ロマンの木曜日 2014年4月3日
 

「コーラと同じ量の砂糖が入った水は飲めたもんじゃない」は本当か

同じ量の砂糖が入ってるのに、水だと飲めないってほんと?
同じ量の砂糖が入ってるのに、水だと飲めないってほんと?
糖質制限ダイエットを薦める人から「コーラと同じ量の砂糖が入った水なんて飲めたもんじゃない」と聞いた。

レモンや香料、炭酸なんかが入っているから美味しく感じるのであって、砂糖だけにしたら甘すぎて飲めないということらしい。

なるほど、と一度納得する。でも「飲めたもんじゃない」という言葉が強すぎて、それは言い過ぎじゃないのかね、とコーラに味方したくなる自分もいた。

意外と普通に飲めそうじゃない?
小堺丸子 小堺丸子(こざかいまるこ)
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。 好物は酸っぱいもの全般とイクラ。ペットは犬2匹と睡魔。土日で40時間寝てしまったりするので日々の目標は「あまり寝過ぎない」
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実際に飲んでみよう

コーラの横に角砂糖が並べられた写真を見た事があるだろうか。

こうして大仰にピラミッド型に角砂糖を並べられると、その多さに「これはかなり甘くて危険だ」と連想し、おののいてしまう。
コーラに入っている糖質を砂糖で可視化(500mlに角砂糖15個)。こんなに入ってるの?とショックを受ける
コーラに入っている糖質を砂糖で可視化(500mlに角砂糖15個)。こんなに入ってるの?とショックを受ける
でも、だ。

私たちはこの角砂糖の視覚効果に必要以上に怖がっていないだろうか。ペットボトルには500mlも液体が入っている。そのうちの角砂糖15個分がどれだけ甘いのか。そもそも角砂糖って、砂糖の分量として多いの?という疑問も出てくる。

「あれだけ期待させておいて大した事無かった」という誇大広告のようなものかもしれないぞ。
500mlの水にコーラと同じ分の砂糖を溶く
500mlの水にコーラと同じ分の砂糖を溶く
キンキンに冷やした南アルプス天然水で作った。意外とゴクゴクいけるんじゃないか
キンキンに冷やした南アルプス天然水で作った。意外とゴクゴクいけるんじゃないか

500ml飲み切るまでの心理的変化

さて、ここから実際に飲んでみた過程を5段階にわけて書いていく。飲み進めるうちに一言では表せない心理的変化がおこったのだ。

第一段階(100mlくらいまで):余裕

なんだ、許容範囲の甘さじゃないか
なんだ、許容範囲の甘さじゃないか
ほーら。

甘いけどそんなに驚くほどのものじゃない。夏に喉が渇いた時や甘いものが欲しい時にいいかもしれないとさえ思う。そういえば麦茶に砂糖を入れる家があるけれど、それを彷彿とさせた。

第二段階(200ml):疑惑と感謝

ちょっとしんどさが出てくる。それと純粋な水やお茶への感謝の気持ちがわく
ちょっとしんどさが出てくる。それと純粋な水やお茶への感謝の気持ちがわく
問題はここからだった。

飲み進めるうちに、その甘ったるさが加速していく。ガツンとくる甘さではないものの、ジンワリと体に浸透していく甘さ。普段飲んでいる純粋な水やお茶の、あの甘味のない飲み物のありがたみを感じる。
ああいま無性にお茶が飲みたい。

第三段階(300ml):不調

気持ち悪くなってきた
気持ち悪くなってきた
次に襲ってきたのは気持ち悪さだ。急激に血糖値が上がったためか、それとも他の味覚欲しさに体が異常反応を示しているのか、へたしたら吐きそうである。

第四段階(400ml):悲しみ

喉が開かなくなってきた。涙もでてきた
喉が開かなくなってきた。涙もでてきた
後半戦だ。ここまできたのだから全部飲みきりたい。

でも、なんで私は一日の始まりにこんなに不快な思いをしなければならないのか?と悲しくなってきた(出勤前にやっている)。
それに、体が拒否をしているのか喉が開かなくなってきた。なんか涙もでてきたし、顔も一気に老けた気がする。

