特集 2013年9月27日

オッチャホイの街でオッチャホイを食べる

ご存知の通り「皿オッチャホイ」が一般的です!
ご存知の通り「皿オッチャホイ」が一般的です!
新潟県に新発田(しばた)という街がある。新発田城やアスパラ、オッチャホイで有名な街だ。新潟と言われれば佐渡のトキやイタリアン、へきそばが有名だけれど、新発田の存在も忘れてはならない。

そんな新発田ではアスパラを活かして「アスパラみどりカレー」という緑色のカレーを食べることができる。もちろん「オッチャホイ」も食べられるのだ。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

新潟のグルメ事情

日本海に面した新潟。佐渡のトキや佐渡の金山、佐渡のたらい舟などが有名だ。グルメだと焼きそばのようなものにトマトソースのようなものがかかった「イタリアン」や、トンカツを甘辛醤油にくぐらせた「タレカツ丼」などが有名だ。
イタリアン
イタリアン
タレカツ丼(カツ丼を頼むと「タレカツ丼」が出てくる)
タレカツ丼(カツ丼を頼むと「タレカツ丼」が出てくる)
新潟と言えばその他にもアルビレックス新潟やスキーなども浮かぶが、忘れてはならないのが新発田の存在である。新潟県内では唯一となる江戸時代当時の城郭建築が現存する「新発田城」や、陸上自衛隊の駐屯地「新発田駐屯地」がある街だ。
新発田駅
新発田駅
そんな新発田には「アスパラみどりカレー」と「オッチャホイ」というグルメがある。新発田はアスパラの出荷量が新潟県一。これを活かしたグルメが「アスパラみどりカレー」なのだ。「オッチャホイ」の前にコチラを堪能したいと思う。
新発田といえばアスパラです!
新発田といえばアスパラです!

オッチャホイの前に

「アスパラみどりカレー」とは「グリーンカレー」とは異なる。新発田のアスパラのピューレを使った緑色のカレーのことだ。お店によって様々な工夫がなされ、アスパラを一本パンにはさみ、ソースに「アスパラみどりカレー」を使ったホットドッグのようなものまで存在する。これは季節的に終わっていたけれど。
レストラン インダス(新潟県新発田市大手町3-2-27)
レストラン インダス(新潟県新発田市大手町3-2-27)
インド、パキスタン、ネパール料理屋である「レストラン インダス」のアスパラみどりカレーは終わっていない。アスパラのピューレを使い緑色になったカレーのルーに、大きなアスパラが皿の外に伸びた一品だ。皿に収まらないところにアスパラのかつてない主張を感じる。
アスパラみどりカレー
アスパラみどりカレー
食べると辛味はなくアスパラの旨味が生きたカレーとなっている。大きなアスパラはやはり歯ごたえがよい。カツカレー、牛すじカレーは食べたことがあったが、アスパラがメインのカレーは初めて。カレーとアスパラの相性はいいらしい。美味しいのだ。カレーなのにむしろ甘い。
美味しい!
美味しい!
アスパラは強い味わいを持った素材ではない。一方カレーは味が強いため、香辛料を工夫しなければ、アスパラの味は消え、緑色も消え、「アスパラみどりカレー」から「普通のカレー」になる危険性もある。そこを素晴らしくバランスを取ったのがこのカレー。引き出している、アスパラのよさをカレーが引き出しているのだ。
店主は本場の方だった
店主は本場の方だった

アスパラみどりカレースパゲッティー

カレースパという食べ物が存在するがアスパラみどりカレーもカレースパとなっている。「アスパラみどりカレースパゲッティー」である。長い。しかしその名前からその料理の全てが分かる。
コーヒー マリーナ 煉瓦屋(新潟県新発田市中央町3-7-5)
コーヒー マリーナ 煉瓦屋(新潟県新発田市中央町3-7-5)
「アスパラみどりカレースパゲッティー」は「コーヒー マリーナ 煉瓦屋」で提供されている。アスパラのピューレを使い、輪切りになったアスパラも麺と濃厚に絡み合っている。カレーというインドの風を感じながらもヨーロッパのそよ風をも感じる一品だ。
アスパラみどりカレースパゲッティー
アスパラみどりカレースパゲッティー
カレーという刺激的な辛さを想像するがアスパラによりまろやかで優しい味になっていた。カレーというインドの風を感じながらもヨーロッパのそよ風を意識でき、さらに食べると新発田の優しさという嵐がそこにはあるのだ。世界平和とはこういうことだと思う。分かりやすく言うと美味しいということだ。
お店の雰囲気もいい!
お店の雰囲気もいい!

オッチャホイです

新発田は先にも書いたように「アスパラみどりカレー」だけではない。「オッチャホイ」もあるのだ。日本ではこのお店でしか食べられないという一品。もはや新発田はアスパラとオッチャホイの街とも言えるのではないだろうか。
シンガポール食堂(新潟県新発田市中央町3-2-1)
シンガポール食堂(新潟県新発田市中央町3-2-1)
もっともオッチャホイはシンガポールの庶民的な料理。シンガポール版の焼うどんと言ってもいいかもしれない。しかし、うどんの代わりにきしめんが使われ、もやし、ニラ、キャベツなどと一緒に油で炒められている。見た目は華やかとは言いがたいが、親しみのある装いだ。結婚するのはこのようなタイプがいいと思う。
これがオッチャホイです
これがオッチャホイです
注文する時に「オッチャホイを」とお店の方に告げる。「オッチャホイ」。生まれて初めて発した単語だ。なんだか力の入らない響き。しかし口に出すと何年も使っているペンのようにしっくりと来る。流行語を狙える響きがそこにはあるのだ。
麺がきしめんっぽいのが特長です!
麺がきしめんっぽいのが特長です!
オッチャホイは数十年も前からこのお店で提供される看板メニュー。日本の焼うどんとは異なり、こしょうが効いた味わいだ。正直に言ってとても美味しい。高級レストランのそれとは違う、もっと身近で日常に求めている美味しさだ。

ここでしか食べられないのが非常に残念と心から思う。味はもちろん、もっと「オッチャホイ」と言いたいのだ。おはよう、の代わりを「オッチャホイ」にしてもいいような素晴らしき響きがある。
しゃくれる美味しさだった!
しゃくれる美味しさだった!

新潟名物「オッチャホイ」

アスパラみどりカレーを食べに出かけた新発田だったけれど、そこで「オッチャホイ」の存在を教えてもらい食べに行った。アスパラみどりカレーもオッチャホイも新潟と言われた時にはなかなか浮かぶものではないが十分な美味しさだった。

オッチャホイの味はもちろんだけれど、その響きにも取り憑かれ、帰りの電車でずっと「オッチャホイ、オッチャホイ」とつぶやき続けていた。言いたいのだ。声に出して言いたいシンガポール語。そんなものに日本で出会えるとは思わなかった。
アスパラのタルトもある
アスパラのタルトもある
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