特集 2014年4月28日

大統領来日、そのとき東京は

大統領がやってくるヤアヤアヤア。
大統領がやってくるヤアヤアヤア。
アメリカから大統領がやってくることになった。

その時東京はいったいどうなっていたのか。

厳戒態勢の町を歩いてみました。
行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

アメリカから大統領がやってくる

この記事が掲載される頃にはすでに大統領は帰国していて、しかもこんな騒ぎになっていたのは関係のある東京の一部だけだとも思うんだけれど、せっかくなのでこの非日常な雰囲気をみなさんにもお伝えしたいと思って書いています。

大統領がやってくるとその周辺はどうなるのか。街の様子を見てきました。

その時新宿は

4月23日夜。アメリカから大統領が専用機で到着すると聞いた。到着は羽田である。

到着する羽田に見に行こうとも考えたが、そういう人が増えると空港や警備の邪魔になったりするんじゃないかと割りと真剣に考えてやめておいた。じゃまにならない程度の野次馬が希望である。

少し離れているが大統領の到着する23日の新宿はどうなっていたのか。まずは東京の中心、都庁から見ていこう。
相変わらずかっこいい。
相変わらずかっこいい。
「特別警戒実施中」のポスターはずっと貼られている気がします。
「特別警戒実施中」のポスターはずっと貼られている気がします。
いたって通常営業でした。
いたって通常営業でした。
都庁は通常営業だった。

いつもどおり展望階にも上がることができるし、売店やレストランも普通。普段に比べても特に警備が厳重になっている感じもない。警備の様子からたぶんここには大統領は来ないんだろうな、とわかる(警備上の都合で大統領の行き先の詳細は事前に公開されていませんでした)。
都庁の前でかっこいいおっさんが手振りを混ぜながら大声で電話してたくらい平和。
都庁の前でかっこいいおっさんが手振りを混ぜながら大声で電話してたくらい平和。

緊張感ただよう新宿駅

都庁が平常運転だったのに対し、都庁から最寄りのJR新宿駅は少し様子が違っていた。
都庁に近い新宿駅では。
都庁に近い新宿駅では。
コインロッカーが完全封鎖。
コインロッカーが完全封鎖。
大統領どんだけ荷物多いんだ、という話ではない。
大統領どんだけ荷物多いんだ、という話ではない。
前日までに出さなかった荷物は預かられちゃうらしい。
前日までに出さなかった荷物は預かられちゃうらしい。
構内にあるロッカーというロッカーが完全に封鎖され、ゴミ箱なんかも使えないようになっていた。
曲がり角には警察官。
曲がり角には警察官。
ところどころに警察官が立ち、目を光らせている。新宿駅だけでなく、都内の主要な駅でこうした警戒が行われていたようだ。いつもの駅にはない緊張感が漂っていた。
あの台に乗ると見晴らしいいんだろうな。
あの台に乗ると見晴らしいいんだろうな。

大統領が行きそうな場所はどうか

明治神宮にも来る(かもしれない)ということで、現地がどうなっているのか見に行ってみた。
大統領が来る!とは書かれていなかったけれど、24日に入場規制が張られるとのこと。たぶんそれ来るね、大統領。
大統領が来る!とは書かれていなかったけれど、24日に入場規制が張られるとのこと。たぶんそれ来るね、大統領。
警察官は最寄りの原宿駅を降りるとすぐに数人いたが、明治神宮の境内には数百メートルに一人くらいの配置で、雰囲気的にもまだ張り詰めた感じではなかった。当日はたぶんここまで入ることもできなくなる。
新宿駅より警察官は少なかったです。
新宿駅より警察官は少なかったです。
でもしっかりと目を光らせている感じはする。
でもしっかりと目を光らせている感じはする。
観光客も普通に参拝できていました。
観光客も普通に参拝できていました。

