ロマンの木曜日 2013年11月14日
 

古い「暮しの手帖」のくらべ記事を調べてみた

使いくらべ、着くらべ、食べくらべ。「暮しの手帖」先輩の仕事を追う!
使いくらべ、着くらべ、食べくらべ。「暮しの手帖」先輩の仕事を追う!
40年前から最近にかけての「暮しの手帖」を大量にもらった。

1948年創刊、自社以外の広告を入れず主張のあるスタイルで有名なあの家庭雑誌だ。

創刊から近年まで愛読していた祖母の家が建て替えられることになり、大幅なモノの処分に迫られた祖母が所有の「暮らしの手帖」の全てを私に託してくれたのだ。

68年の号を最古に約150冊。このタイミングで、改めてこの雑誌のとんでもなさに迫りたい。
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてニフティ株式会社へ入社。趣味はEDMと先物取引。
> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

古い「暮しの手帖」約150冊をもらった

150冊では冊数的に“大量”というのはさすがに大げさか。しかしできるだけモノを持たないで暮らす私にとっては相当な物量なのだ。
祖母宅のあちらこちらのスキマから発見されては一所に集められる「暮しの手帖」(と一部「家庭画報」)この後もじゃんじゃん出てきては積まれていた
祖母宅のあちらこちらのスキマから発見されては一所に集められる「暮しの手帖」(と一部「家庭画報」)この後もじゃんじゃん出てきては積まれていた
今回は特に60年代後半から80年初頭までの刊行号に着目、

1.いかにこの雑誌の「くらべ記事」がすごいか
2.くらべ記事一覧
3.くらべ記事にみる70年代の炊飯の迷走
4.くらべ方がすごい
5.泣けるくらべ記事
6.くらべ調査風景写真の異様なカッコよさ

といった流れでご紹介していきたい。

なにせ主張のある雑誌なのであまり深く食い込んでいくと紹介しきれず、あくまで上澄みを楽しくといった形である。

読んでご興味わきわきになった方は個々に古書店などにあたっていただけたら幸いであります(大雑誌について書くにあたりビビりまくってのこの文言)。
読んでも読んでも減らない幸せ(締切が近づいてきたころには焦りにかわった)
読んでも読んでも減らない幸せ(締切が近づいてきたころには焦りにかわった)

1.いかにこの雑誌の「くらべ記事」がすごいか

この雑誌、創刊から100号ごとに“世紀”という呼ばれ方で区切られている。今回あたったのは68年〜82年のもの、第一世紀とよばれる号の最後のほうと第二世紀の号だ。

本当は68年以前のものも以前は十数冊あったのだが友人達にゆずっておりすでにない。内容がすごくてみんなに読んで欲しくて配っちゃったのだ。

なにがすごいかというと、やはりこの記事が象徴的だろう。
たとえば、有名なのがこれ!
たとえば、有名なのがこれ!

食パンを4万3千枚焼く雑誌

以前当サイトの小さなコラムでも書いたのだが、第一世紀99号に掲載された「自動トースターをテストする」が分かりやすくすさまじい。

自動トースター、いわゆるパンを縦に差し込んで焼くトースターの各メーカーごとの商品性能をテストするためにパンを4万3千枚焼いて調べたという記事である。
4万3千枚から選ばれたとおぼしき「代表的な焼け具合」10枚
4万3千枚から選ばれたとおぼしき「代表的な焼け具合」10枚
今となっては商品性能の結果について(少なくとも私のような一般の主婦に)はあまり参考になるものではない。しかし調査過程のどえらさはおそらく今後100年経っても色あせることはないんじゃないか。4万3千枚て。

なにしろこれはすごいバックナンバーだぞということで祖母に断っては興味のある友人たちにぜひと勧めて配ったのだった(それでこのトースターの号もいまは手元にない)。

みどころはやはり、くらべ記事

今回譲り受けた150冊もやはり改めて読むと商品テストの内容がすごかった。
腰を折るようだが、商品テスト以外のページも飛ばしている。唐突にエッジすぎる「びんどろ人形」の作り方を伝授したり
腰を折るようだが、商品テスト以外のページも飛ばしている。唐突にエッジすぎる「びんどろ人形」の作り方を伝授したり
「ババリヤ風揚げパン」(ババリヤはどうもドイツのバイエルンのことらしい)とレシピページも気になる
「ババリヤ風揚げパン」(ババリヤはどうもドイツのバイエルンのことらしい)とレシピページも気になる
カナッペの創意工夫も今以上では(花に見立てたきゅうりの中央の部分はマヨネーズ)
カナッペの創意工夫も今以上では(花に見立てたきゅうりの中央の部分はマヨネーズ)
……。

くらべ記事以外の記事を写真で軽く紹介するつもりが本気で話の腰を折ってしまった。

腰を正そう、そうだ、商品テストだ、やはり注目したいのは商品の性能をテストする記事である。

先に書いたとおり食パンを4万3千枚焼いちゃうという、テスト方法の本気度の高さといったら圧倒的であるし、もう一つすごみを感じたのがテストする対象物の幅広さだ。

2.くらべ記事一覧を作ってみた

トースターのようにこの雑誌がテストするのは家電が主軸ではある。が、食べ物の食べくらべもあるし衣類の着くらべもある。

小物の使いくらべ記事などは比較する商品の数ですごんでくる。
1970年第二世紀4号(以下”第二世紀”を略します)「しょう油つぎいろいろ」には14種類のしょう油つぎが
1970年第二世紀4号(以下”第二世紀”を略します)「しょう油つぎいろいろ」には14種類のしょう油つぎが
80年69号「たかがワインのコルク抜きといいますが」。ワインのコルク抜き27種を使いくらべ
80年69号「たかがワインのコルク抜きといいますが」。ワインのコルク抜き27種を使いくらべ
80年66号「三角コーナー」。28種類を比較
80年66号「三角コーナー」。28種類を比較
80年68号「トイレットペーパーホルダー」も26種
80年68号「トイレットペーパーホルダー」も26種
78年55号、冷凍庫でアイス作るあれ「アイスキャンデーの型いろいろ」。12種類
78年55号、冷凍庫でアイス作るあれ「アイスキャンデーの型いろいろ」。12種類
かき氷器もあるぞ。76年43号「氷かき器はどれがよいか」5種
かき氷器もあるぞ。76年43号「氷かき器はどれがよいか」5種
79年58号は肉をミンチにするアレ、「肉ひき機を使ってみる」5種
79年58号は肉をミンチにするアレ、「肉ひき機を使ってみる」5種
82年80号「窓拭き用のゴムべら」8種。くらべて買おうと思ったことなかった…
82年80号「窓拭き用のゴムべら」8種。くらべて買おうと思ったことなかった…
くらべの過程もすごければ、くらべる対象の守備範囲もはんぱじゃない。

そこで作ったのが1968年〜1980年に出た号のうち手元にあった56冊分の「くらべ記事」の一覧である。
ちまちま表に入力
ちまちま表に入力
一読したところで探り当てたくらべ記事は全158記事あった。せっかくなので次のページではこれを何もいわずに羅列してみたい。

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