普通のマラソンの話はあまり出てこないマラソンイベントです。私も出演します。
仮装して走る人。各種通信機器を装備して中継しながら走る人。南極や砂漠を何日もかけて走る人。裸足で野山を走る人など。普通の走り方では物足りない、マラソンジャンキー達を一堂に集めマニアックなランニングノウハウを聞くイベントです。
今回はこちらのイベントの出演者の方に声をかけ、インタビューしています。冒頭の写真の通りかなり目立つ方々が集まりました。
肩書はパフォーマンスアーティスト
まずはこちらの方。
駅前がザワつく存在感。
様々な電子機器を身にまとい走る、パフォーマンスアーティストの
ジョセフ・ティムさんです。
電車での移動もこの格好のままです。
ジョセフさんは数台のiPhoneやiPadを装着してマラソン大会を中継しながら走ったり、GPSやLEDライトを装着して走ってアート作品を作るランナー。
ジョセフ・ティム、ランニングアート「
仙台の希望」より。
イギリス出身。2008年に来日。現在はデジタルメディア製作の会社の代表の他、パフォーマンスアーティストとしてスポーツとテクノロジー、ウェアラブル、ソーシャルメディアなど様々な物を融合させた活動を行っています。
ジョセフさんは、はじめ全くマラソンには興味が無かったそうです。友人からマラソンをやらないかと誘われていましたが、家から駅まで走る程度で息が切れるほど運動は苦手でした。
装備について公園の片隅でマリオとウォーリーと共に話を聞く。
ところが、気づくと友人が勝手に2009年の東京マラソン(10km)に申し込んでいました。しかも当選してしまい走るしかありません。
そんな時、ジョセフさんは来日直後に購入したiPhoneのGPS機能に驚愕していました。自分の走った跡が見る事が出来て、他人とシェアも出来る。また、カメラを使って中継する事も出来ました。
今ではこの姿でフルマラソンも走ります。
そこで、ジョセフさんは頭にiPhoneをつけて中継を行いながら走る事を思いつきます。すると大きな反響があり、多くの応援のコメントも貰えたのです。
色々な装備につながる沢山のケーブルやコネクタがあって脱ぐのは結構大変。
この体験からテクノロジーでランニングの体験をシェアするともっと楽しくなる。走れない人の為に走る体験をシェア出来たらもっといいのではとジョセフさんは思ったそうです。
足に取り付けているLEDはこんな風に外せる。その他の装備の詳細は後程。
こうして、パフォーマンスアーティストとして活動を始めたジョセフさんは、色々な装備を追加、改良を行い今も走り続けているのです。
続いてはジョセフさんの装備を色々見せてもらいます。
装備は全部手作り
ジョセフさんの装備はどれも市販のパーツを使って作られた手作りのものばかりです。
まずはヘルメットの上。
基盤の下のMAC BOOKと思われるノートPCは開発中の品?
コネクタや基盤部分は防水されていないので雨の日の走行は難しいようです。
他にもあちこちにセンサーやスイッチ的な物がついていました。
シューズの中には圧力式のセンサーがとりつけられています。これで踏み込む度にLEDの光り方を変えることが可能になるそうです。
シューズにパソコンつなぐのを初めてみた。
ちなみに、LEDの点滅の長さや色のパターンを変えるのにはノートパソコンが必要。ザックの中に装備されていました。
ゲームの筺体とかに使われているスイッチだろうか。
他にも手元のスイッチなどでLEDの点滅を変更出来るらしいのですが、ケーブルがあちこちについていて何がどうなっているのかよく分かりません。
これで中継が出来るのだから凄い時代になったものだ。
ヘルメットには撮影用のiPhoneも取付けられています。この時は簡易装備で1台だけでしたが、場合によっては前方撮影用、自分撮影用など、肩に乗せるフレームを使い数台装着することもあるそうです。
ソーラーバッテリーの他、ヘルメットについている風車は風力発電と言っていましたが普通の風車でした。
そして、これだけ電子機器類を使うので電源も重要です。背中にはソーラーバッテリーがついています。
これだけでも結構重いはず。
この他に18,000mAhの大容量バッテリーを3つ装備しています。フルマラソンを走り切る間ぐらいの電力としては問題ないそうです。
一応クマ避けの為らしい。LED光らせた方が多分こない。その前にこの格好で熊のいるところを走れるのか?
