特集 2013年10月2日

台湾産「コアラのマーチ」は日本のものと味が違う

どちらかが台湾製のコアラのマーチ
どちらかが台湾製のコアラのマーチ
「台湾のコアラのマーチは日本のものにくらべてまずい」という噂をきいた。はて、ああいった大量生産のお菓子に産地によって「うまい」や「まずい」があるのだろうか?

知人が台湾旅行で「コアラのマーチ」を買ってきてくれたので、日本で売っている「コアラのマーチ」と食べ比べてみた。

編集部より追記(2016.3.11)読者の方からご連絡をいただきまして、ここで取り上げているコアラのマーチは「台湾で購入」した、「タイ製」のものだということが判明しました。なにとぞご了承のうえ記事をご覧いただければ幸いです。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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外見はそっくりだけど微妙に違う

「台湾のコアラのマーチがまずい」この噂を教えてくれたのは、ぼくの知人でウェブデザイナーの松本さんだ。
台湾のコアラのマーチがまずいとの噂を教えてくれた松本さん
台湾のコアラのマーチがまずいとの噂を教えてくれた松本さん
先月、松本さんが台湾旅行のさい、台湾人の友人から「台湾のコアラのマーチはまずい」と聞いたらしい。

松本さん自身が、台湾でコアラのマーチを購入して食べてみたけれど、そのときはよくわからなかったという。

そこで、日本でみんなで食べ比べしてみたい、ということで、わざわざ台湾のコアラのマーチを買ってきてくれた。
左側の台湾のコアラのマーチ。
左側の台湾のコアラのマーチ。
台湾のものと日本のものを見比べてみる。外見は日本のものとほぼ違わない。

しかし、細部をよく観察してみると、いろいろと細かな違いを発見できる。
ほぼ同じように見えるけどよく見ると色の濃さが違う
ほぼ同じように見えるけどよく見ると色の濃さが違う
パッケージの印刷が日本のほうがちょっと濃くて、台湾のほうがあっさりしている。 やはり、台湾ぐらいまでいくと、顔つきにも色白さがにじみ出て、コアラもこころなしか男前である。メスかもしれないけれど。
台湾のコアラのマーチにはよくわからない格好のコアラがいる台湾の民族衣装?
台湾のコアラのマーチにはよくわからない格好のコアラがいる台湾の民族衣装?
あと、パッケージにちりばめられたコアラの柄がぜんぜん違う。中には謎な衣装をまとったコアラも微笑んでいる。異国情緒がひょっこり顔をのぞかせている。
日本のコアラのマーチはクレーム対策の断り書きがくどい
日本のコアラのマーチはクレーム対策の断り書きがくどい
ちなみに、なぜ「マーチ」なのかというと、もともとビスケットに印刷されたコアラは楽器を演奏している絵が印刷されており、マーチングバンドをイメージしていたかららしい。

今、したり顔でうんちくを披露したわけだが、ウィキペディアを調べてそのまま受け売りしただけである。

「コアラのマーチ」は中国語で「樂天小熊餅」

ところで、台湾の「コアラのマーチ」をよく見てみると「樂天小熊餅」と書いてある。
「樂天」とな?
「樂天」とな?
これはどうやら「ロッテ」を中国語で表記すると「楽天」になるらしい。

「ろってこあらのまーち」と「らくてんこぐまもち」確かに似てなくもない。

「らくてんこぐまもち」と10回ぐらい早口で発音すると「ろってこあらのまーち」になりそうだ。

日本のコアラのマーチの方がくすんでる

パッケージの違いについてはこれぐらいにして、中身の違いを見ていきたい。
日本のコアラのマーチの方が色がくすんでる
日本のコアラのマーチの方が色がくすんでる
日本の方が、どうみても色が黒っぽい。オセロでいうと日本のコアラのマーチは占い師にだまされた方である。
台湾のコアラのマーチの方が色白
台湾のコアラのマーチの方が色白
ふつう、こういう大量生産のものって世界各地で材料や製法が規格化されていて、見た目は全く同じようなものが出来るものだとばかり思っていたけれど、これほど違いがあり、しかも比べると目に見えて違うので驚いた。

果たして台湾のコアラのマーチはまずいのか?

