フェティッシュの火曜日 2013年10月15日
 

鎧を着た外来魚「プレコ」を食べる

魚と思うな。カニのように調理を。

その気になればあと10匹でも20匹でも獲れそうだったが、今回はあくまで試食が目的。1匹いれば十分すぎるくらいだろうと早々に切り上げた。
あなたならどう捌く?
あなたならどう捌く?
沖縄在住の友人宅へ事前連絡なしでプレコを持ち込み、キッチンで解体を行った。さぞ嫌がられるだろうと思ったが、「お、そのプレコデカいな!」という爽やかなリアクションと共に快諾を頂戴した。どうかしてると思った。

さて、その解体後の姿がこちらである。
いやー、大変だった。
いやー、大変だった。
ん?まだ捌いてないじゃないかって?

皿の上にあるのがプレコ肉。ではまな板の上のプレコは一体…?
皿の上にあるのがプレコ肉。ではまな板の上のプレコは一体…?
馬鹿を言うな。きちんと解体して肉は取っているじゃないか。もう残るは骨と皮だけだ。
「魚の殻」ってなかなか見ないよね。
「魚の殻」ってなかなか見ないよね。
そう、実は以上の写真でまな板に乗っているのはプレコの「抜け殻」なのだ。肉を全部取り出して乾燥させたイセエビ類のはく製を目にしたことがある人もいるだろう。あんな状態である。

ここからはちゃんと解体の過程を見ていこう。
この段階で腹ビレも切ってしまうと後々の過程が楽だと思う。
この段階で腹ビレも切ってしまうと後々の過程が楽だと思う。
プレコの解体において必須アイテムとなるのはキッチンバサミだ。むしろ包丁を使うシーンは無いので刃物はこれだけでいい。
まずプレコを裏返し、肛門からハサミを入れて腹の皮をごっそり切り取る。

本当はドアップの大きな画像で内臓だけ見せたい。だが自粛。僕にもまだ常識はある。
本当はドアップの大きな画像で内臓だけ見せたい。だが自粛。僕にもまだ常識はある。
こうすると内臓を傷つけることなく簡単に取り除くことができる。腹を開いて驚くのは消化管の長さである。草食動物は腸が長いというが、このプレコも藻類を常食しているだけあって尋常でない長距離トンネルを腹に隠し持っているのだ。伸ばすと何メートルになるのか調べてみたかったが、本来の目的がおろそかになるので今回は見送った。
臭いの元になりそうなお腹の中は綺麗になった。しかしまだまだ序の口。
臭いの元になりそうなお腹の中は綺麗になった。しかしまだまだ序の口。
いよいよ身を取る段階だが、正攻法ではあの鱗を落とすこともできない。ただでも硬い鱗が皮とほぼ一体化して殻のようになっているためである。こうなったらエビやカニのようにバキバキと「殻」を剥いてやるしかない。
ただし、エビ・カニの類に見られるジョイントの甘さが無いため、生の状態では彼らよりも難しいのだ。

鱗の間を縫うようにハサミを入れていく
鱗の間を縫うようにハサミを入れていく
ならば力技で立ち向かおう。キッチンバサミの刃を鱗同士の接合部に入れ、切り込みを作っていく。接合部はややガードがゆるいが、それでもかなりの力を必要とする。
皮ごと鱗を剥がす。魚を捌いているとは思えないほど握力とピンチ力を要求される。硬すぎる。
皮ごと鱗を剥がす。魚を捌いているとは思えないほど握力とピンチ力を要求される。硬すぎる。
おそらくアリゲーターガーのように丸焼きにするなり湯通しするなり、一旦加熱処理を行えばぐっと剥がしやすくなるだろう。ズルッと気持ちよく剥けるはずだ。
しかし、今回は勉強と思ってあえて修羅の道を選ぶ。
プレコを捌くと手の皮がボロボロに
プレコを捌くと手の皮がボロボロに
ところでプレコの皮を剥くと、こちらの手の皮もズタズタになる。その理由は鱗を拡大して見るとわかる。
このトゲが地味に厄介
このトゲが地味に厄介
全身を覆う鱗のエッジは小さなトゲが生えているのだ。プレコに触れる度にこれに引っ掻かれて手が荒れる荒れる。生プレコの殻剥きはレディにはお勧めできない作業だ。まあ沖縄の川でプレコ拾って食うような女性が果たして存在するのか、そしてそんな女性をレディと呼んでいいのかは議論の必要ありだが。
取れた身はたったこれだけ。鶏ガラじゃないよ。
取れた身はたったこれだけ。鶏ガラじゃないよ。
皮もとい殻を打破すると、いよいよ身が取れた。しかし二つの違和感を覚える。
まず一つ目は身の色がおかしい。川魚っぽくないのだ。赤みが妙に強く、どちらかというと鶏肉やウサギ肉に近い印象を受ける。いや、それらよりも色が濃いくらいだ。脂もよく乗っている。
そして二つ目はやけに量が少ない点である。捕った時はやたら大きく感じたが、異様に大きなヒレと頭、それから分厚い鎧を取り去ると、肉は両手のひらに乗ってしまうほどしか取れなかったのだ。拍子抜けである。大きな頭を割って使えないかとも思ったが、キッチンバサミや包丁ではとても太刀打ちできそうになかったので断念した。そもそも可食部があるかどうかも怪しいのだし。

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