これも熊避けらしい。熊はウサギが嫌いだからと言っていたがそうなのか?
さらに押すと音のなるウサギの人形。今回は無かったですが、シャボン玉を出す装置がついていることもあるのだとか。所々にローテクな物が混じっています。
かぶるだけで何だか笑える。
とりあえず、これらの中からヘルメットだけかぶらせてもらいました。想像以上に頭の上で安定しません。少し揺れると首が持って行かれそうです。
これに加え、足に20mのLEDを巻いて各種装置にバッテリー。何か色々凄いです。LEDを点燈して走ってもらうとこんな感じでした。
では、続いて仮装ランナーの二人に話を聞いてみます。
走ることで楽しんでもらえる
仮装ランナーはこのお二人。
マリオとウォーリー。このままの恰好で走っています。
マリオランナーの大竹さんと、ウォーリーランナーの高瀬さんです。なんでこういった格好で走っているのか聞いてみました。
初対面だったのでまずは名刺交換。ライターをやっていると不思議な名刺交換を時々することがある。
マリオの大竹さんは陸上部出身。走る下地はあったそうです。そして、東京マラソン2010に当選。東京マラソンは沿道の応援の人が絶えず、何か面白い事はできないかと考えました。
ちなみに足元はランナー用のサンダル。裸足ランニングもやっているとのこと。
そこで、とりあえず仮装して走ってみようとなったのです。その結果、老若男女、誰もが分かるキャラクターで衣装が簡単に入手出来たものがマリオだったのです。
Bダッシュジャンプ!
実際走ってみると、観客からジャンプしろとかダッシュしろと言われる。そして実際にやるとお客さんが凄く喜んでくれました。陸上部で走っていて観客に喜ばれるような事は今まで一度もなかったので、とても新鮮な体験だったそうです。
それ以来、仮装でのマラソンにはまったのだとか。走っているだけでも喜ばれる。それはとても楽しいですね。
靴はどうみてもランニングシューズではなく、普通の皮靴でした。足、大丈夫か?
ウォーリーとしてゲストで呼ばれ、聖蹟サンタマラソンで先導を勤めた事もあり。ウォーリーが率いるサンタ集団。カオスだ。
元々街中でウォーリーの格好をして写真を撮り、それを大きな映像で映してリアルウォーリーを探せ遊びなどをしていました。
全員で公園内をランニング。とにかく目立つ。
そして、知人に誘われマラソンの大会でもウォーリーで走るようになります。高瀬さん曰く「ランニングのウェアはカラフルで渋谷の交差点でも目立つ。探すという意味でもランニング系のイベントは面白いと思った。」のだとか。
確かに、3万人走る東京マラソンのスタート地点を都庁の上から見たら超難解なリアルウォーリーを探せが出来そうです。
カメラを次々向けられるし、一緒に写真を撮って欲しいと頼まれる事も。
仮装ランナーの方々は、それをやって自分が楽しむという以上に、それをやって誰かを楽しませたいという気持ちが強いようです。
他にもマニアックなランナーは沢山います
今回3人のランナーの方に話を聞きました。私もデイリーの記事で、
一人で箱根駅伝を走ってみたり、
東京湾を一周したり、
走りながらアイスをつくってみたりと色々走りましたが、調べてみると世の中には凄いのや変わったものまで様々なランナーがいます。
どの人も基本は自分が楽しむというところから始まり、結果として誰かを楽しくさせているというランナーが多いです。マラソンは黙々と一人で過酷に挑むものだけではないという事がよくわかります。
走り方は人それぞれ。たまには違う人の走り方を見てみるのも楽しいですよ。
『マラソン・サミット2014』にはこんな人も出演します。
9月13日のマラソン・サミット2014にはこんな方々も出演します。
砂漠や南極を7日かけて250km走る極地レースに数多く出場され、日本初の7日間250kmトレイルレース「白山ジオトレイル」の実行委員長も務める極地ランナー
赤坂剛史さん。
裸足ランニングの第一人者であり、日本ベアフット・ランニング協会の代表として各地で講演、指導を行う
吉野剛さん。
他では聞けないマニアックなランニング体験やランニングノウハウが聞けます。ランナーはもちろん、これから走ってみようと思う方も。マラソンのその先に有る楽しさが感じられるイベントです。是非お台場で!