フェティッシュの火曜日 2013年10月8日
 

海ほたるに見る“孤高の漢”っぷり

華やかな印象のある「海ほたる」も、裏側は漢らしい武骨っぷり
華やかな印象のある「海ほたる」も、裏側は漢らしい武骨っぷり
ご存じ、神奈川県の川崎市と千葉県の木更津市を結ぶ東京湾アクアライン。その途上、川崎から約10km、木更津から5kmの地点に、人工島「海ほたる」は存在する。

それはパーキングエリアであると共に、東京湾に浮かぶその立地から、有数の観光名所として客を集めてきた。

様々な商業施設が並ぶ海ほたるは、その親しみやすい名前も相まって、なかなかモダンかつキャッチーである。非常に華やかなイメージがあるが、しかしその裏側に回ってみると、意外にも武骨な感じで親しみが持てるのだ。
1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。

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表の顔は、お台場然とした商業施設

まずは、海ほたるの表の顔を見ておこう。

海ほたるは東京湾アクアライン、すなわち高速道路に存在する。私のような、自家用車を持っていない人間が行くには少々敷居が高いように思えるが、川崎もしくは木更津からバスが出ているので、それに乗って行く事ができる。

海ほたるの駐車場には、一般の自家用車はもちろん、トラックなどの大型車両も意外と多く見られた(ドライバーの休憩所として機能しているのだろうか)。また、観光バスも海ほたるに立ち寄る場合が多いようで、団体客も多い。
車を持たない人間の味方、川崎〜木更津を結ぶ高速バス
車を持たない人間の味方、川崎〜木更津を結ぶ高速バス
海ほたるの入口は、まぁ、よくあるパーキングエリアという感じだ
海ほたるの入口は、まぁ、よくあるパーキングエリアという感じだ
階段とエスカレーターで上層へと向かう
階段とエスカレーターで上層へと向かう
様々な店舗が入っていて、ちょっとしたテーマパークのようである
様々な店舗が入っていて、ちょっとしたテーマパークのようである
なんだかよく分からないオブジェも完備
なんだかよく分からないオブジェも完備
イソギンチャクの化け物か何かだろうか
イソギンチャクの化け物か何かだろうか
ひょうきんな魚の形をしたベンチも置かれている
ひょうきんな魚の形をしたベンチも置かれている
海ほたるの施設は白を基調としたカラーリング。マストを模した天幕や、煙突を模した筒状のでっぱりなども見られ、どうやら東京湾をたゆたう船をイメージしているようだ。

入っている店舗のラインナップにも華があり、どことなくお台場のような印象を受けた。表側だけ見る限り、何とも浮かれた感じの施設である。

潮風にさらされたコンクリートが哀愁を醸す、海ほたるの裏の顔

しかしその一方、海ほたるの細部をじっくり眺めてみると、観光地としての綺麗な表ヅラはボロボロと剥げていき、その下から露見するのは海の中にポツンとたたずむ人工島の寂寥感である。
着飾られた部分ではない、剥き出しの海ほたるを見てみよう
着飾られた部分ではない、剥き出しの海ほたるを見てみよう
この写真だけ見て、海ほたるだと分かる人はいるだろうか
この写真だけ見て、海ほたるだと分かる人はいるだろうか
同じく人工島である「風の塔」越しに見る川崎。対岸は遠い
同じく人工島である「風の塔」越しに見る川崎。対岸は遠い
風を受けてなびく吹き流し。目立たない位置に寂しく立っていた
風を受けてなびく吹き流し。目立たない位置に寂しく立っていた
施設内部も、商店が入っている部分以外は簡素
施設内部も、商店が入っている部分以外は簡素
特に駐車場は潮風が吹き抜ける構造の為、配管がサビサビだ
特に駐車場は潮風が吹き抜ける構造の為、配管がサビサビだ
鉄サビとコンクリートの経年が独特の情緒を醸している
鉄サビとコンクリートの経年が独特の情緒を醸している
外にあるマンホールもこの通り、良い感じにサビサビ
外にあるマンホールもこの通り、良い感じにサビサビ
東京湾アクアラインが開通して今年で15年だというが、それにしては鉄のサビ具合が凄いものである。常に潮風にさらされている為、劣化が早まっているのだろう。

これら鉄サビや鼠色に変色したコンクリートから感じられるのは、海の中に一人で立つ“孤高の漢”っぷりである。
駐車場に入るスロープにも目を見張るものがある
駐車場に入るスロープにも目を見張るものがある
波に洗われるテトラポッドもまた、いとおかし
波に洗われるテトラポッドもまた、いとおかし
海へと突き出す波止場から感じられる哀愁がまた凄い
海へと突き出す波止場から感じられる哀愁がまた凄い
島全体を巨大建造物とみなす事もできよう
島全体を巨大建造物とみなす事もできよう
この一階部分の吹き抜けが、ダイナミックで壮観だ
この一階部分の吹き抜けが、ダイナミックで壮観だ

東京湾ひとりぼっち

いかがだろうか。数多くの人出で賑わう海ほたる。その裏側は鉄サビやコンクリートが薫る独特の哀愁、現代のわびさびのようなものを垣間見る事ができる。

それは東京湾でただひたすら波風に耐える、孤独な漢の一面である。これまで知らなかった海ほたるを見る事ができて、私の中でより親しみのある存在へと昇華した。
どうでも良い余談だが、インドネシアの離島で見た海ほたるは美しかった
どうでも良い余談だが、インドネシアの離島で見た海ほたるは美しかった
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