チャレンジの日曜日 2014年5月18日
 

一歩間違えば踏切で大事故に……ウソの奇跡の物語が集いました
一歩間違えば踏切で大事故に……ウソの奇跡の物語が集いました
本当にあった泣ける話じゃ物足りない。ウソでもいいからもっと泣ける話にしてほしい。

本当に人が死んだ話で泣くと心が痛みますが、ウソなら平気です。泣いたあと鼻をかんだら、さあ焼き肉でも食いに行きましょう。

泣いて心のデトックスをしたい私たちにとってのエステサロン、ウソの泣ける話の投稿が今回も集まりました。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます
> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

忘れたころにやってくるウソ泣け話

ねむっていた投稿を呼び覚ますときがきました。

3回つづいたあとお休みしていましたが、たのしさの掲載枠がたまたま空いたらしいのでさっと滑りこませておきました。このカルトの火をたやすことなかれ。

今回も心ない投稿が集いました。次はいつあるかわからないのでどどんと6本。ではどうぞ。
『10年前の恋人に会いに…』

これはバイト先のスーパーで起こったウソの奇跡の物語です。

その日私が商品を補充していると、髪の長い女の人がさっと何かをとったように見えました。万引きです。呼び止めて詰め所に来てもらいました。カバンの中からはレジを通ってないジョアが。それも一本だけ。

なぜこんなことをしたのか聞いてみたところ、なんでも犯人は10年以上前からこの商品を盗み続けているそうなんです。

10年前ジョアを盗み、やはり捕まったとき店員と恋に落ちたということでした。燃え上がるような恋。再会を誓った二人ですが、男は事故にでもあったのか、その後自分を捕まえることはなく、彼女はいつまでも同じ商品を盗み続けているということでした。

私は泣きました。いつかまたあの人が捕まえてくれるその日まで。ジョア。フランス語で喜びという名の発酵乳です。

by セイ、セイ、セイエホー!
うう、おまわりさん、この人です……(泣)
ジョアを盗み続けて…
ジョアを盗み続けて…
『神様に祈ったこと』

ウソなんですが、帰らぬ人となった恋人の話です。

彼女は大変難しい手術を控えていました。もってあと一年と言われていた難病が、米国の最新治療では手術が可能だというのです。ただしその費用は5000万円を超えます。

私は自分と彼女の資産を整理しました。現金化できるものはすべてして、職場と銀行からもお金を借りました。必死にお金を集めている間、私も彼女も決して取り乱さず前にむかって進みました。そしてついに手術の日が決まったのです。

渡米前に二人で都内の山に登り、道中の神社でお参りをしました。手術がうまくいくように祈ろうというと彼女は訂正します。「私たち二人がその結果を受け止めて乗り越えられますように」と。私はこの瞬間、はじめて大きな声をあげて泣きくずれてしまいました。

帰り道、突如舞い降りた大天狗のうちわに吹き飛ばされて彼女は死んでしまいます。笑い声とともに去っていく天狗。私は再び泣きました。

by セックスピストルズ
高尾山の大天狗はいつも突然に……うわ〜ん!
『サイバーパトロール室の名物室長……』

警察のサイバーパトロールという言葉を聞くたび、こういうウソの話を想像しています。

サイバーパトロール室の川島さんのこと。

川島さんはもともと交通指導課暴走族対策室にいた。血気盛んだった川島さんは完璧な袋小路作戦を立てた。

覆面パトカーに乗って暴走族の後ろにつき、マイクで声を荒らげた。驚いた少年はハンドル操作を誤り壁に激突し帰らぬ人となった。

それから川島さんは前もってパトランプを点灯させるようになった。覆面の意味がなくなった。それはサイバーパトロール室に移った今でもそうだ。

川島さんはPCの前に座ると誰が見るわけではないのに、お手製のパトランプを頭上につける。またおとり捜査の際は「私」と言わずに「本官は」と名乗るため成績も芳しくない。

