃げて行く者も多かったが、数匹のタウナギは目論見通り指に食いついてきた! ちなみに噛みつく瞬間に「チュパッ!チュパッ!」という威勢のいい音を立てるのが可愛くて面白い。しかし思ったよりも口が小さく、なかなかハリを咥えてくれないままどこかへ去ってしまう。
釣れた!なぜこんなブレた画像しかないのかと言うと、この直後に逃げられたからです。
釣れた!なぜこんなブレた画像しかないのかと言うと、この直後に逃げられたからです。
どうしてもこの方法で捕まえたくなってしまったので、残り時間は終電まで水路に指を突っ込み続けることにした。どんどん釣りバリを小さくしていった結果、開始後約2時間、通算13尾目のチャレンジでようやく釣り上げることができた。その決定的瞬間が上の写真だが、そのまま空中でハリが外れ、マイ・メモリアル・タウナギは元いた水路へと落ちていった。

肉の色まで魚っぽくない

何とも不完全燃焼な結果に終わったが、何はともあれ試食分は確保できたのだ。これでよしとしよう。というわけでいよいよ自宅へ持ち帰り調理に移る。
捌き方自体はウナギやアナゴと同様でまったく問題無かった。
捌き方自体はウナギやアナゴと同様でまったく問題無かった。
えぇ…。
えぇ…。
身肉が赤黒い…。灰の肉に血の赤が乗ったような色だ。
ヒレが無かったり空気呼吸したり指で釣れたりと変わった点はたくさんあったが、一体どこまで常識外れなんだこの魚は…。
何と言うか…。魚肉の色じゃない。
何と言うか…。魚肉の色じゃない。
魚の身の色は白身が基本で、たまにマグロのような鮮やかな赤身の魚がある程度だ。サケ・マスの類は橙色だったりと例外もあるが、こんなにえげつない身色の魚は初めて見る。
皮の面は遠目にはウナギっぽくも見える。
皮の面は遠目にはウナギっぽくも見える。

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