アメリカ大使館は

最後におそらくというか確実に大統領が訪れるであろうアメリカ大使館を見に行ってみた。来日前ということで、まだ行っても大丈夫だろうと思ったのだ。
最寄り駅は溜池山王。
最寄り駅は溜池山王。
ところが駅を出た瞬間に空気の違いを感じた。
各出口に警察官配備。
各出口に警察官配備。
出口というか周辺全体的に配備。
出口というか周辺全体的に配備。
これまで見てきた場所とは違い、明らかに警戒が厳重である。
伝わるだろうかこの緊張感。
伝わるだろうかこの緊張感。
硬質な空気、飛び交う視線、無線の音、街宣車からの声。

たまらず近くのコンビニに入ってコーヒーを買ってきた。
コーヒー買った。
コーヒー買った。
こうしてコーヒー撮ってるふりして遠くの警官を撮るためである。
こうしてコーヒー撮ってるふりして遠くの警官を撮るためである。
ほほー、これはいいコーヒーだなー。
ほほー、これはいいコーヒーだなー。
コーヒーを撮っていたらすぐに後ろから声をかけられた。

(警察官A)すみません、どちらに行かれるんですか。

「ええっと、溜池山王の方に(今おまえが出てきたのがその駅である)」

(警察官B)カメラですが、ちょっとこの先撮影できない場所が多くありますので、念のためしまっておいていただけますか。

「はい!」
その時電源を切る直前にシャッター押して撮った写真。
その時電源を切る直前にシャッター押して撮った写真。
もちろん何も悪いことをしようという気はないし、警備の邪魔をするつもりもない。大統領が来られるのもむしろ歓迎である。

それなのになぜこんなにビクビクしてしまうのか。すべてはこの張り詰めた空気がそうさせるのだと思う。
大使館への道はすぐに封鎖できるような体制が取られていました。
大使館への道はすぐに封鎖できるような体制が取られていました。
いつでも止める心意気。
いつでも止める心意気。
この近くでお店をやっている友人がいるので話を聞きに行った。
「特に変わったことはないですね。」
「特に変わったことはないですね。」
アメリカ大使館に近い場所でハンバーガー屋さん(うまい)を営む佐藤さんいわく「うちには特に影響ないから気にしてないですね」と。

わかんないぞ、来日したら近所だから大統領来るかもしれないじゃん、と思ったのだが、大統領は寿司を食べに行くのだとか。そうか、佐藤さんのお店ハンバーガー屋だもんな。せっかく日本に来たら寿司食べに行くよな。
これは特に今回の来日とは関係なく人にもらったもの。
これは特に今回の来日とは関係なく人にもらったもの。
「そいういえばアメリカ大使館の職員の人が、さいきん残業が増えたって言って夜中に来ることありますね」

そういう影響もあるのか。佐藤さんのお店に間違って大統領が来ますように。

ハンバーガー食べて勢いがついたので、アメリカ大使館の周りを一周してみることにした。
周囲の道はすべて検問がはられている。
周囲の道はすべて検問がはられている。
来た車は容赦なく全部止める。
来た車は容赦なく全部止める。
たまに通る黒塗りのハイヤーはきっと関係者だろう。
たまに通る黒塗りのハイヤーはきっと関係者だろう。
!
!
テレビも来ていたが、やはりあまり大使館に近づけてはいなかった。
テレビも来ていたが、やはりあまり大使館に近づけてはいなかった。
まさにアリ一匹通さない勢いである。

大使館の門にはゴジラに踏まれても平気そうな黒い塊みたいな車が横付けされていて、僕は超望遠レンズを持っていったのでそれで遠くから撮ってみようかとも思ったのだけれど、その「遠く」の段階からすでに警察官がたくさんいてカメラを構えられるような状況ではなかった。遠くからでかいレンズで撮っていたらもうただではすまない雰囲気である。そもそも大使館の入り口は普段から撮影禁止だ。

大使館を含むこのブロックをぐるっと一周する間に三度警察官に止めれてどこに行くのか聞かれた。このくらい厳重だと大統領も安心に違いない。

どんとこい大統領!

現場に行ってみて感じたことは、この警備をかいくぐって悪いことするのはちょっと容易では無いな、という実感だった。日本の準備は万全である。大統領、いつでも来てください!(28日現在:もう来て無事に帰って行かれました)
駅の開きそうな扉には全部封印がされていた。
駅の開きそうな扉には全部封印がされていた。
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