フェティッシュの火曜日 2014年2月18日
 

廃造船所で行われる、まつり

物凄く貴重な煉瓦造りのドライドック

さてはて、これまでは工場の内部ばかりを見てきたが、そろそろ屋外に出るとしよう。

次に紹介するのは、機関工場の南側にたたずむ第一号船渠である。浦賀ドックとも呼ばれ、浦賀造船所といえばこれ! というような、浦賀のシンボル的存在である。

「中島三郎助まつり」では、その浦賀ドックを自由に見学することができるのだ。
世界的にも貴重な煉瓦造りのドライドックである
世界的にも貴重な煉瓦造りのドライドックである
浦賀ドックが完成したのは明治32年(1899年)。浦賀造船所が閉鎖される2003年まで、実に104年に渡り現役で使い続けられてきたドライドック(水を抜いた状態で船を修理、建造する施設)である。

煉瓦造りのドライドックは世界にも四基しか現存せず、日本にあるのはそのうち二基。この浦賀ドックと、浦賀ドックから2kmほど離れたところにある川間ドックだ。

しかし川間ドックは既にドックとしての機能を失っており、大分部が水没したままである。ドックとしての機能を維持している浦賀ドックは、本当に貴重な存在なのだ。
船底を支える盤木が残ったままである
船底を支える盤木が残ったままである
赤茶けた煉瓦と、白い石のコントラストが美しい
赤茶けた煉瓦と、白い石のコントラストが美しい
ドックを仕切る扉船。左右の落差に驚くのはお約束
ドックを仕切る扉船。左右の落差に驚くのはお約束
ちなみに、浦賀造船所の外壁も一部は煉瓦造りだ(ドックと同じフランス積みという積み方)
ちなみに、浦賀造船所の外壁も一部は煉瓦造りだ(ドックと同じフランス積みという積み方)
実をいうと、私は6年前にもこのドックを記事に取り上げたことがある(参照「明治のドックは良いドック」)。

当時の「中島三郎助まつり」では浦賀ドックの見学ツアーが開催され、ドックの底へ降りることも可能だったのだが、残念ながら今年はそのようなツアーをやっていなかった。

改めて眺めてみると、金属部分の錆が進んでいたり、苔や泥のようなものが積もっていたりと、以前より汚れたなぁという印象だ。造船所が閉鎖された現在、ほぼ放置状態なのだろうでしょうがないが。巨大構造物のメンテナンスは、やはり大変だ。
倒壊の危険防止の為、ヘッドを外した状態で残る昭和18年製造の巨大クレーン
倒壊の危険防止の為、ヘッドを外した状態で残る昭和18年製造の巨大クレーン
こちらはそのまま残る、昭和20年製造のクレーン
こちらはそのまま残る、昭和20年製造のクレーン
こんな巨大な鉄の塊が、レールに沿ってドックの横を動いていたのだから、凄いものだ
こんな巨大な鉄の塊が、レールに沿ってドックの横を動いていたのだから、凄いものだ

滑り台式船台

機関工場の北側には、巨大な滑り台式の船台が存在する。船台の上で船を組み立て、完成したらレールを滑らせて進水させる設備である。

さほど古いものではないと思うが、なかなか壮大かつ興味深かったので、紹介しておこう。
あまりに巨大な滑り台である
あまりに巨大な滑り台である
色々な物が置かれたまま。ごちゃごちゃとした感じがたまらない
色々な物が置かれたまま。ごちゃごちゃとした感じがたまらない
船がずずずと滑って行く、その様子を見てみたかった
船がずずずと滑って行く、その様子を見てみたかった
傾斜の地上部分は鉄骨のジャングルだ
傾斜の地上部分は鉄骨のジャングルだ
その下は物置だったり、小屋があったり
その下は物置だったり、小屋があったり
潮風にさらされボロボロな配電盤にも風情がある
潮風にさらされボロボロな配電盤にも風情がある

今後はどうなっていくものか

とまぁ、目を見張るモノが数多く残されている旧浦賀造船所。その敷地や建物が開放される「中島三郎助まつり」のようなイベントは、大変ありがたいものである。

気になるのは、この廃造船所が今後どうなるのかということ。閉鎖された直後の2004年には、機関工場やドライドックなどの産業遺産を活かすミュージアムパークの整備計画があったものの、10年経った今でも現状は相変わらず。

どうも、ミュージアムパーク構想の他、跡地に海洋系の大学を誘致しようと考えている人もいるらしく、いやはや、ホントどうなることやら。まぁ、当面は現状維持でしょうし、今後も「中島三郎助まつり」は浦賀造船所で続けられていくのでしょうな。
まだしばらくは、この景色は変わらず……かな?
まだしばらくは、この景色は変わらず……かな?

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