電子形平次、登場
リアルマネーにできて、電子マネーにできないこと。
それは「投げ銭」である。
デジタルデータを鷲掴みにして放り投げるのは、物理的に不可能だからだ。
それなら、電子マネーの力で生み出したお金的なものを投げてみるのはどうだろう。
いきなり記事の締め的な写真。誰が呼んだか電子形平次。
21世紀の銭形平次こと、電子形平次とは僕のことだ。
早口で「でんしがたへいじ」と言うと、ちょっと「ぜにがたへいじ」っぽく聞こえる気がするではないか。聞こえてくれないか。ひとまず聞こえておいてほしい。
いくぞ。
とやっ。けっこうよく飛ぶ。
電子マネーをコインにする
電子マネーが便利だ、ということに関して異論はない。
しかし、お金をデータにして持ち歩くって本当に大丈夫なのか。データが破損してしまったらどうしたらいいのだ。やはりお金に手触りは必要ではないか。
ならば、電子マネーを触れるようにしてみよう。(で、投げよう)
「デジタルとリアルを等価に橋渡しする」とかもっともらしい企画意図を付けようとも考えたのだが、結局のところお金は手で触ってなんぼではないか、と。
これ出力すればいいんですか?なんなんですかこれ?
まずは当サイトでも何度かお世話になっている渋谷の『FabCafe』さんに来てみた。
ここでお金を作ってもらい、その支払いを電子マネーで行えば「電子マネーを手触りのあるお金に変換した」ということになるはずだ。
3Dプリンターがじわじわとものを作る様子は見ていて飽きない。
例え3Dプリンターでとは言え、お金を作るという言葉に胸が躍る。
長い人生のうちでも、硬貨を造幣できる機会なんてそうはない。
3時間かけて4000円玉、完成。
FabCafeで3Dプリンターを借りた場合、使用料は3時間で4,000円。
今回はこれ一枚を作るのにまるまる3時間を費やしたので、とうぜん完成した貨幣の価値も4,000円である。
電子形平次用に作ったので、交差する十手をデザインに取り込んでみた。
支払いは電子マネーでお願いします。うふふ。
記事を書きながら写真を見直しても、なんでこんな嬉しそうな顔をしていたのか良く分からない。よほどお金が作れて嬉しかったのだろうか。
ともあれ、これで電子4,000円を支払ってリアル4,000円を手に入れたわけである。
ついでに電子形平次の服も作ろう
さて、FabCafeの近所にTシャツを一枚からプリントしてくれるお店があったので、そこで電子形平次の服も作ってしまおう。
「こんな感じでお金を並べた図柄にしたいんです」と説明中。店員さんがすごい微妙な顔してた。
渋谷の『ARTON』さんは、Tシャツ一枚を2,500円でプリントしてくれる。
ならばTシャツの胸元には2,500円が入っているのが正しい等価交換のはずだ。
図柄に関して、本当は千円札が二枚と500円玉一枚の図柄にしたかったのだが、僕がいつも画像をいじるのに使っているPhotoshopという画像加工ソフトは紙幣の写真を開くことができなかった。(画像ファイルを開こうとすると「紙幣の写真だから駄目だ」という旨のエラーアラートが出る。)
硬貨なら問題無いようなので、500円玉五枚を並べた写真を撮ってTシャツ用データとして加工して出力をお願いした。
Tシャツプリンターは3Dプリンターより早いなー(5分弱)
原寸大500円玉が五枚なので、2,500円Tシャツ。
当然、ここでの支払いも電子マネーだ。
支払いと等価のお金Tシャツを手に入れたのでオッケーである。
ここでも電子マネーをリアルな形に。
これだけの工程を経て、冒頭の電子形平次が完成したわけである。
冷静な今なら言えるが、「でんしがたへいじ」のダジャレを言いたいだけで、恐ろしい無駄遣いをした。
せめて、取材の経費が明確な形で写真に写り込んでいるのは良しとしたい。
今年度の確定申告は、この記事のプリントアウトを税務署に持ち込むことになると思う。
投げ銭の撮影をしていた時、ついでに「電子マネーもカードの形なら投げられる」という写真を撮ってみた。
自分は正義の電子形平次のつもりなのに、カードを投げた時点でどう見ても怪盗の犯行予告。
やはり投げるならリアルなお金のほうがいいようだ。
協力:
FabCafe
東京都渋谷区道玄坂 1-22-7 道玄坂ピア1F
TEL 03-6416-9190
ARTON
東京都渋谷区宇田川町17-1ブラザービル4F