特集 2014年5月20日

公道を走れるレンタルゴーカート

公道を走れるレンタルゴーカートで秋葉原を走ってきました。
公道を走れるレンタルゴーカートで秋葉原を走ってきました。
ゴーカートというと、専用のコースしか走れないものだとばかり思っていたのだが、法律で定められているライトやウインカー等の保安部品を装備した上でナンバーを取得すれば、公道を走ってもいいらしい。

そんな公道使用のゴーカートが、秋葉原でレンタルできるというので、普通自動車免許を持って乗りにいってきた。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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ちょっとアキバなレンタルゴーカート屋さん

公道を走れるレンタルゴーカート屋さんの「アキバカート」があるのは、その名の通り秋葉原。でも御茶ノ水駅の方が近かったりするので、あえてそっちから攻めてみた。

入り口に到着すると、そこにはコスプレというか着ぐるみをまとった外国の方や、忍者の格好をした人が写った看板が出ていた。

さすが御茶ノ水駅が最寄りでもアキバを名乗るだけあって、いわゆるアキバの文化圏にあるお店のようだ。あるいは外国人が期待するジャパンカルチャー。

正直、若干不慣れな世界ではあるが、食わず嫌いは良くないだろう。
コスプレ外国人に忍者かー。
コスプレ外国人に忍者かー。
入り口からスロープを降りていき、地下駐車場へと進んでいくと、そこには海釣り用手漕ぎボートのように旗を立てた、大人向けのオモチャっぽい雰囲気を漂わせているゴーカートが並んでいた。

わかってはいるのだけれど、これで公道を走っていいのかと思うと、ついつい興奮してしまう。日本の法律ってイメージよりも柔軟なのだろうか。
秘密基地っぽさ満点のガレージ。
秘密基地っぽさ満点のガレージ。

ちゃんとナンバーが付いている

車体を確認すると、確かに青いナンバープレートが付いている。ウインカーもあるし、サイドミラーもある。

アキバカートの方の話だと、このカートは公道での走行が可能な通称「ミニカー」というカテゴリーで登録されているそうで、高速道路は走れないけれど、一般道では普通の車と同じルールで走行していいらしい。

エンジンこそ原付きバイクと同じ50ccながら、制限速度が60キロの道路であれば、60キロまで出していいのだ。このサスペンションもないフレームむき出しのボディで。

必要な免許証は、原付きではなく普通自動車免許。ここのカートはオートマなので、免許もオートマでOK。
車として走れる原チャリみたいなもんですかね。ヘルメットもシートベルトも不要(用意はある)。
車として走れる原チャリみたいなもんですかね。ヘルメットもシートベルトも不要(用意はある)。
床のない車って初めてだ。
床のない車って初めてだ。
このカートはコスプレの団体さんや外国人観光客のような一般向けのレンタル以外にも、ラッピングをした宣伝用トラックのように、動く広告媒体としても利用されているそうだ。

実際に乗ってみるとよくわかるのだが、とても小さなボディにもかかわらず、どんな高級車よりも注目を集めるので、確かに広告媒体としてはおもしろいかもしれない。
こういった専用ステッカーも作れるそうです。
こういった専用ステッカーも作れるそうです。

カートといえば宮城マリオ

こういう取材は一人よりも大人数の方が楽しいだろうということで、当サイトのプープーテレビなどでおなじみの宮城マリオさん、大北栄人さんに同行していただいた。
ザ・秋葉原カルチャー。
ザ・秋葉原カルチャー。
アキバカートのフェイスブックなどを見ると、カートということで、あの有名ゲームキャラクターのコスプレで乗っている人が多いようだが、こっちは普段着でも名前が宮城マリオである。どうだ。

今日は宮城マリオならぬ「宮城マリオカート」だと、堂々と名乗っていただきたい。宮城マリオは本名じゃないけど。
宮城マリオカートさん。
宮城マリオカートさん。
私のカートにオンボードカメラを無理矢理設置。
私のカートにオンボードカメラを無理矢理設置。
宮城さんはドリンクフォルダーにスマフォを装着!(あとで確認したら意外な映像が撮影されていた)
宮城さんはドリンクフォルダーにスマフォを装着!(あとで確認したら意外な映像が撮影されていた)
そして大北さんには芸人風カメラを装着していただく。
そして大北さんには芸人風カメラを装着していただく。
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とにかく楽しくなってくる乗り物

システムとしては普通のレンタカーと同じなので、予約をした時間内であれば、渋谷でも新宿でも好きな場所へ行っていいのだが、カーナビがないと都内の地理は全くわからないし、カートの運転も遊園地でしかやったことがないので、今回はアキバカートの方に適当なルートを先導してもらう形にした。
未だにこれで公道を走るというのがイメージできない。
未だにこれで公道を走るというのがイメージできない。
出発前に運転方法や注意事項などをしっかりとレクチャーしていただき、ドキドキしながらエンジン始動。

50ccの小型エンジンながら、すべてがむき出しの構造なので、乗ってみるとこれがなかなかの迫力。

サスペンションなどないシンプルな構造なので、運転席に座っていると、エンジンの振動がモロに伝わってくるのが気持ちいい。これで外を走るのか。
もちろんパワステなどないので、ハンドルは重い。
もちろんパワステなどないので、ハンドルは重い。
とてもシンプルな計器類。長期レンタルをしてここから名古屋まで行った人もいるそうです。
とてもシンプルな計器類。長期レンタルをしてここから名古屋まで行った人もいるそうです。
ギアは、後ろ(R)、中立(N)、前(F)のみ。車というよりも船っぽい。
ギアは、後ろ(R)、中立(N)、前(F)のみ。車というよりも船っぽい。
体を包むものは何もなく、足元を見れば地面が見える、オープンすぎるオープンカー。

