はっけんの水曜日 2013年10月23日
 

グラブトスでゲッツーを取りたい

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世界一周、高級寿司食べ放題、東京ドームでコンサート。その内容は人によって異なるが、誰もが一生に一度はやってみたいことがある。僕はゲッツー、すなわちダブルプレーを取りたいとずっと思っていた。しかも、グラブトスで。
ライター。たき火。俳句。酒。『酔って記憶をなくします』『ますます酔って記憶をなくします』発売中。デイリー道場担当です。押忍!
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草野球レベルでは難しい

野球部にこそ入ったことはないが、子どもの頃から草野球に慣れ親しんできた。バッティングよりは守備の方が好きだ。ポジションは内野が多い。軽快にゴロをさばいて、一塁へ送球。間一髪でアウトにする快感は、他の何物にも代え難い。
近所の公園で子どもたちの試合を観ながら考えた
近所の公園で子どもたちの試合を観ながら考えた
しかし、残念ながらゲッツーを取った記憶がない。プロの試合と違って、草野球レベルではなかなか難しいのだ。忸怩たる思いである。ならば、今こそ取ろうではないか。しかも、グラブトスで。 手でつかんで投げたのでは間に合わない。補給したボールをそのままトスする。それが、グラブトスという妙技だ。10月の早朝、グランドへ向かった。
途中でおにぎりを購入
途中でおにぎりを購入
「あなたなら取れるわよ、グラブトスでゲッツー」
「あなたなら取れるわよ、グラブトスでゲッツー」

ピッチャー返しを取って1-4-3のゲッツー

集まったのは高円寺界隈に住む野球好きたち。まずは、それぞれの「守備における夢のプレイ」を聞いてみた。
野球経験は様々
野球経験は様々
まずは、キャプテンの渡辺君(バー店長)。
「ショートバウンドをすくって送球することです」
「ショートバウンドをすくって送球することです」
なるほど。それも気持ちいい。ちなみに、現在の時刻は朝の9時。彼は1時間しか寝ていないそうだ。

続いて、賀川さん(美容師)。
続いて、賀川さん(美容師)。
「センターからのレーザービームかな」
おお、草野球では見たことないぞ。じゃあ、最近ボクシングを始めたという林君(大学生)は?
「センターからのレーザービームかな」
「三遊間の強烈なゴロに飛びついてアウトにしたいです」
いいね、派手なプレイだね。店の営業終わりで来た和田君(バー店長)、どうぞ。
「三遊間の強烈なゴロに飛びついてアウトにしたいです」
「ピッチャー返しを取って1-4-3のゲッツー。一睡もしてないっす」
お、ゲッツー。ちなみに、1-4-3とはピッチャー→セカンド→ファーストというボールの流れのこと。次は、まるさん(芸人)。
「ピッチャー返しを取って1-4-3のゲッツー。一睡もしてないっす」
「センターフライをセカンドの中継を入れて捕殺」
タッチアップの三塁走者をホームでアウトにするわけですね。うん、中継プレイは守備の醍醐味だ。

最後に、野球場がまったく似合わない勝又さん(ライブハウス店員)。
「センターフライをセカンドの中継を入れて捕殺」
「エラーしないことですね」
金言が出ました。

現実は甘くなかった。まず、体が動かない

やはり、それぞれに追い求めたいプレイがあった。しかし、何か忘れていないだろうか。そう、「グラブトスのゲッツー」という終着駅のことだ。

今日は、皆さんに僕の熱い思いを説明し、その実現に向けて協力してもらうことにした。
「エラーしないことですね」
絶対に負けられない戦いが、そこにはある
勇んでショートのポジションにつく。飛んできたゴロを捕球して、そのままグローブからセカンドにトス。セカンドが一塁に送球してゲッツーの完成だ。
「バッチ来い!」
「バッチ来い!」
「ショート!」
「ショート!」
しかし、現実は甘くなかった。まず、体が動かない。
よし、来た!
よし、来た!
ポロリ
ポロリ
びよーん
びよーん

おばちゃんとの約束、守るからね

続けること30分。一向に完成する気配がないので、ちょっと休憩。
ユニフォームは以前所属していた草野球チームのもの
ユニフォームは以前所属していた草野球チームのもの
チームメイトから励ましの言葉を受ける
チームメイトから励ましの言葉を受ける
さっき買った筋子のおにぎりを食べよう
さっき買った筋子のおにぎりを食べよう
おばちゃんとの約束、守るからね
おばちゃんとの約束、守るからね

蝶のように舞い! 蜂のように刺す!

練習を再開。やがて、その瞬間はやってきた。
「はい、ショート!」
「はい、ショート!」
来た!
来た!
ボールを取って送球体勢へ
土をしっかりとグリップする
はい、グラブトス!
蝶のように舞い!
セカンドの胸元へ!
蜂のように刺す!
まるさん、一塁へ送球!
まるさん、一塁へ送球!
ワンバウンドだが…!
ワンバウンドだが…!
アウト!
アウト!
「ナイスゲッツー!」
「ナイスゲッツー!」

練習とはいえ、非常に大きな達成感を得た

かくして、「グラブトスでゲッツーを取る」という積年の夢は叶った。練習時のシミュレーションでこれだけの達成感を味わえるのであれば、本番の試合で実現できたら俗世を捨てて出家してもいい。

読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋。皆さんも、思い思いのジャンルで理想のプレイを追い求めてみてください。
バッティング練習もしました
バッティング練習もしました
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