はっけんの水曜日 2014年6月11日
 

かわいすぎる通勤電車

かわいすぎる!
かわいすぎる!
かわいすぎる市議会議員、かわいすぎる海女、かわいすぎる鵜飼い……巷にはかわいすぎる◯◯があふれている。

そんななか、三重県でかわいすぎる通勤電車を発見しました。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。

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ほんとにかわいすぎる軽便鉄道

とにかく、どれぐらいかわいいのか、まずは写真を見ていただきたい。
色づかいがファンシー!
色づかいがファンシー!
ほら、かわいいでしょう。

ぼく自身の写真技術の拙さを差し引いてもそのかわいさはご了解いただけるものと思う。

ぼくは鉄道に関しては実際に乗ったり、路線図を眺めたりするほうがすきで、いままで電車の車両そのものにはあまり興味がなかったのだが、この通勤電車を見た時は不覚にも「かわいい!」と思ってしまった。
青くてかわいい
青くてかわいい
いやほんと、どこから見てもかわいい。こんなかわいい通勤電車がコトコトと町の中を縫うように走ってるわけで、これがかわいくなくてなにがかわいいというのか。

細いのは特殊狭軌だから

で、このかわいい通勤電車、なぜこんなにほっそいのか?

実はこの通勤電車「特殊狭軌」とよばれる特殊な軌間の路線なのだ。

電車の幅は、レールの幅によって決まる。レールの幅が広ければ大きな車体になるし、狭ければ細くなる。

このレールの幅のことを軌間(きかん)といい、日本の鉄道は1067mmの「狭軌」と呼ばれる軌間を採用している鉄道が多く、ついで新幹線や私鉄、地下鉄など、一部の鉄道に1435mmの「標準軌」と呼ばれるものが使われている。
幅が1435mmの標準軌(近鉄)
幅が1435mmの標準軌(近鉄)
幅が762mmの特殊狭軌(内部・八王子線)
幅が762mmの特殊狭軌(内部・八王子線)
そして、1067mmよりもさらに狭い762mmしかないものが「特殊狭軌」で一般的に「ナローゲージ」「軽便鉄道」などともよばれている。

気軽に乗れる軽便鉄道は三重県にある2ヶ所だけ

こんなにかわいい軽便鉄道。敷設にお金がかからなかったこともあり、昔は日本各地に存在した。

しかし1960年ごろからモータリゼーションの波におされ、どんどんなくなっていき、現在、旅客営業をしている軽便鉄道は、三重県にある近鉄内部・八王子線と三岐鉄道北勢線、富山県の黒部峡谷鉄道本線の3ヶ所しか残ってない。
より大きな地図で 日本の軽便鉄道 を表示
しかも、そのうち通勤通学などで使われる軽便鉄道は三重県の2ヶ所だけだ。今回、その2ヶ所を訪ねて実際に乗ってきた。

田園風景の中を走る「北勢線」

まず向かったのは三岐鉄道北勢線。

三岐鉄道は以前、当サイトでも取り上げた貨物鉄道博物館がある三岐線と、北勢線のあるローカル鉄道だ。2路線あるうち、ナローゲージなのは北勢線の方だ。

三岐線とバスを使って北勢線の終点阿下喜駅に向かう。
こざっぱりとしたきれいな駅だ
こざっぱりとしたきれいな駅だ
駅にはすでに細面の車両が発車を待っていた。どうですこのほそおもて。

夏目漱石の「坊っちゃん」に出てくる「マッチ箱のような汽車」というのは軽便鉄道の汽車をたとえたものらしいけど、確かにマッチ箱みたいでかわいい。
かわいいなー
かわいいなー
かわいいにもいろいろあるけれど、七五三でカッコイイスーツを着た子供のようなかわいさがある。
緑とクリーム色のツートンカラーもかわいい
緑とクリーム色のツートンカラーもかわいい
見た目が細いので、中もどんだけ狭いんだ。と思いきや、人が乗っていないとそれほど狭くは感じない。
人がいないとそんなに狭くは感じない
人がいないとそんなに狭くは感じない
ただ、人が乗ってくると、それなりに狭く感じる。
足をなげだすと、前に座っている人の足にぶつかりそうにはなる
足をなげだすと、前に座っている人の足にぶつかりそうにはなる
しかし、好きになったらあばたもえくぼ。そんな窮屈な車内でさえチャーミングに見えてきてしまう。

能年玲奈のへんなしゃべり方だって「そこがかわいいじゃないか」となるようなもので、軽便鉄道は車内がせまいのがかわいいところじゃないか、と。そういうことです。
車両のすみにトイレが……と思ったら冷房だった
車両のすみにトイレが……と思ったら冷房だった
軽便鉄道はレールの軌間が特殊で、ほかの鉄道路線で使っていた車両のお古を持ってきて使う……みたいなことができないため、車両の更新などもなかなか難しいところがある。

しかし、北勢線は車内にかなりでかい冷房設備をつけるなどして、なかなか健気に頑張っている。トイレかと思ったけれど。
阿下喜駅から西桑名駅まで46分ほどで到着する
阿下喜駅から西桑名駅まで46分ほどで到着する
そもそも近鉄の路線だった北勢線は赤字のため廃止寸前だった。ところが、地元住民の貴重な移動手段でもある鉄道をなくしたら困る、ということで住民や自治体がなんやかんやでふんばったおかげで、三岐鉄道に運営が移管され、ひとまず廃止されずに済んだ。

このエピソードさえかわいく思えてくる。
もう、人気が無くなったからと事務所をクビになったアイドル(野球選手でも可)が、ファンに支えられ、再起を図ろうと奮闘している……とっても胸打つエピソードじゃないですか?

じっさい、阿下喜駅前の和菓子店では「軽便煎餅」を売っていたり、駅でグッズの販売に力を入れていたりと、地元のひとたちは日本でも珍しいナローゲージの鉄道をなんとか盛り上げようとしていた。
軽便煎餅。プリンターでプリントアウトした自家製包装紙が泣かせる!
軽便煎餅。プリンターでプリントアウトした自家製包装紙が泣かせる!
軽便鉄道がかわいいということがもっとちゃんと周知されれば、この電車自体が観光資源になる可能性もあるかもしれないのだ。

そう、ダイヤの原石かもしれないんです、この子たちは!

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