「台湾のコアラのマーチはまずい」の噂は本当だろうか? 見た目は全く問題なさそうなのだが……。

さっそく食べ比べてみる。まずは日本のコアラのマーチ。
うん、いつものやつだ
うん、いつものやつだ
なんてことはない。いつものビスケットとチョコレートの味。コアラのマーチだ。

続いて台湾のコアラのマーチを食べてみる。
あれ?
あれ?
驚いた。味がまるで違う。

ビスケットの風味にクセがなく、チョコレートも日本のものより甘い。

台湾のコアラのマーチと、日本のコアラのマーチを食べ比べて初めてわかったのだが、日本のコアラのマーチはビスケットの風味のクセが強い。そしてチョコレートの甘味も若干控えめである。

見た目だけではなく、味も全く違う。
ョコレートの色もずいぶん違う
ョコレートの色もずいぶん違う
ぼくも松本さんも、撮影係として参加してくれていた、ライターの地主くんも全員一致で台湾のコアラのマーチの方がうまい。という意見になった。

「台湾のコアラのマーチはまずい」というよりもむしろ「台湾のコアラのマーチはうまい」であった。

もちろん、食べ慣れた日本のコアラのマーチもうまい、しかし、台湾の方がうまさが数段上であった。

ロッテに聞いてみた

ところで、なぜ国ごとにこんなに味が違うのか、ロッテに聞いてみた。

ーー台湾で買ったコアラのマーチと、日本のコアラのマーチを食べ比べしたんですが、味がぜんぜん違うように感じたんですが、これはなぜなんでしょうか?

「そうですね、台湾で売られているものは、台湾で生産しているものだと思いますが、原材料や製法にかんしてはこちらの方では把握しておりませんので、なんとも言えないですね」

ーー材料や製法が若干違うということなんでしょうか?
「把握しておりませんので、なんとも言えませんね」

……日本側では台湾のコアラのマーチの味の違いに関してはまったく把握していないらしい。
台湾の原材料表示。日本のものより表示が多い上に細かい。可可塊、可可粉ってのがカカオマスとカカオパウダーだろうなあ多分
台湾の原材料表示。日本のものより表示が多い上に細かい。可可塊、可可粉ってのがカカオマスとカカオパウダーだろうなあ多分
原材料は台湾のものとそんなに違わないようなきがする
原材料は台湾のものとそんなに違わないようなきがする
ここでぼくはもうひとつ気になっていたことを聞いてみた。「楽天」という表記にかんしてだ。

ーーすみません、もうひとつ質問なんですが……台湾でロッテって「楽天」と表記するみたいなんですが……これってあのIT企業とはもちろん関係ないんですよね?

「そうですね、関係はいっさいないです。もともと中国でそういうふうに表記されていたんですけど、楽天さんの方が後に「楽天」と名づけたようですね」

たまたま偶然に同じ表記になってしまっただけらしい。

ちなみに後で調べたところ、球団のロッテは向こうでは「羅徳」と表記するらしい、したがって「ロッテ対楽天」は「羅徳対楽天」になる。さらにIT企業の楽天は、中国では「楽酷天」と表記して区別している。

台湾の「コアラのマーチ」は日本のものよりうまい

以上、台湾と日本のコアラのマーチを食べ比べてみた。
台湾のコアラのマーチの方が、風味にクセもなくチョコレートも甘くてとてもうまかった。

よく「同じ◯◯でも産地によって味がぜんぜん違う」みたいな話はよく聞くけど、まさか「コアラのマーチ」にもそんな事実があるということに驚いた。

「魚沼産コシヒカリ」とか「関サバ」みたいに「台湾産コアラのマーチ」もブランド化したらどうだろうか?
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