特集 2014年6月30日

ひかえめの梅雨前線 台風北上で一転? ~あと出し天気予報~

2014年上半期の予報を振り返り。〇…当たり、△…どっちとも言えず、×…はずれ。東京都心の翌日の予報。
2014年上半期の予報を振り返り。〇…当たり、△…どっちとも言えず、×…はずれ。東京都心の翌日の予報。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:梅雨が本気を出し始める一週間 ~あと出し天気予報~

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

2014年上半期は、8割7分4厘でした

今年も半分が終わりということで、2014年の自分の予報を振り返ってみた。

元日から6月29日までの180日間の成績(東京都心の翌日の予報)は、

139勝20敗21分け

引き分けを引いた159日間の予報が当たった率は、

87.4%

去年の成績に比べると、少し上向いている!!

あとは、成績が落ちる梅雨時をどう乗り切るかなのだが…。

成績を悪くした一週間でした

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちら</a>でやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
先週の予報は、「明日は、晴れも曇りも雨も」という日がほとんど。
細かな雨雲があちこちに発生して、めまぐるしく天気が変わった。

「天気を全部言うんだったら、予報士じゃなくても予報できる」と陰から聞こえてくる(気がする)声。 負けじと細かく予報しようとすると、あざ笑うように雨雲は出ては消える。

23日(月)は、朝に出ているはずの雨雲が、空に湿気が少なく、雲すらナシ。

26日(木)は、千葉県の雨雲が東京湾を渡って来て降ると見ていたが、渡りきれず消滅した。

29日(日)は、朝の雨を見逃し。北から来る雨雲は、埼玉県で止まると読んでいたが、県境なんてお構いなしに、あっさりと東京都内に入ってきた。

わがままな梅雨時の雨雲に振り回され、結果は4勝3敗。
雨雲よ、そこまで個性豊かじゃなくていいんだけど。
ほんと雨雲が細かくて、動きをつかむのが大変なんですよ。ごめんなさい。
ほんと雨雲が細かくて、動きをつかむのが大変なんですよ。ごめんなさい。

ひょうや雷雨にびっくりの一週間でした

24日(火)に、東京都の三鷹市や調布市で、大量のひょうが降って、場所によっては数十cm積もった所も。
とにかく、急な雨や雷雨がひん発した一週間だった。

原因は、上空に季節はずれの寒気(冬将軍の残りカス)がやってきたせい。
地上との温度差が大きくなって、それを解消するために、上下に空気がかきまざる中で、積乱雲が発達。 ひょうや雷雨が起こった。

こうやって、北から寒気が来ると、南から来る梅雨前線の頭を押さえつける。
おかげで、予想したほど梅雨前線は本気を出せていなかった。

今週も前半は、梅雨前線は主役になれず。
寒気によって、急な雨や雷雨があちこちで起こる、やっかいな天気に。

台風北上で、寒気は退散?今度こそ梅雨らしく?

梅雨前線、来る来るサギになっている、ここ最近。
本州の近くまで北上してくるが、だらしなく、すーっと南へすぐに引っ込んでしまう。
南側の亜熱帯空気の、押しが弱いようだ。

ただ、そんな南側に援軍が。
台風が発生しそうな気配が出てきている。
グアムあたりの太平洋上から、ぐいぐいと亜熱帯の空気を運んできそうだ。

台風は、来週前半にかけて、沖縄の南まで近づく気配。
どこまで北上するかは、まだ分からないが、その北側にある梅雨前線を押し上げて、寒気も北へ追い払いそうだ。

今週は、西日本に水曜(7/2)~木曜、東日本に金曜(7/4)頃、梅雨前線がやってきそうだが、台風が北上してくれば、週末も梅雨前線は南へ下がらず、本州付近で梅雨空に。

台風が、梅雨前線、来る来るサギを晴らしてくれるか。

続報は来週!
左:30日(月)、右:7月6日(日)、雨の予測。30日は寒気が梅雨前線を南へ。6日には台風が梅雨前線を北へ?
左:30日(月)、右:7月6日(日)、雨の予測。
30日は寒気が梅雨前線を南へ。6日には台風が梅雨前線を北へ?
今週の格言
『グアムあたりからの台風は梅雨前線の援軍。活性化させて一段と梅雨らしく。』

詰め天気

前回(6/16)の出題は、「この日の“鹿児島”は、どんな天気だったでしょうか?」でした。
2009年7月12日午前3時。気象庁天気図。
2009年7月12日午前3時。気象庁天気図。
この日の鹿児島は、一日よく晴れて、最高気温は32.7℃。
九州南部は、梅雨明けの発表がありました。

東西に長々とのびるのは梅雨前線です。鹿児島からは200kmほど北に離れています。

雨雲は、梅雨前線の北側には300kmほど大きく広がることはよくありますが、南側は、それほど広がらず、前線から100km以下のことが多いです。

さらに、前線上の低気圧が北東に進んでいますので、これに引っ張られるように、梅雨前線も鹿児島から北東へ離れ、晴れやすくなります。

「東寄りの太平洋高気圧だが徐々にその勢力をひろげ、 鹿児島はその勢力下に入って晴れて蒸し暑い夏の陽気。気温は31度ぐらいか。(やぴさん)」
おみごと!
東から張り出している太平洋高気圧も、ヒントになりますね。

「低気圧に引きずられるように梅雨前線が北上。晴れて蒸し暑くなる。予想気温は32℃。(dayama-sanさん)」
みなさん、すごいです。

「太平洋高気圧の縁から暖湿流があり、天気は、晴時々雨。(ゆうたろうさん)」
うーん、おしい。ちょっと深読みでした。
でも、夏の天気がイメージができていてすばらしい!

「初めてです!お願いします。(らうーるさん)」
ぜひヘビー解答者に!


今週の定石はこちら。
今週の定石
『梅雨前線が離れる時、南側は晴れて暑くなる』
(違うこともあります)


今回、正解した皆さんはこちら。

モンさん、ひろきさん、みゅーさん、上海ジョーさん、やぴさん、dayama-sanさん、のりさん、脊振山さん、かずまさん、そらはこわいさん、ヨッシーさん、naru1559さん、越後屋さん、TemmaRyonoさん、ひよっこさん、まっつんさん。

あともうちょっと!という人も、けっこういらっしゃいました。


さて、今週の問題は、こちらです。

今週の問題

この日の“東京”は、どんな天気・気温だったでしょうか?

(ヒント)

・朝9時の天気図です。
・前線はこの日、あまり動きませんでした。
・最低気温は、27℃くらいでした。
・ネットでの天気図検索はナシでお願いします(笑)

解答はこちらから↓

正解は再来週(7/14)に!

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