ちしきの金曜日 2014年4月4日
 

日比谷線に乗って炭鉱へ行く感じ〜池島すてき!〜

ちょうど大手町あたりから

立坑からいちばん遠くの坑道まで10km、と言われてもいまひとつピンと来ない。10kmって何km?って感じだ。
ピンと来ないので航空写真に坑道をトレスしたものを乗せてみた。なんかすごいのはわかるけどやっぱりピンと来ない(Google earth をキャプチャしたものに加筆)
ピンと来ないので航空写真に坑道をトレスしたものを乗せてみた。なんかすごいのはわかるけどやっぱりピンと来ない(Google earth をキャプチャしたものに加筆)
ピンと来ないので、東京に池島と坑道を持ってきてみた。それが本記事冒頭の画像とタイトルだ。
池島の大きさが、だいたい皇居と同じだったので、そこに設置。
池島の大きさが、だいたい皇居と同じだったので、そこに設置。
首都圏の方はこれでピンと来ると思う。つまり、前ページの立坑から地下に入り坑道の一番先端まで行くというのは、ちょうど大手町から日比谷まで行って、そこから日比谷線に乗って終点中目黒まで行き、東横線に乗り換えて学芸大学駅まで行く、というのに相当するのだ。

学芸大学はなくなったかもしれないが、ここには炭鉱がある!というわけだ(違います)。日比谷線の東横線への乗り入れがなくなったのが悔やまれる。

ただ、日比谷線の深さはせいぜい地下10m前後だが 、坑道は600m!あらためて、すごい。600mて。スカイツリーか。

お話によれば、遠い現場までは移動に片道1時間半かかったという。トロッコに乗り、人が乗る用のベルトコンベアに乗り換えて…という出勤だったそうだ。大手町から学芸大学間が30分もかからないぐらいなことを考えると、そのたいへんさがよくわかる。

また、大阪で言うと、梅田の駅から立坑に入り、四つ橋線で本町まで行き、中央線に乗り換えて終点コスモスクエア。そこからニュートラムで中ふ頭駅まで、という感じだ。南港の団地いいよね。

いまぼくが住んでいる建物に使われている鉄筋を作るために、もしかしたらこの池島炭鉱の石炭が使われたかもしれない。以前横須賀水道道を走ったときに妄想したが、都市で大量に人が生活する、ということの背後には、これだけの規模のインフラが必要だということなのだ。それに思い至ってぐっときたのだ。わかるかなあ、この感慨。

そして団地!

海に顔を出した炭鉱への入り口、池島。ここが炭鉱設備のための場所になったのは、比較的最近のことで、1952年だ。同じ炭鉱のための基地で池島の近所の有名な軍艦島の場合、三菱によって本格的に開発されたのが1890年であることを考えると、炭鉱島の新人と言えるだろう。

ぼくにとっての池島の最大の魅力は、この新人さにある。そう、団地だ。
池島の団地の中でもかなりすてきな物件。モダンデザインだなあ!かっこいい。(大きな画像はこちら)
池島の団地の中でもかなりすてきな物件。モダンデザインだなあ!かっこいい。(大きな画像はこちら
工場萌えのみならず、団地マニアでもあるぼくにとって、軍艦島の日本で最初の鉄筋コンクリート造集合住宅は見逃せない。しかしそれよりも池島のほうが好みだ。なぜならこっちのほうが「ザ・団地」な佇まいだからだ。軍艦島のは特殊すぎる。
とはいえ、まあ、その、軍艦島もかっこいいけどな。(大きな画像はこちら。最大横17000ピクセルの画像もリンク先にご用意いたしました。プリントしてリアル壁紙にどうぞ)
とはいえ、まあ、その、軍艦島もかっこいいけどな。(大きな画像はこちら。最大横17000ピクセルの画像もリンク先にご用意いたしました。プリントしてリアル壁紙にどうぞ)
団地だ団地だわーい!と浮かれた熱もやや冷め、冷静になったあとで、またもやはっと気がついたことがあった。池島は人にいろいろと考えさせる場所らしい。

でもまあとりあえずはキュートな池島の団地風景をご覧いただこうじゃないか。
ザ・団地
ザ・団地
住棟表示がタイル!すてき!
住棟表示がタイル!すてき!
すてき!
すてき!
この並び具合。まさにザ・団地。
この並び具合。まさにザ・団地。
団地の神髄は「ふつう」にあり。その極意は大量生産性にあるからだ。池島のこの「いかにも団地」はやはり高度経済成長期に作られたという団地の正統ゆえだろう。奇をてらわないその立ち姿にほれぼれした。池島すてきすぎる。
いいですなあ。
いいですなあ。
よく見ると、雨戸がついているのが団地としてはめずらしい。サッシがまだ木製で、風の強い離島ならではのことだろう。
よく見ると、雨戸がついているのが団地としてはめずらしい。サッシがまだ木製で、風の強い離島ならではのことだろう。
今回はなんと団地の室内を見ることもできた!うおー!
今回はなんと団地の室内を見ることもできた!うおー!
典型的な初期団地の間取りだ!炭鉱の住宅といえども団地は団地なのだ!興奮!
典型的な初期団地の間取りだ!炭鉱の住宅といえども団地は団地なのだ!興奮!
階段室とか鉄の扉とか、いい感じだよねえ。
階段室とか鉄の扉とか、いい感じだよねえ。
もうなんだかただの団地写真の羅列になってきたが、まさか炭鉱の島でこんなふうに保存された正統派のザ・団地を見ることができるとは思わなくて、興奮しちゃったのでしょうがない。

いやほんとに、本土都市部ではこの年代の団地がどんどんなくなっていることを考えると、すごく貴重ですぞ。価値があるのは炭鉱設備だけじゃないぞ、池島!

と、思ったところで、はっとしたわけです。なんでこのように団地残ってるのかというと…!

<もどる▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>
デイリーポータルZをサポートする じゃあせめてこれだけでも メルマガ SNS!

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