特集 2013年10月27日

ミリンの焼酎割りが旨いとは思わなかった

焼酎のミリン割り。意外にうまい。
焼酎のミリン割り。意外にうまい。
焼酎とミリンを混ぜた飲み物があります。「本直し」(「柳蔭(やなぎかげ)」とも言う)と言われ、江戸時代には夏場に井戸水で冷やして飲んでいたそうです。

ミリンは蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎や醸造用アルコールを加えて2か月ほど熟成させて出来ます。昔は飲料として飲まれる事も多かったが、今は調味料として使われることがほとんど。

どんな味か気になるので作って飲んでみました。
1972年生まれ。元機械設計屋の工業製造業系ライター。普段は工業、製造業関係、テクノロジー全般の記事を多く書いています。元プロボクサーでウルトラマラソンを走ります。日本酒利き酒師の資格があり、ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しているので、体力実践系、各種料理、日本酒関係の記事も多く書いています。(動画インタビュー

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> 個人サイト 酒と醸し料理 BY 工業製造業系ライター 馬場吉成 website

まずは売っているものを飲んでみる

ミリンを舐めたことがある人は少ないと思います。舐めるとかなり甘いです。酒売り場で売っているような本格ミリンと言われるものだと、アルコール度数は14度ぐらいあり、カンロ飴を舐めているぐらいの甘さがあります。
今でも本直しを売っている蔵がいくつかあります。
今でも本直しを売っている蔵がいくつかあります。
甘味の強いミリンを飲みやすくするため、焼酎を入れて甘さを抑えた物が本直しです。ミリンの焼酎割り。「飲みにくい酒を手直しする」というところからその名がついたそうです。
アルコール度数は20度。結構キツイ。
アルコール度数は20度。結構キツイ。
今ではあまり飲まれなくなったものの、今も作って売っている蔵があったのでまずは購入して飲んでみました。
まずはストレートで飲んでみる。
まずはストレートで飲んでみる。
グラスに注ぐと薄い琥珀色。香りは紹興酒に似ています。
おっ、なかなかうまいね。
おっ、なかなかうまいね。
味は酒の入ったカンロ飴。ちょっとドロッとした舌触りで、甘みが結構ある。アルコール感が強いがなかなかイケます。
ロックにしてみた。
ロックにしてみた。
続いて氷を入れてロックにして飲んでみました。すると優しい甘さのあるスッキリとした味わいになります。こちらの方が飲みやすく、よりおいしいかった。
確かに夏場にいいね。ソーダ割りとかにしたらカンロ飴ハイと言えるかも。
確かに夏場にいいね。ソーダ割りとかにしたらカンロ飴ハイと言えるかも。
もっとクセの強い飲み物かと思って飲んでみましたが、予想以上にイケる味でした。普段使いの飲み方としてアリですね。

自分で作ってみよう

どんな焼酎が合うのか分からず、とりあえず米焼酎使用。
どんな焼酎が合うのか分からず、とりあえず米焼酎使用。
なかなか美味しかった本直し。作り方を調べてみるとミリンと焼酎を1対1程度に割れば出来るようです。自分でも作ってみました。
見た目は大体ウイスキー
見た目は大体ウイスキー
出来上がった自家製の本直しはかなり色が濃くなりました。冷やさずそのままを飲んでみます。
クセがあるがこれもいいね。
クセがあるがこれもいいね。
市販品の本直しと比べてクセがありましたが、甘味が独特でこれもイケる味でした。焼酎がダメな人でも飲めそうな味です。

使用したミリンがかなり濃い味なので、もう少しライトなミリンを使用するのがいいでしょう。あと、焼酎は味のある本格焼酎よりも、大五郎のような甲類焼酎の方がスッキリと飲みやすい味になると思います。

紹興酒に似た味わいもあるので温めてもおいしいのではないでしょうか。本直し、色々楽しめそうな味です。

色々な酒で試してみよう

さて、本直しではミリンと焼酎を合わせていますが、他の酒だとどんな味になるのでしょう?ちょっと試してみました。
滋賀県湖南市の北島酒造の北島純米無濾過生原酒日本晴24BY。しっかりとした米の旨味と力強い酸味がいい感じの日本酒です。
滋賀県湖南市の北島酒造の北島純米無濾過生原酒日本晴24BY。しっかりとした米の旨味と力強い酸味がいい感じの日本酒です。
まずは日本酒とミリンの本直し。
そろそろいい気分になってきました。デイリーではかつてミリンを色々なもので割って飲んでいます。
そろそろいい気分になってきました。デイリーではかつてミリンを色々なもので割って飲んでいます。
色や香りはあまり焼酎の物とかわりません。
こちらの方がクセが少なく飲みやすいか?
こちらの方がクセが少なく飲みやすいか?
飲んでみると、焼酎で作る物よりもクセが少なく飲みやすいです。日本酒の味も少しは感じられますが、大体の部分はミリンの味のような気がします。

気がしますというのは、この辺りからだんだん舌の感覚などマヒして来てメモ書きがあいまいだからです。

次行きます。
実は一度ビールでスッキリしたかった。
実は一度ビールでスッキリしたかった。
続いてビールで本直しを作ってみます。
残ったビールをこの後チェイサーに。酒をチェイサーにするのはよくないね。
残ったビールをこの後チェイサーに。酒をチェイサーにするのはよくないね。
ビールを使った本直しは当然のように泡立っています。香りはミリンの他に麦も感じます。
色々ケンカしている味だ。厳しくなってきた。
色々ケンカしている味だ。厳しくなってきた。
ビールを使った本直しは、ホップの苦みとカンロ飴のような甘さが混ざって変の一言です。口の中に違和感が残り、飲めないとまではいいませんが、おいしくありません。

ビールと合わせていいのはジンジャーエールやトマトジュースということで。

次行きます。
最後にキツイの入れてみた。トドメを刺された。
最後にキツイの入れてみた。トドメを刺された。
次はウイスキーで本直しです。
 次はウイスキーで本直しです。
次はウイスキーで本直しです。
見た目はそのままウイスキーの色です。香りは大体のところモルトのいい香りがします。
味は結構いいがキツイねー。もう何がなんだかねー。
味は結構いいがキツイねー。もう何がなんだかねー。
ウイスキーの本直しは、最初にウイスキーの味がきて、後から甘さが追いかけます。チョコレートなどの甘いツマミと一緒にウイスキーを飲んでいるような感覚です。

組み合わせとして悪くはありません。むしろおいしい、と思われます。「むしろおいし」でメモが途切れていたので定かではありません。

いずれにしろかなりキツイ酒であることは間違いありません。

凄く酔います

焼酎とミリンで作る本直し。思った以上においしかった。そして、思った以上に酔いました。

なにしろアルコール度数が14度ほどあるものを、アルコール度数20度ぐらいの物で割るのだから高アルコール度数。酔って当たり前です。たまに気分を変える程度でつくってみて、出来ればロックやソーダ割りで飲むのが良さそうです。ストレートで何倍もの飲むのはオススメしません。

あと、酒飲んでのメモは文字が壊滅的に読めないことがあるので、この手の実験をする場合は数日に分けてやるのがいいでしょう。
ミリンはソーダで割ると美味しいです。
ミリンはソーダで割ると美味しいです。
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