特集 2014年4月25日

温泉になっている一級河川に入る

川が温泉になっています!
川が温泉になっています!
温泉というものがある。簡単に言えば地下から湧いているお湯だ。全国各地に温泉施設があり、なかでも露天風呂は人気が高い。みな開放感を求めているのだろう。

そこで群馬県の「尻焼温泉」である。川の一部が温泉になっているのだ。年中無休で(川だから)24時間いつでも(川だから)無料で(川だから)入ることができる。真の開放感(川だから)がある温泉だ。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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草津温泉に行かない!

全国各地に温泉がある。みな温泉が好きなのだ。別府温泉を有する大分県が「おんせん県」と名乗ったのは記憶に新しい。その際にちょっと待った! と言ったのが草津温泉のある群馬県だ。草津温泉もまた人気のある温泉なのだ。
草津温泉の最寄り駅「長野原草津口」にやってきました!
草津温泉の最寄り駅「長野原草津口」にやってきました!
草津温泉は江戸時代の温泉番付で、当時の最高位である東大関に格付けされた歴史を持つ。湯もみも有名だし、「万病に吉」と言われ湯治としても人気を集めた。いまなお多くの観光客が訪れるスポットだ。
最寄り駅も草津温泉推し!
最寄り駅も草津温泉推し!
そんな草津温泉に今回は行かない。草津温泉の最寄り駅である「長野原草津口駅」に来ているけれど、行かないのだ。向かうのは「焼尻温泉」。草津温泉は「万病の吉」だけれど、尻焼温泉は「痔」に吉の温泉なのだ。特化型だ。
これには乗らず、
これには乗らず、
コチラに乗る
コチラに乗る

尻焼温泉へ

尻焼温泉に向かうべく「花敷温泉」へと向かうバスに乗り込む。草津温泉行きのバスと同じように長野原草津口駅から出ている。平日は3往復の路線バス。草津温泉に向かうバスには大勢の人が乗っていたが、コチラはガラガラだった。
ガラガラのバスはロマンチック街道を走る
ガラガラのバスはロマンチック街道を走る
バスは貸し切り状態で日本ロマンチック街道という、海外の童話で育った私にはロマンチックの要素を見つけるのが難しい山道を走った。途中にあった保育園では園児がバスに手を振っていた。そこはなんだかロマンチックな気がした。
花敷温泉に到着
花敷温泉に到着
運転手さんに話を聞けば、土日もそんなにお客さんはいないね、とのことだった。到着した花敷温泉も寂しい感じ。しかも、ここからさらに山の方へと歩いて行く。私の目的地は尻焼温泉だ。歩く私の横に川が見える。おそらくこの川のどこかが温泉だ。
ここだ!
ここだ!
到着!
到着!

うん、川だ

しばらく歩くと尻焼温泉を示す看板があった。先述の通り尻焼温泉は川である。それを実に的確に表す看板だった。「川風呂」。尻焼温泉と書いてもいいのに、川風呂である。だって川なんだもん。
向かって左が温泉で、右は川
向かって左が温泉で、右は川
この川の名前は長笹沢川。一級河川である。温泉はその一部の区間だけ。そこにだけ温泉がわいているのだ。そうでない部分に入ると冷たくて、春の猫みたいな声を上げてしまうだろう。もっともこの日は前日の雨の影響もあり、温泉の方も27℃と低め。本来は35℃ほどあるそうだ。
それでも川と温泉で10℃ほど違う!
それでも川と温泉で10℃ほど違う!

川に入る

この温泉は先述の通り無料で24時間いつでも入ることができる。理由は川だからだ。季節によっては落ち葉がすごい。理由は川だからだ。おたまじゃくしが死んでいたりもする。理由は川だからだ。そう、ここは川なのだ。
でも、温泉!
でも、温泉!
私は温泉ソムリエという資格を持っている。座学だけで取れる資格だけれど、そのおかげで少し温泉にはうるさい。あと、この温泉では物理的にもうるさい。人がいないので泳ぎ放題なのだ。広いので人がいても泳ぎ放題だけれど。そこそこいい年齢の大人もみんな泳いでいた。
もちろん気持ちがいい
もちろん気持ちがいい

これ以上にない開放感

ちなみにこちらの川は裸で入ることができる(温泉だから)。川だけれど裸で大丈夫なのだ(温泉だから)。もちろん水着を着てもいい(川だから)。ここにいたおじさんに話を聞いたら、倦怠期のカップルが意外に来て、やつらは水着を着けないと言っていた。刺激を欲してるのだろう、という考察だった。
裸でいいのだ! 開放感!
裸でいいのだ! 開放感!
小屋もある
小屋もある
一応、小屋があってそこは源泉がひかれており、温度も管理されている。コチラは裸で入らなければならない(温泉だから)。雨の日も同じ温度(温泉だから)だ。もちろんコチラも24時間入れる(基本は川だから)。年中無休だ(基本は川だから)。
更衣室はない(川だから)
更衣室はない(川だから)

尻を焼け!

川が温泉と聞いて行った温泉は、やはり素晴らしき開放感だった。露天風呂と比べるまでもない開放感だ。そもそも尻焼温泉は痔の治療に特効があり、川底の温泉で温められた石に腰をおろして治したことから、そう名付けられたそうだ。確かにお尻が気持ちよかった(温泉だから)。
開放感と痔!
開放感と痔!
尻焼温泉
泉質:カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉
長野原草津口駅より六合地区路線バスで約35分「花敷温泉」下車、徒歩約10分
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