はっけんの水曜日 2013年9月11日
 

クモを酔わせてどうするつもり

「ささ、まあ一献」「あ、どうもどうも」
「ささ、まあ一献」「あ、どうもどうも」
「クモはコーヒーに酔う」という話を聞いた。コーヒーに含まれているカフェインが作用するらしい。
飲むと形状が崩れてぐだぐだな巣を作るというのだ。10年程前にテレビ番組でも紹介された有名な?トリビアだそうな。
この目で、クモが酩酊する様を見てみたい。
コーヒーで一献酌み交したい。あのかっこいいクモと。

注意)ご想像通り、この先はほぼクモの写真に終始しています。苦手な方はご注意下さい。
1975年神奈川県生まれ。普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。 最近バレンチノ収集を始めました。
> 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー

祖父との思い出

小学生の頃、夏休みに母方の実家である伊豆へ帰省し、ゲートボールチームのキャプテンであった祖父の試合によくついていった。
子供にはどうにもスローすぎる展開のゲートボールにすぐに飽きてグラウンドの周りを散歩していると、夏の日差しを浴びて黄金色に輝く大きな丸い網を空中に張り巡らし、その中央で大きなクモが堂々たるオープンスタンスで待機していた。
千葉で発見した個体。うっとりする美しさ。
千葉で発見した個体。うっとりする美しさ。
日本の代表的なクモ。コガネグモである。
黄色と黒のボーダーがあしらわれた大きな腹部が特徴の大型種だ。あまりものかっこよさにそのクモを持ち帰った。
佐渡で撮影。幾何学的な網がかっこいい。トロンだ。トロングモだ。
佐渡で撮影。幾何学的な網がかっこいい。トロンだ。トロングモだ。
飼うといったら大反対されたが「クモは網を貼るので家の中を歩き回ったりしないから大丈夫」と説得し、室内に持ち込んだ。

翌朝、祖父の寝室から「ぎゃあ、死ぬ!」という叫び声が響き渡った。クモが脱走して祖父の頭上の窓に大きな網をはったのだ。
「健史!ばか!今すぐクモを外に追い出せ!」

祖父はとてもやさしかった。真夏の縁日で私が欲しがるものを何でも買ってくれた。
孫の私を「けんちゃん、けんちゃん」と猫かわいがりしてくれた。そんな祖父にたった一度、「健史!」と呼び捨てにされた瞬間だった。
2007年頃、四万十川流域で発見。裏側もかっこいい。
2007年頃、四万十川流域で発見。裏側もかっこいい。

コーヒー持って山野めぐり。

つい祖父の思い出が想起される程にかっこいいコガネグモを、さあコーヒーで酔わせちゃうよと調べたら、現在では環境の変化に伴い個体数が激減し、関東ではなんと絶滅危惧種に指定されている地域もあるではないか。メダカ、ドジョウだけでなく、こんなに身近だと思っていた生き物も、もはや絶滅が懸念されるほどになっているのだ。

どこへ行こうか迷った末に、近年目撃した事がある狭い谷戸に作られた棚田にやってきた。
ショウリョウバッタがでかい。太古の地球の姿だ(うそ)
ショウリョウバッタがでかい。太古の地球の姿だ(うそ)
コガネグモは主に里山の林や草原に分布し、農道沿いの建物等にも網を作る。ここはやはりクモパラダイス。

コガネグモ以外のクモはがんがん見つかる。
ナガコガネグモ。個人的には足の肌色がなんか嫌だ。
ナガコガネグモ。個人的には足の肌色がなんか嫌だ。
チュウガタオシロカネグモかな?CG顔負けの美しい丸網
チュウガタオシロカネグモかな?CG顔負けの美しい丸網
ワキグロサツマノミダマシ。もはや何をだましているのかよくわからないが夜にきれいな網をはる。
ワキグロサツマノミダマシ。もはや何をだましているのかよくわからないが夜にきれいな網をはる。
しかしコガネグモは発見できず、雑草を刈り取っていたおじいさんに「稲の害虫とか食べてくれるからいいですよね」とクモのポジティブな印象をすりこみ、更に海沿いから里山まで、コガネグモを探して山野をめぐる。
鬼のようなオニヤンマ
鬼のようなオニヤンマ
でかいクモとはいえ、こういうところを探すので容易ではない。あと、ものすごく暑い。
でかいクモとはいえ、こういうところを探すので容易ではない。あと、ものすごく暑い。

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