少年の命日である今日、墓前に赤い光が差し込んだ。パトランプを頭につけた川島さんがサイレンを手で回しながら小刻みな動きやってきたのだ。

by 顔マンガイ
真顔なんでしょうね、ウウ……泣けます
サイバーパトロールの実態
サイバーパトロールの実態

お題「東京五輪招致にまつわるウソの泣ける話」

あたらしい試みとしてお題を設けました。もうすっかり忘れ去られた感のある(投稿はだいぶ前です)東京五輪招致ニュース。

あのおもてなし秘話もあります。
『おもてなしの泣けるウソの理由』

五輪招致のプレゼンで、プレゼンターは右から順に手をシュッシュッとすぼめる動作で「おもてなし」といいます。これがどこで生まれたのか。ウソなんですがきいてください。

プレゼンターの彼女は前職を辞めたあと世界中を旅して第三世界の現実を目の当たりにしました。ひどい痔にかかった人たちが薬などない状態で苦しんでいたのです。彼女は彼らを日本に招待し薬を与える決意をします。

中でもひどかった5名を選び、いざ行こうとしたそのとき、なんと出国を禁止されました。政情の不安から理由なき出国は不可だというのです。

真っ赤に腫れた5つの尻を前に彼女は泣きました。そして約束します。いつの日か五輪を東京でやること、彼らを特別大使として迎えること、そして好きなだけ薬を与えることを。

プレゼンで彼女は並んだ5つの尻に次々とプリザエース注入軟膏を挿すしぐさをします。そしてこれが私たちの「おもてなし」だと宣言をします。

5つの尻を想像し、手を合わせて祈る彼女の目にはあのときの涙がうっすらにじんでいました。

by 御鼻水チャー子先生
うう、目の前にアフリカの尻が5つ並んでたんですね……
『東京五輪開催を待ち望む家族たち』

全部ウソです。

我が家の弟は生まれつき体が弱く、病床からいつもオリンピックが東京で開催されたらいいなぁ、とつぶやいていました。

隣家のおじいちゃんも、亡くなる前にもう一度東京で五輪が観たいと言っていました。

借金で夜逃げした父も、毎晩泣いていた母も、東京五輪をそれはそれは楽しみにしていたので、東京で五輪が開催されることが決まって本当によかったなあと思いました。

by カニック
ものすごくぼんやりした泣ける話という新しいジャンル、泣けました
『新国立競技場デザインのウソの泣ける話…』

東京オリンピックで新しい国立競技場のデザインを提案した建築家ザハの100%ウソの話です。

デザインの公募のためにザハは下見に訪れました。何も開催されていないこの日、一組の老夫婦が正門から競技場を見上げています。ザハは話をしてみました。

実はこの国立競技場は二人にとっての出会いの場所でした。

当時子供だった二人はなんとか入る方法はないかとここをうろついていて仲良くなったそうです。自分はこの競技場を作り直すんだというと二人はにこやかに笑っていいました。

「それはいい。私たちの思いはもう古びてしまいました。その上に立派な競技場を、あの頃の私たちくらいの子供たちのために建ててください」と。

ザハは感動して、「わかりました、子供たちにも愛されるような、そうだ、そこの子供が履いている靴みたいな競技場を作りましょう。瞬足です。どこからどう見ても瞬足みたいな競技場を作りましょう」と。

二人の思い出が、靴のような競技場に生まれ変わるのはまだ先のことでした。

by 織田裕二
……ちゃんと作ったれや、ザハ(泣)
瞬足みたいな競技場が出来上がる予定です
瞬足みたいな競技場が出来上がる予定です

投稿を募集

さてまた忘れたころにやってくるので投稿を募集します。

お題は『空の上であったウソの泣ける話』。飛行機の中で機長がアテンションプリーズしたりする話をてきとうに左手で書きなぐった感じでおねがいします。

・ウソの泣ける話を募集
・できれば400字以内(短いほうがなおいい)
・ウソだとわかるような書き出しで
・お題『空の上であったウソの泣ける話』
・お題は無視してもいい

来週掲載になるかまた休載になるのかは不明ですが、投稿をお待ちしております。
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