もうこうなってしまうと、コスプレ外国人とか忍者とか秋葉原カルチャーとかに対する違和感はどうでもよく、ただただ単純にこの時間が楽しくなってきた。普段着のおっさんが楽しんだって全然いいじゃないか。

さあ、合法の範囲で味わえる、非合法ならぬ非合理なドライブへの出発だ(うまいこといった気分)。
参加者全員がわかりやすく興奮をしています。
参加者全員がわかりやすく興奮をしています。

ゴーカートで公道を走る

まずはオンボードカメラのダイジェスト映像をどうぞ。

振動がすごいのでブレブレですが、その分迫力が伝わってくると思う。
ね、楽しそうでしょ?
車でなら何度か走ったことのある秋葉原の街だが、やはりゴーカートで走ると街の印象が全く違う。

もちろん道交法を守った上での安全第一ドライブなのだが、うっかりゲームとか映画とかアトラクションの世界に入り込んだ感じ。リアルだけどバーチャル感がすごい。

船に乗って川から東京を眺めたときの非日常的な感じに近いかも。
この歳になっても免許取り立てのような興奮が味わえるとは。
この歳になっても免許取り立てのような興奮が味わえるとは。
終始笑顔だった宮城マリオカートさん。
終始笑顔だった宮城マリオカートさん。
最終チェックをする伝説の整備士みたいな大北さん。
最終チェックをする伝説の整備士みたいな大北さん。
ゲームの世界ではないので順位は争わない。ただ走るだけで楽しい。
ゲームの世界ではないので順位は争わない。ただ走るだけで楽しい。
交通マナーは守っていても、公道をカートで走ること自体がなんとなくマナー違反な気がするのだが、やっていることはちょっと変わった車でドライブをしているだけ。

言うなれば派手な服を着て歩くようなものである。そりゃアキバカートがコスプレや外国人観光客と相性がいい訳だ。
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当たり前だけど注目されます

この公道を走れるゴーカートという乗り物は、左足がブレーキだったり、ウインカーが自動で戻らなかったり、多少戸惑うところもあるけれど、一度走り出してしまうと、想像以上に普通の感覚で乗れることに驚いた。

当たり前の話なのだが、ハンドルを切れば曲がるし、アクセルを踏めば進むし、ブレーキを掛ければ止まる。

風や振動の感じ方や目線の低さや無防備な感じが普通の車と全く違うだけで、運転方法自体はすごく普通の乗り物だったりする。
頭の中に流れる曲は、もちろんT-SQUAREである。
頭の中に流れる曲は、もちろんT-SQUAREである。
感覚としてはバイクやオープンカーと似ているのだとは思うけれど、一つだけ大きな違いがある。

それはもちろん、走っているときの注目度だ。
こんな人じゃなくても、こんな車で走っていたら、そりゃ見ちゃうよね。
こんな人じゃなくても、こんな車で走っていたら、そりゃ見ちゃうよね。
特に外国人観光客には大人気。ウェルカム、トウキョー。
特に外国人観光客には大人気。ウェルカム、トウキョー。
浅草における人力車くらいに視線が集まるのはもちろん、写真もバンバン撮られ、ツイッターに上げられ(帰ってから検索したら大北さんの写真が上がっていた)、信号待ちの時には「それ公道走っていいの?」と、何度も聞かれるのだ。

こういう形で目立ちたいという欲求はあまりないつもりだったのだが、構えられたカメラに向かって、ついつい手を振ってしまった。
歩行者を優先する宮城マリオカート。
歩行者を優先する宮城マリオカート。
なにも悪いことはしていないんだけれど、パトカーが来るとハートの回転数が上がっちゃうぜ。
なにも悪いことはしていないんだけれど、パトカーが来るとハートの回転数が上がっちゃうぜ。
ガソリンも普通にスタンドで入れちゃうぜ。
ガソリンも普通にスタンドで入れちゃうぜ。
車体が軽いので、Uターンは人力でOKなんだぜ。
車体が軽いので、Uターンは人力でOKなんだぜ。
こちらは大北カメラの映像。
見慣れた秋葉原の街だが、視界にこのゴーカートが入ると、一瞬でゲームの世界っぽくなる。
見慣れた秋葉原の街だが、視界にこのゴーカートが入ると、一瞬でゲームの世界っぽくなる。
ちょっと裏道に入って路地を走るのもまた楽しい。
ちょっと裏道に入って路地を走るのもまた楽しい。
歩行者からの視線もどうぞ。
運転手がこれだけ話しかけられる乗り物も珍しいと思う。
運転手がこれだけ話しかけられる乗り物も珍しいと思う。
宮城さんがスマフォはまさかの自分撮りで、延々と楽しそうな表情が映っていたよ。素敵。

次は目的を持ったドライブをしてみたい

今回はちょっと秋葉原をドライブしただけで、特に何をしたという訳ではないのだけれど、なんだかとても興奮してしまった。「目立ちたい」という欲求がなくても目立ってしまうところが乗り手を選ぶところかもしれないけれど。

今度はしっかりと計画を立てて、肉のハナマサや上州屋で普通に買い物をしたり、ドライブスルーでハッピーセットを注文してみたいと思う。

アキバカート
http://akibanavi.net/
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