はっけんの水曜日 2013年11月27日
 

ネギ切り三都物語

ネギの美味さに目覚めたというお話
ネギの美味さに目覚めたというお話
スーパーのレジで、おばちゃんが「ちょっとこのネギ切ってくれへん?」と言いだした。おいおい、えらいこと言いだすな。と思ったらレジのおねーさんは「このへんでいいですか?」とスパンッと綺麗に切ってお会計を済ませた。

えっ、なにそれ、そんなこと出来るの?!現実世界の隠しコマンドを見てしまった様な気分になった。
1983年三重県生まれ、大阪在住の司法書士。 手土産を持参する際は消費期限当日の赤福で受け取る側に過度のプレッシャーを与える。

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これまでの苦労は何だったのか

当サイトライターの斎藤さんが「袋から出てる青いネギが恥ずかしい」と言ったり、そんな斎藤さんのためにネギカバーを作ったりしたのに、そもそもレジでネギを切ってもらえるのか。
もう恥ずかしがらなくてもいいんだよ
もう恥ずかしがらなくてもいいんだよ
切ってもらえば飛び出さないのに、あえて切ってもらわずに飛びださせて恥ずかしがるなんてただの羞恥プレイではないか。

ホントに切ってくれるのかな

早速斎藤さんに教えてあげようと思ったがスーパーのレジでネギを切ってくれるシステムは一般的なものなのか。おばちゃんのワガママを聞いた店員さんの優しさだったりしないだろうか。

そう思って、件のスーパーとは別のスーパーに来た。ネギ切ってもらうデビューを果たそうと思ったのだ。
右の方に見てはならない物が。
右の方に見てはならない物が。
ホントに切ってくれるかな…。不安を抱えながらネギを探すと見たくない物が目に飛び込んだ。

既に切った、ネギが、ある。
これ買えばいいじゃんって話。
これ買えばいいじゃんって話。
まずい、これで長いネギをレジに持って行って「切って下さい」って言ったら、「切れたのあるじゃん」って絶対思われる。

ネギ切ってくれるぞ

ここは仕切り直して違うスーパーに行くべきか。いやしかし。心決まらぬままレジを通る。
伸びるネギ。やはり長いよな、こいつ。
伸びるネギ。やはり長いよな、こいつ。
とりあえず買っちゃった後にカゴから飛び出すネギを見て持って帰るのを億劫に思う。ネギの飛び出しが恥ずかしかった事は無いが、単純に邪魔なのだ。

「す、すみません、ネギって切ってもらったりは…」

店員さん「あっ、出来ますよ」

イン・ジ・エアー
イン・ジ・エアー
そう言うと店員さんは慣れた手つきで包丁を取り出して買い物かごを利用してスパンッと切り、手際良くネギを包んでくれた。

切ったらこういう風に包んでくれる。
切ったらこういう風に包んでくれる。
こちらのドキドキとは裏腹、まるでネギ切り係がネギを切るかのようにスムーズに事は運んだ。レジでネギを切ってもらう事は当たり前な事なのか。

どこでもじゃんじゃん切ってくれる

!
八百屋らしい八百屋
こうなるとどこでも切ってくれるのか気になってくる。スーパーで切ってくれるなら、八百屋はどうだ。システム化されていない、地域の常識で動く場所である。
目にもとまらぬ速さで切られた。
目にもとまらぬ速さで切られた。
こちらはレジの様に切るスペースも無く、道具を用意する場所も無い。ここでもお願いすると「はいはい、これくらいでエエ?」とポケットからカッターを取り出しスパーンシャコーンっと一瞬で断ち切った。

袋から飛び出ない。
袋から飛び出ない。
一切迷いのない太刀筋、これまでに切られた数え切れぬほどのネギたちが背後に見えた。

激安スーパーならどうだ。
激安スーパーならどうだ。
ここまでのお店は素晴らしきサービスだった。ならば、サービスよりも安さが身上の激安スーパーならどうだ。

黄色と赤で書かれたら安く見えるけど、実際の値段周りとそう変わらないな。
黄色と赤で書かれたら安く見えるけど、実際の値段周りとそう変わらないな。
ネギを携え向かう足がレジの見えた所で止まる。レジが全員、日本人じゃない…。

レジをしてもらうならば問題は無いだろう。しかし少しイレギュラーな「ネギを切って下さい」というお願いをしたらば、しどろもどろになっちゃったりしないだろうか。ネギは切ってもらえるのか。
全然余裕
全然余裕
緊張しながら「このネギ、切ってもらっていいですか?」と聞くと「ネギ切るの?いいよ。」「いいの?この辺?」「切って良いの?」「切るよ、いいの?」と念入りな確認の上、切ってくれた。

長いネギは切りたいよね…。という気持ちは国境をも超えた。

基本的にネギ切るでしょシステム

それでは、高知ではどうかと来てみました(嘘)
それでは、高知ではどうかと来てみました(嘘)
普通のスーパー、八百屋、激安スーパーでも切ってくれるならば、高級スーパーはどうかと百貨店の生鮮食品売り場にやってきた。
まな板まで完備の万全の態勢
まな板まで完備の万全の態勢
ネギだけを手に取りレジへ向かう。もう「ネギ切って下さい」と言う事への戸惑いも無く慣れたもの。

レジの人「ネギが一点で〜円でございます。長さはどのくらいにいたしましょうか」

長さはどのくらいにいたしましょうか!?先手を取られた!!基本なのか、切るのが当たり前なのか。ネギが飛び出して恥ずかしい。百貨店においてそれは自ら望まなければたどりつけない境地である。

ネギが多い

これから買うネギも入っている。
これから買うネギも入っている。
こうやってネギ切り事情を探っていると非常にたくさんのネギが手に入る。関西のネギ事情は青ネギ中心である。不慣れな白ネギたちをどうにか美味しく食べていきたい。
何だこの見た目は。
何だこの見た目は。
ネギを美味しくたくさん食べるならば、鍋が良い。それもネギが主役のネギ鍋だ。ネギを筒切りにして立てる、周りに牛肉を敷き詰める。醤油、酒、みりんを良い感じにかける。以上。
うまい(確信)
うまい(確信)
それをしばらく煮たらこの状態。ネギから出た甘い汁が鍋を満たし、牛肉の脂、旨味と混ざり合い、煙突状のてっぺんから噴き出して自らを染めていく。
ネギの形状はこの為にあるのでは
ネギの形状はこの為にあるのでは
この鍋の主役は言うまでも無くネギ。すき焼きとは方向性が全く違い、肉がカスッカスになろうがしっかりと煮て味を出す。ネギのための、出汁としての牛肉。
ネギが肉のうまみ、香りを吸うが臭みは感じない。だってネギだから。
ネギが肉のうまみ、香りを吸うが臭みは感じない。だってネギだから。
肉の香りをまとったネギを噛むと、じっくりと火を入れられた旬のネギの恐ろしい甘さがトロッとあふれ出す。甘み、脂、旨味の液体が口中に溢れ出してなんとも濃いのにすっきりとした後味で爽やかな香りを残していく。

ネギ、今までわき役扱いで余り食べる事がなかったけど、もしかしてめちゃくちゃ美味しいんじゃないだろうか…。

締めは卵とじ丼です。
締めは卵とじ丼です。

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