最終段階(500ml):そして怒りへ

こんなもん飲めたもんじゃねえっ!
こんなもん飲めたもんじゃねえっ!
最後はちゃぶ台をひっくり返したくなる衝動に。早く終わらせたいのになかなか減らない不思議との戦いだった。5秒ごとに自動でシャッターがおりるように設定されたカメラには歪んだ顔(おもしろ顔)ばかりが記録されていった。

本当だったのだ。コーラと同じ糖分の砂糖水は飲めたもんじゃなかったのだ!(正確にいうと、コップ1杯くらいなら飲める。)
飲み終えるのに30分。とても体に悪いことをした気がして、意味があるかは分からないが急いで生野菜を食べた
飲み終えるのに30分。とても体に悪いことをした気がして、意味があるかは分からないが急いで生野菜を食べた

コーラ以外は?たとえばカレー

コーラと同じ量の砂糖が入った水は危険ということはよく分かった。では他のものはどうだろうか?

たとえば、甘さとは対極にあるカレーライスはどうだろう。もちろんカレーライスに砂糖は使われていないが、かわりにカレーライスに入っている糖質(炭水化物から食物繊維を引いたもの)を砂糖に置き換えてみるのだ。
ピラミッドでかくなっちゃった!カレーライスには角砂糖35個分の糖質が含まれていた *注:糖質=砂糖ではないです。あくまで糖質を砂糖で換算した場合こうなるということ(参考サイト)
ピラミッドでかくなっちゃった!カレーライスには角砂糖35個分の糖質が含まれていた *注:糖質=砂糖ではないです。あくまで糖質を砂糖で換算した場合こうなるということ(参考サイト
驚いた。

こうして可視化してみると、カレーライス一杯でコーラの2倍以上の糖質が入っている事が認識できる。私たちは知らず知らずのうちに多くの糖質をとっているのだ。ちなみにポテトチップス一袋には角砂糖約10個分、ダイエットによく使われるリンゴ1個もそれくらいの糖質である。
カレーライスと同じ分量(約500ml)の水に角砂糖35個入れたものと比べてみる
カレーライスと同じ分量(約500ml)の水に角砂糖35個入れたものと比べてみる
甘いっ!!これは本気で飲めたもんじゃない!
甘いっ!!これは本気で飲めたもんじゃない!
ものすごい甘さだった。ガムシロップを甘めの杏仁豆腐の汁で割ったくらいの甘さだ。これこそ「飲めたもんじゃねえ」である。
カレー辛っ!!砂糖の甘さを消すため20倍激辛カレーを用意していたのだが
カレー辛っ!!砂糖の甘さを消すため20倍激辛カレーを用意していたのだが
よく考えたら反動で余計甘く感じるだけじゃないか…
よく考えたら反動で余計甘く感じるだけじゃないか…
なんくちか交互に食べてたら相乗効果で甘いと辛いが登りつめていき、すぐにギブアップ
なんくちか交互に食べてたら相乗効果で甘いと辛いが登りつめていき、すぐにギブアップ
カレーライスに含まれる糖質は主に「でんぷん」であり、実際はこの砂糖水のように甘くない。しかし、激辛カレーとこの甘い砂糖水の糖質量は同じなのだ。なんだか不思議だ。

色んな味に、ありがとう

自分がいったい何をやっているのかわからなくなってきた。が、結果としてこれらの実験で分かったことは「コーラでなくたってなんだって、砂糖水は飲めたもんじゃないのでは」ということだ。

そしてコーラもカレーも、色んな味が混ざってこそ美味しいのだと改めて感じた。ありがとう、色んな味。

砂糖水は飲むもんじゃない

記事のタイトルに対して答えを出すなら「飲めたもんじゃない」の前に、砂糖水は「飲むもんじゃない」であった。

一つの味覚だけ抽出したらなんだってきついのだ。そんな小学生でも分かりそうな事を身をもって知る機会になった。
やらない方がいい。誰もやらないと思うけど
やらない方がいい。誰もやらないと思うけど

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