フェティッシュの火曜日 2014年7月15日
 

女の二人旅!ワールドカップブラジル大会観戦記

友人が女性二人だけで行ってきた、ワールドカップブラジル大会の観戦レポートです。
友人が女性二人だけで行ってきた、ワールドカップブラジル大会の観戦レポートです。
ドイツ代表チームの優勝で幕を閉じたサッカーワールドカップブラジル大会。日本代表は残念な成績で終わってしまったが、現地で応援するために地球の裏側まで観戦しにいった友人がいる。

安全面の問題からテレビ局の女性アナウンサーが一人も派遣されなかったブラジル大会に、まさかの女性だけの二人旅。どうやら無事に帰ってきたようなので、お土産話をたっぷりと聞かせてもらった。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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なぜ彼女たちはブラジルへ行かねばならぬのか

はるばるブラジルまで行って日本代表の試合を観戦してきたのは、S子さんとI子さん(※アイコではない)の女性二人組。事前にあれだけ治安の悪さが報道された中での渡伯である。

日本代表チームの成績は置いておいて、とりあえず二人が無事に帰ってきたことをお祝いし、その土産話を披露するための会が、S子さん宅で開かれた。
向かって左がS子さん、右がI子さん。
向かって左がS子さん、右がI子さん。
――それにしても、なんでブラジルまでサッカーを観戦しに行ったんですか?

S子:「え!いくでしょう!普通!ブラジル!」

I子:「私もブラジルでやるって決まった時から、絶対に行きたいって思っていた!」

――もうさんざん聞かれたと思いますけど、治安的に不安じゃなかったですか?

S子:「やっぱり一人だと無理かなーっと思って、同じFC東京ファンのI子さんに、ブラジルいくっしょ?いくっしょ?って誘って。今までもよくFC東京のアウェーの試合を見に、一緒に徳島とか仙台とかいっていたから」

――二人といっても、女性だけですよ?

I子:「ドイツ大会(2006年)は一人旅だったし…」

S子:「私も!その時は住んでいた家を引き払って、トランク一つに荷物を詰めていったの。 前回の南アフリカもいきたかったけれど、南アにワイナリーとか農園を持っている人の友達がいて、一緒にいけばそこに泊めてくれるっていう話があったんだけれど、直前になって『よく考えたらサッカーに興味なかった。なにもサッカーのある物価の高い時期にいかなくてもいいんじゃない?』っていう話になっちゃったから、次のブラジルは絶対に行ってやろうって思ってた。ブラジルなんてこんなことがなければ絶対いかないし!」
ブラジル観戦ツアーの報告会。S子さんが撮ってきたビデオを見ながらの飲み会である。
ブラジル観戦ツアーの報告会。S子さんが撮ってきたビデオを見ながらの飲み会である。
――でも、お高いんでしょう?

I子:「旅行代理店で頼むと、2試合観戦ツアーで80万円かな。利益度外視の一番安いところでも60万ちょいとか。それも試合のチケットはナシで(ツアーでは試合のチケットを扱えないそうです)。ツアーだとどうしても安全を確保しなければいけないというところで高くなるので、航空券やホテルを個人で手配しました」

S子:「安全の保障は個人の心の中で。それで40万円くらいになったんだけれど、結局途中で飛行機を逃したりして、もう少し掛かっちゃった」

――試合のチケットはどうしたんですか?

I子:「FIFAのオフィシャルサイトで買いました。ワールドカップのチケットってものすごい倍率なので簡単には買えなくて、現地で余っている人を探して買うとか、ダフ屋から買うとかが普通。でも今回は日本戦が2試合取れたから、応募が少なかったのかな」

S子:「グループリーグはカテゴリー3という席で90ドル。発券するまでどこになるのかわからなくて、どっちの国を応援するという選択肢はないから、相手チームのサポーターとごっちゃになって観戦するの」

I子:「各国の協会枠の席もあるので、日本サッカー協会を通して申し込むと、日本人用の席が取れます」

おお、知らないことだらけ。ちなみにサッカーを観戦するには真横からが見やすいそうで、会場全体が見づらいゴール裏の席は、比較的安い場合が多いそうだ。
S子さんの男前すぎる冷蔵庫の野菜室。この日のために冷やしている訳ではなく、これが日常らしい。
S子さんの男前すぎる冷蔵庫の野菜室。この日のために冷やしている訳ではなく、これが日常らしい。

試合会場となるレシフェまでの長い道のり

今回の観戦ツアーは、移動を含めて10日間。オリンピックは「都市」ごとの開催だが、ワールドカップは「国」ごとでの開催のため、国土面積が日本の約23倍あるブラジルでは、スタジアム間の移動も飛行機が当たり前となる。

