特集 2013年9月13日

牛乳をご飯にぶっかけた料理を食べる

白ご飯に牛乳をかけた料理があります!
白ご飯に牛乳をかけた料理があります!
お茶漬けやねこまんまのように白ご飯に何かをかける料理が存在する。お茶漬けならお湯やお茶をかけるし、ねこまんまならば味噌汁をかける。これらは一般的な料理だ。

しかし、鳥取の琴浦町には「牛乳」をかける料理が存在した。上記と同様に白ご飯に牛乳をかけるのだ。その名も「ぶっかけ牛乳めし」。美味しいのだろうか。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

ご飯に牛乳という選択肢

ご飯に何かをかけるというのは一般的なことだ。お茶漬けやねこまんまもそうだし、牛丼なども「つゆだくで」と普通よりも多く汁気をご飯にかけることを望む人もいる。人はご飯に何か、特に液体をかけるのが好きなのだ。
味噌汁もご飯にかける!
味噌汁もご飯にかける!
とは言っても、何事にも常識はあって、何でもかければ言い訳ではない。コーラをご飯にかけてもダメだろう。ただその逆で何でもかけてみるというチャレンジ魂も日本人は持ち合わせている。牛乳だ。
牛乳だってご飯にかけるものになる!
牛乳だってご飯にかけるものになる!
鳥取県の琴浦町には牛乳を白ご飯にかける食文化がある。シリアル食品なら牛乳をかけることは普通だが、ご飯に牛乳をかけるというのは常識の外にある気がする。しかし、あるのだ。料理名は「ぶっかけ牛乳めし」。ストレートな名前だ。
ということで、鳥取の琴浦町にある「浦安駅」にやってきました!
ということで、鳥取の琴浦町にある「浦安駅」にやってきました!

ウラジオストクの手前の牛乳めし

ぶっかけ牛乳めしは鳥取県の浦安駅から歩いてしばらくのところにある「ちっちゃなレストラン」で提供されている。最寄り駅は「浦安駅」ではあるがディズニーランドはない。鳥取だからである。ただし海を見ることができ、その海の先には「ウラジオストク」があるそうだ。
ウラジオストク
ウラジオストク
手前が地主で、奥がきっとウラジオストク
手前が地主で、奥がきっとウラジオストク
この辺りは古くから畜産が盛んな地域で因伯牛も有名だろう。和牛の戸籍管理を始めたのも鳥取が全国初だ。牛への思いが強い場所と言える。そんな場所で提供されているのが「ぶっかけ牛乳めし」なのだ。
ちっちゃなレストラン(鳥取県東伯郡琴浦町逢束806 新鮮市場プラッツ内)
ちっちゃなレストラン(鳥取県東伯郡琴浦町逢束806 新鮮市場プラッツ内)

ぶっかけ牛乳めし登場!

和牛で有名な場所だけあり「ちっちゃなレストラン」のメニューを見ると、「ステーキ」や「焼肉」という文字がデビューしたてのアイドルばりに踊っている。しかし今回の目的は「ぶっかけ牛乳めし」。メインのページにその文字はなかったが、ドリンクの欄で発見できた。
ドリンク欄にぶっかけ牛乳めし
ドリンク欄にぶっかけ牛乳めし
店内には大きく書いてあったが、控えめという印象を受ける
店内には大きく書いてあったが、控えめという印象を受ける
お店に入り「ぶっかけ牛乳めしをお願いします」と女性の従業員さんに伝えた。従業員さんは厨房に向かい「ぶっかけー」と叫ぶ。ぶっかけなのだ。牛乳をご飯にぶっかけるのだ。やっぱり分かりやすい料理名である。
これがぶっかけ牛乳めし!
これがぶっかけ牛乳めし!
黒い器に白いご飯、白い牛乳が鮮やか。緑色のネギや上に乗ったラー油もいいアクセントとなっている。常識的に考えてしまうとこの液体が牛乳だとは思わないい。だってご飯に牛乳をかける文化はそんなに一般的ではないのだ。でも、間違いなく牛乳である。
牛乳です!
牛乳です!
ぶっかけ牛乳めしは全てが地元の物で作られている。ラー油には小魚が入っているが、それもウラジオストクにつながる海で捕れたものだ。また牛乳には出汁が入っており、ご飯が進む工夫が凝らされている。さらにラー油をとくことで味を変えることができ、最後まで飽きずに食べることができる一品だ。
ラー油を混ぜるとさらに美味しい!
ラー油を混ぜるとさらに美味しい!
よく料理を褒める言葉として「甘い」というものがある。砂糖の方が甘いだろ! と思ってきたが、ぶっかけ牛乳めしはまさにその甘いが的確な感想である。ご飯の甘さ、牛乳の甘さをとてもよく感じることができるのだ。自然の甘さとはこういうことなのだと思った。
美味い!
美味い!

作ってみよう!

お店で食べたぶっかけ牛乳めしの牛乳には出汁が入っていたが、お店の方に聞いたところ、昔はこの辺りの牛飼いは暑くて食欲がない時、冷ご飯に普通に牛乳をかけて食べていたと教えてくれた。ぶっかけ牛乳めしは奇をてらった料理ではなくこの地域の食文化なのだ。
ということは牛飼い版の牛乳めしを作ります!
ということは牛飼い版の牛乳めしを作ります!
ということは自宅でも冷ご飯にただ牛乳をかけても美味しいのではないだろうか。出汁もネギもラー油もいらないのだ。白いご飯に白い牛乳をかければそれはもはや歴史ある「ぶっかけ牛乳めし」なのだ。
人生初のことでした
人生初のことでした
リゾットには牛乳が入っていたりするが、リゾットには牛乳以外のものも入っている。ただし純粋なぶっかけ牛乳めしは牛乳だけ。栄養的にはとてもいい気がするが味はどうなのだろう。
完成!
完成!
お店でも食べた牛乳めしは美味しかったので期待して食べた。その結果、四番打者が空振りした時の監督の気持ちをよく理解できた。マズくはないが悩む味。それぞれで食べたり飲んだりした方が有意義という気がする。これを看板にしたお店は潰れるだろう。美味しい「ぶっかけ牛乳めし」を食べるのは難しいらしい。
悩む味だった
悩む味だった

夏は冷たく、冬は温かく!

「ちっちゃなレストラン」では夏バージョンと冬バージョンの「ぶっかけ牛乳めし」がある。冬は牛乳が温かくなるそうだ。よりリゾットっぽくていい気がする。また自分で作って分かったが出汁は重要らしい。ちなみに自分で作った牛乳めしもラー油をかけると少し食べられる味になった。ラー油もまた偉大なのだ。そういう結論である。
ラー油で美味しくなる!
ラー油で美味しくなる!
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