特集 2014年3月10日

すばらしきヒモ生活

ヒモ生活はじめました
ヒモ生活はじめました
先日テレビを見ていたら、数十年間にわたり定職につかず、女性に貢がせて暮らしている男性が出演していた。いわゆるヒモというやつである。女性をATMのように扱う彼の鬼畜ぶりを見るにつけ、僕はどんなに落ちぶれてもヒモにだけはなるまいと誓った。

そこで、誰も不幸にしない、かといって特に幸せにもしない、新たなヒモ生活を提案したいと思う。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。

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> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

ヒモの可能性を探ります

ここでいうヒモというのは、文字通りヒモのことである。
ヒモである
ヒモである
万人の知る通り、ヒモというのはとても便利な道具だ。

僕もかねてより、ヒモの利便性、とくにそのユーティリティぶりには一目置いていた。日常生活にもっと上手くヒモをとり入れていけば、もっと暮らしは便利に、楽しくなるのではないかと思うのだ。
たとえばクローゼットがなくても、ヒモで洋服を吊るせるとか、そういう利便性のことです
たとえばクローゼットがなくても、ヒモで洋服を吊るせるとか、そういう利便性のことです
オーソドックスなのは、ヒモを収納アイテムとして使う方法。特に、収納の少ないワンルームだと、ヒモはけっこう重宝する。

我が家にはクローゼットがない。いや、正確にはあるのだが、引っ越し時に未開封のまま放置したダンボールに占拠され、服を吊るすスペースがない。しかし、それはたった一本のヒモが解決してしまう(または、ダンボールの中身を整理することでも解決する)。

忘れ物防止にも役立つ

また、ヒモは忘れ物防止にも役に立つのではないかと思う。現代人はスマホだ、財布だ、デジカメだ……、とにかく荷物が多すぎる。あらかじめそれらを一本のヒモでまとめておけば、忘れ物もなくなるんじゃないか。
スマホ、手帳、鍵、財布、仕事で使う書類を入れる封筒など、大事なものをヒモでつないでおく
スマホ、手帳、鍵、財布、仕事で使う書類を入れる封筒など、大事なものをヒモでつないでおく
全部一本のヒモでつながれているので、出かける時は、これをまとめてカバンにつっこめばいい。これなら財布を忘れたり、スマホを忘れたりといったことはなくなる。

ただ、カバンに入れるのを忘れたら、全てのアイテムを一網打尽に忘れることになるので、三振かホームランかみたいなリスクはあるけど。

というか、もはやカバンさえいらないのかもしれない
というか、もはやカバンさえいらないのかもしれない
そのままヒモを肩にかけて外出も可能だ。

シンプルライフとは、こういうことかもしれない。
とはいえこのままだと、ちょっと不格好だ
とはいえこのままだと、ちょっと不格好だ
でも、こうすればファッション的にも違和感はない。森ガールみたい
でも、こうすればファッション的にも違和感はない。森ガールみたい
ハンズフリーなのでメモもとりやすい
ハンズフリーなのでメモもとりやすい

ビジネスシーンにおけるヒモ

次に、ビジネスシーンでのヒモ活用法を模索していきたい。世の経営者は、事業におけるムダをいかに省くかということに心を砕いているが、ヒモで効率化を図れることも随分あると思う。
例えば、大事な書類を忘れてしまった時。わざわざ上階の事務所まで戻るのは非効率なのでヒモで届ければいい
例えば、大事な書類を忘れてしまった時。わざわざ上階の事務所まで戻るのは非効率なのでヒモで届ければいい

ヒモで「見える化」

また、複数の案件を同時に動かす時にも、ヒモが役に立つ。
まずは事務所の壁から壁に長いヒモをわたす
まずは事務所の壁から壁に長いヒモをわたす
そこに、現在進行中の仕事を吊るす
そこに、現在進行中の仕事を吊るす
年度末でいくつもの案件が重なり、混乱気味だった仕事が一気に「見える化」した。特にさしせまった案件を手前にすれば、プライオリティも分かる。業務の可視化を経営課題に掲げる企業は多いが、その答えはヒモにあった。
案件が増えたら吊るす。終了したら外す。じつに明確だ
案件が増えたら吊るす。終了したら外す。じつに明確だ
新規の案件が増えると、必然的に手前の仕事は壁際に追い込まれることになる
新規の案件が増えると、必然的に手前の仕事は壁際に追い込まれることになる
ただ、いつまでも手前の仕事を放置していると、最終的には書類が風雪にさらされるリスクもある
ただ、いつまでも手前の仕事を放置していると、最終的には書類が風雪にさらされるリスクもある
さらに、部署間をまたいだ種類の受け渡しなども、ヒモを使えば楽だ。

ワンフロアに何百人もの人間が働く広いオフィスの場合はなおさら、わざわざ届けに行くのはかったるい。
これより100倍広いオフィスを想像してください
これより100倍広いオフィスを想像してください
書類移動中
書類移動中
到着
到着
このように部署間にヒモをはりめぐらせておけば、相互に書類をやりとりできる。ヒモがあればもはやメールさえも不要なんじゃないかと思えてくる。
滑車の原理を使った活用法もある
滑車の原理を使った活用法もある
寝ている部下の頭に硬くて重い物を落とす時や
寝ている部下の頭に硬くて重い物を落とす時や
残業をねぎらう時にも使える
残業をねぎらう時にも使える

陰口チェックツールとしてのヒモ

だんだん苦しくなってきたが、もう少しだけヒモの可能性を模索したい。

現在ぼくはまがりなりにも会社をやっていて、スタッフが2名働いてくれている。いま僕にとって何より怖いのは彼女たちの陰口である。
給湯室とかで悪口言われてたらどうしよう、という不安がぬぐえない
給湯室とかで悪口言われてたらどうしよう、という不安がぬぐえない
なので、ヒモで陰口チェックツールを作りました
なので、ヒモで陰口チェックツールを作りました
チェック中
チェック中
トイレでもチェック
トイレでもチェック
このように、ヒモは日常生活、外出先、ビジネスとあらゆるシーンで役に立つ。今回の記事が少しでも、みなさんのヒモライフの参考になったら幸いです。
もう、給料もヒモで決めたらいいと思う
もう、給料もヒモで決めたらいいと思う

ヒモは偉大だ

最後に、本稿はそもそも「ヒモ生活」というダジャレ出発の企画であったことを告白しておく。ただ、意外と本当に便利だったので、これからもヒモを活用していきたいと思う。
毎日が博覧会みたいで楽しいというメリットもあるかもしれない
毎日が博覧会みたいで楽しいというメリットもあるかもしれない
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