チケットを確保した日本戦は、第一試合がレシフェ、第二試合がナタルという街。この二都市は赤道に近い場所のため、季節が冬となる今の時期でも、気温が30度くらいあるらしい。
ざっくりとした地図を描いてみました。
ざっくりとした地図を描いてみました。
日本からレシフェへの直行便はもちろんないので、まずは成田空港から13時間掛けてニューヨークへ行き、4時間トランジット(乗り換え)があって、そこからサンパウロまで9時間。すでに丸一日が経っている。

サンパウロでのトランジットの間に試合のチケットを発券するのだが、各国のサポーターでチケットセンターが大行列になってるという噂があったため、時間内に発券できるかどうかが最大の心配事だったそうだ。
無事に試合のチケットを発券。もしトランジェット中に発券が間に合わなかったらと思うと、他人事ながら胃がキリキリする。
無事に試合のチケットを発券。もしトランジェット中に発券が間に合わなかったらと思うと、他人事ながら胃がキリキリする。
サンパウロからレシフェまでは、国内線で3時間。空港からタクシーでホテルへと向かい、シャワーを浴びたらすぐにスタジアムへ出発という強行スケジュール。試合のキックオフは現地時間の夜10時というデンジャラスタイム。

このレシフェという街は、なかなか奥まった場所だそうで、日本でいえば野津田(FC町田ゼルビアのホーム)と似た印象の場所らしい。ぜんぜんイメージできないけど。

そして予約したホテルがまた寂しい場所にあり、これは二人だと歩けないかなとスタジアムまではタクシーで移動。ちょっと危なそうな場所を通るときは、無理をせずにタクシーが基本のようだ。
ようやくレシフェのスタジアムへと到着。
ようやくレシフェのスタジアムへと到着。
これが翌朝撮影したホテルからの景色。
これが翌朝撮影したホテルからの景色。

運命の日本対コートジボワール戦

ものすごい時間を掛けてやってきた日本代表の初戦だが、結果についてはみなさんご存知の通り、1-2の逆転負けを喫してしまった。
さすがに日本からブラジルまで応援にいく人は少なかったようで、空席がたくさんあったそうです。
さすがに日本からブラジルまで応援にいく人は少なかったようで、空席がたくさんあったそうです。
本田選手が得点をする少し前、これはチャンスが来そうだなとビデオカメラを構えたら、前の席のかわいこちゃんがスミマセンとトイレに立ったので、この子が行き過ぎたら撮ろうと思ったら、その瞬間にガーンと見事なゴールが決まり、撮り損ねてしまったそうだ。

今思えば、日本代表のサポーターにとって、一番幸せだった時間である。
ゴール直後の観客席。
ゴール直後の観客席。
その映像を見て拍手をする熊。
その映像を見て拍手をする熊。
観客はブラジルっぽい人が多く(カテゴリー4というブラジル人用の安いチケットがあるそうです)、他の国を応援に来たヨーロッパの人もチラホラ。

日本代表にはヨーロッパで活躍している選手も多いので、この試合は会場全体が日本びいきだったのだが、両チームで一番の有名選手であるドログバ選手が投入されると、会場内の空気はコートジボアール寄りに一転。

両チームの選手たちは、そんな空気の変化を敏感に感じたのかもしれない。
青いゴミ袋を膨らませて応援する日本代表サポーター。試合後に会場でゴミ拾いをしたという話がニュースになったが、この応援用ゴミ袋を使ったようだ。
青いゴミ袋を膨らませて応援する日本代表サポーター。試合後に会場でゴミ拾いをしたという話がニュースになったが、この応援用ゴミ袋を使ったようだ。
帽子がかわいいコートジボワールのサポーター。
帽子がかわいいコートジボワールのサポーター。
ちなみに私は、この試合を佐渡島沖合に浮かぶ漁船の中で観戦していた。
まさか漁船でワールドカップを見ることになるとは思わなかったぜ。
まさか漁船でワールドカップを見ることになるとは思わなかったぜ。
試合後、雨の振る中を疲れ切った体で30分程歩き回り、駅へと向かうシャトルバスになんとか乗り込んだのだが、1時間爆睡してたどりついたところは、なぜかレシフェの旧市街。
敗戦に雨のダブルパンチ。
敗戦に雨のダブルパンチ。
結局そこからタクシーの大行列に並び、夜中3時過ぎにようやくホテルへと到着。

S子さんは仮眠をとり、I子さんは日本から持ってきてしまった仕事をこなし、次の目的地へと向かうため、朝5時半にホテルをチェックアウト。

さすが勤勉な日本人、なかなか無茶なスケジュールである。これぞなでしこジャパン。ホテルの滞在時間が全部で3時間くらいだ。
S子さんが作ったブラジルのパン、ポンデケージョ。
S子さんが作ったブラジルのパン、ポンデケージョ。

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