フェティッシュの火曜日 2013年11月5日
 

「コーラってそもそも何味なの?」メーカーに聞いた

コーラナッツは興奮剤だった

コーラナッツをかんでみる。コーラの味といわれればそんな気もするが……ちがうな、これ渋いだけかも。

「興奮しませんか? カフェインが入ってる。これがコーラの由来なんですよ。

アフリカの木の実なんですけど、かじってると刺激になるというのでイスラム圏で消費されてたんです。イスラムの人はお酒飲めないから」

コーラの実はイスラム圏の人にとってのお酒がわりだったのだ。そして興奮剤としてアメリカにわたる。
コーラナッツ!? 渋くてコーラっぽさはあんまりない
コーラナッツ!? 渋くてコーラっぽさはあんまりない

コーラはもともと薬だった

「コカ・コーラもペプシコーラも元々は薬なんですよね。

コカ・コーラのコカはコカイン。コカもコーラも興奮剤です。最初は風邪薬とかそういう薬だったんですよ。ペプシもペプシンという胃薬からスタートしてます。

それにフレーバーを足して飲みやすくしたらおいしいっていうんで広まったんですね。コカインとかは常習性があるのでのちに外されたんでしょうね」

コーラとは元々はおいしい薬だったのか。ということはコーラ知らない人には"薬の味"といえばいいのか?
コーラナッツとコーラの関係はコーヒー豆とコーヒーに似ている。どちらもカフェインが入っている。
コーラナッツとコーラの関係はコーヒー豆とコーヒーに似ている。どちらもカフェインが入っている。

おいしい薬のおいしい部分がコーラ

――コーラナッツは今でも入ってるんですか?

「高いから、名前きいたことないような安いコーラだと使わないでしょうね。

漢方でもそうじゃないですか。これ一滴くらいしか入ってないんじゃないの?って赤まむしドリンクとか」

となると元々おいしい薬の「おいしい」部分だけが生き残ってコーラとなってるわけだ。一体その「おいしい」とは何なのか。答え合わせをしてもらおう。

――ぼくもコーラを作ってきたんですけど

「……作ってきた? 大丈夫ですよね?」

――大丈夫です、大丈夫です

「じゃあ飲んでみましょう。おかあさ〜ん、コップある? コップ! コーラ。飲むんだって、コーラの。ちがうよ、作ってきたんだって!」

……私のあほな考えがふたたび大人たちを困らせている!
「大丈夫ですか?」あきらかに困惑した表情
「大丈夫ですか?」あきらかに困惑した表情

お母さん、いやがる

――すいません。入ってるのはバニラとレモンと……

「バニラあってました? シナモンも? じゃあそれらしい味は作れるはずです。あとオレンジの皮なんかのシトラスオイルですね、渋みがあるといい。お母さんも飲んでみて。」

奥さん「え、なに?これ?」
木村「だからコーラだよ、コーラ。作ってきたって」
奥さん「私はいいわよ」
木村「いいでしょ、そんなゴクゴク飲むもんじゃないし」

すいません、奥さん……。あまりにもいたたまれなくなった私はコーラナッツの袋の成分表をじっと見ていた。
「え、そんなに飲むの?」奥さん、申し訳ないです
「え、そんなに飲むの?」奥さん、申し訳ないです

大北コーラはなんと正解に近いらしい

奥さん「何味? え、コーラ味? 甘くない?」
木村「甘くていいんだよ。あ、いいんじゃないですか。いい感じじゃないですか」

なんと奇跡的に大北コーラはコーラとして認められた。前フリとして作ったのに正解してしまう。記事としてはアウトだが、うれしい。本気で作ったのだから。

――そもそもコーラ知らない人に何味なんだといわれたらなんて説明するんですか?

「基本的にバニラとシナモンですね。その2つで近い味になると思います。あとすっぱいやつ。匂い的には近いやつができるはず」
木村「いいじゃないですか」奥さん「薬くさくない?」すいません……
木村「いいじゃないですか」奥さん「薬くさくない?」すいません……

コーラとはバニラとシナモン風味のサイダーだった

――そうそう、思ったよりもすっぱいですよね、コーラって

「酸味料入ってますよ。クエン酸とか。すっぱくないとかき氷の蜜になっちゃうんですよ。

ふつうのサイダーもそうなんですけど、3大要素っていって甘さとすっぱさと匂い。これがないとおいしさが出ないんです」

――ぼくが使わなかったオレンジの皮っていうのも要素として大きいですか?

「渋みですよね。渋みといっても『渋っ!』っていうのと舌に何かまとわりつくようなものとありますから。

でも一番大きいのはバニラとシナモンでしょうね。シナモンとバニラをベースにして、そこから味付けを各社つけるんです。

コーラの実は入れなくてもバニラとシナモンにサイダーをまぜてやればマイコーラ、白いコーラができちゃうんですよね」
こちらは他社の商品、コーラフレーバー。かがせてもらうと完全にコーラの匂いだ。そうか、お菓子屋さんはこれをまぜてコーラ味のガムとか作ってるのか。
こちらは他社の商品、コーラフレーバー。かがせてもらうと完全にコーラの匂いだ。そうか、お菓子屋さんはこれをまぜてコーラ味のガムとか作ってるのか。
「あと作り方も関係あるんですよ。工程。作ってから一晩おいたり、エイジングっていうんですけどペプシとかコカ・コーラはやるんですね。そしたら味はやっぱり変わるんですよ」

かつて木村さんのところでも大手メーカーのコーラを下請けしたことがあるそうで、厳しい品質管理からすこしでも外れたものは管理の人がガシャーっと捨てていたらしい。

それに対して木村さんは「もったいない!」と思ったと。ふつうの感覚だ。奥から出てきたおばちゃんが味見してくれるし、ここには大手にはない何かがある。
今度無香料サイダーというのを出すからこれにバニラとシナモンまぜたらコーラですよ、と木村さん。
今度無香料サイダーというのを出すからこれにバニラとシナモンまぜたらコーラですよ、と木村さん。

コーラ上陸反対運動があった

――コーラが生まれたころと味はちがうんですかね?

「当時は薬くさかったですよ。日本に上陸したときも、私も年少のころだったんですが、え、なんでこんな薬くさいの? 売れるわけがないって思いました。

東京飲料さんがコーラ作って最初に入ってきたのは昭和36年かな(※wikipediaによると昭和32年)。私は31年生まれだから。東京オリンピックのあたりにコーラがうわっと流行ったんですね。オリンピックに合わせて新幹線も開通するしコーラも入ってくるし」

――オリンピックって大きいんですね

「大きい大きい。そのときに、地サイダー、地ラムネ作ってた飲料水屋さんはみんなで立ち上がって上陸反対闘争やってたんですね」

――え〜! コーラ反対運動!?

「コーラに対してそんなの上がってきたら困るって。うちはみんな零細でやってるんだからって。うちの会社もやってたみたいですね。

これが昭和43年のときの価格表なんですけど……」

コーラ反対運動なんて今となっては冗談のようが実際そのあと日本の飲料水屋がアメリカのコーラに掃討されていくのだ。
昭和43年の木村飲料価格表。ジュースに並とか上とかある
昭和43年の木村飲料価格表。ジュースに並とか上とかある

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