はっけんの水曜日 2014年9月10日
 

路線バスに乗ってイオンに行く(ベトナムの)

日本そっくり
日本そっくり
今年のはじめ、ベトナムのホー・チミン市にイオンができた。

このたび、ベトナムに行く機会を得たので、路線バスに乗ってイオンに行ってみた。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

バスで1時間

ベトナムのイオンは、ホーチミン市の中心地からバスに乗って約1時間かかるらしい。

タクシーを使っても2〜3千円(40万〜60万ドン)で行ける距離なのだが、ホーチミン市の路線バスを使うと30円程度(6000ドン)で行ける。

外国の知らない町でバスに乗るのはかなり勇気がいる難事業だが、ぼくは海外で地元の路線バスに乗っちゃうの大好きなので、タクシーで行くという選択肢はない。

ホーチミン市には地下鉄が無いので、自ずとその行き方はバスに限られる。

Googleマップのバス停情報によると、イオンモールに一番近いバス停留所に停まるバスは69番のバスらしい。

ホテル近くのバス停の路線図を確認してみる。
わかる気がしない
わかる気がしない
色分けしてくれてるのはうれしいのだが、この路線図、印刷のドットがめちゃめちゃ粗くて細かい文字が潰れており、さっぱり読めない。

仕方ないのでしばらくバス停で待っていると、はたしてバスはやってきた。
「バス路線に番号をふる」ことを最初に考えたひとすごい
「バス路線に番号をふる」ことを最初に考えたひとすごい
しかし、乗り込もうとしたところ、運転手に「ここは降車専用だから、乗り場は公園の向こう!」とベトナム語で怒られた。

言葉は全く分からなくても、状況と身振り手振りでいいたいことはずいぶん通じるなと妙に感心してしまう。

指示されたバス停に向かうと、確かにバスに乗るために待っている人がいる。先ほどのバス停は降りる人ばかりで乗る人がいなかったのだ。
何かと世話をやいてくれるおっちゃん
何かと世話をやいてくれるおっちゃん
バス停で停車するバス路線番号を確認しようとすると、おっちゃんが寄ってきて「どこ行きのバスにのるの?」ベトナム語で聞いてくる(たぶん)。

ぼくは「シクスティーナイン」といいながら降車予定のバス停の地図をiPhoneで見せると、おっちゃんはにこやかに「来たら呼んでやるから、ここでまっとれ」という(たぶん)。

このおっちゃん、たぶん、バス停に待機して乗客の整理をするバス会社のひとなんだと思う。

このおっちゃんに聞けば何番のバスに乗ればいいのかわかる。だからバス停の路線図がけっこういい加減でもなんとかなるのだ。
乗ったのはいいものの……
乗ったのはいいものの……

他の乗客がお金の払い方を教えてくれる

ガイドブックによると、ホーチミン市の路線バスには車掌が乗っており、乗るときに行き先を告げて6000ドンを支払えば降りるときに教えてくれるのだという。

しかし、ぼくが乗り込んだバスには車掌らしき人がいなかった。

「あとで徴収に来るのかな?」と、開いている席に腰掛けると、他の乗客が身振り手振りで「運転手に料金払いな!」と教えてくれた。どうやら、車掌が乗ってないタイプの路線バスらしい。
バスのチケット。たまに車掌が乗り込んできて検札することがあるので、捨ててはいけない
バスのチケット。たまに車掌が乗り込んできて検札することがあるので、捨ててはいけない
運転手はバスを運転しながら運賃を計算し、慣れた手つきでお釣りを出してくれた。

席に戻って座ると、降り方がわからないことに気づいた。

もちろんベトナム語は全くできないので、運転手に目的地のバス停を告げることは不可能に近い。

日本だとアナウンスを聞いて降車ボタンを押すのが普通だが、このバスには降車ボタンらしきものがドア付近にしかついていない。

しかし、しばらく乗客の様子を観察していると、目的のバス停に近づいてきたら降車ドアの前に立てばバスは止まってくれるらしいことがわかった。

地図で現在地を確認しながら、イオンモールに近づいてきたら、すかさず降車ドアの前に立つ。

バスが停まった!
降りれた!
降りれた!
異国でバスに乗るのは現地の人の作法ややり方を観察して、推理しながら乗ることになるのでかなりおもしろい。すぐ慣れるけど。

イオンだけ別世界

イオンのあるホーチミン市のタンフー区は、地図で見ると空港の滑走路の先っぽにある。

そのためか、あまり高い建物がない。ときおり頭の上を旅客機が飛んでいる。
道路の先にイオンがみえる!
道路の先にイオンがみえる!
イオンだー
イオンだー
ゴミと瓦礫が散乱する道をしばらく歩くと、あの見慣れた「AEON」文字。 北関東あたりのイオンモール? と思わくもないけれど、よく見ると尋常じゃないバイクの数でおかしいぞこれ。と気づく。
バイクの存在感がでかい
バイクの存在感がでかい
仕切りが雑なところも
仕切りが雑なところも
駐車場辺りまでは、うっかり東南アジアが露出してしまっているような場所もいくつかあったものの、店内に入ると完全にイオンになった。目隠しされて連れて来られて「ここは千葉ニュータウン中央だ」と言われれば信じてしまうと思う。
店内は……普通!
店内は……普通!
飾り付けが若干やぼったい
飾り付けが若干やぼったい
店内は、多少「日本」を意識した飾り付けをしているところが見受けられるものの、日本にあるイオンモールそのままの雰囲気だ。

さっきまでいた異国情緒ただようというか、異国そのものなんだけど、その異国の町から、いっきに日本に戻ったような。いや、ここでは日本が異国なのか。という、入れ子構造の違和感が面白い。

日本の器に入ったベトナム

しかし、見た目がいくら日本でも、中身はやはりベトナム。こまかい部分を見ていくと、ここは日本じゃないんだな。ということがよくわかる。

例えば、ベトナムのイオンは、売り場に入ると、カバンを預けるクロークがある。
荷物を預けないと中に入れない
荷物を預けないと中に入れない
これは、イオンだけではなく、後ほど行った国立デパートでもカバンを預けるロッカーがあったので、ベトナムでは一般的なシステムのようだ。

万引き防止のシステムなのだろうけれど、もっと面白かったのは、キットカット抹茶味の売り方だ。
有り難いものに見えてきた
有り難いものに見えてきた
一個づつアクリルケースに入っている。キャッツアイなら予告状送りつけてから盗むやつである。

このキットカット、値段も139000ドンとお高い。日本円だと700円ぐらい。日本のスーパーだと298円ぐらいで売ってるものだ。

キットカット抹茶味はこれぐらい貴重らしいので、これからベトナム旅行する人は、ベトナムの人へのお土産に買って行くといいかもしれない。

日本より高い日本製品

キットカットに限らず、日本製品は日本で買うよりもお値段お高めなものが多い。
お茶漬け海苔、89900ドン(日本円で450円ぐらい)日本のほうが安い
お茶漬け海苔、89900ドン(日本円で450円ぐらい)日本のほうが安い
出前一丁、最近日本ではあまり見かけない
出前一丁、最近日本ではあまり見かけない
「出前一丁」最近、日本ではコンビニでもスーパーでもあまり見かけないのだが、海外では大人気なのだ。

値段は37900ドン(190円ぐらい)。2400ドン(12円ぐらい)ほどで売ってる袋ラーメンもあることを考えるとやっぱり高い。
ひとつ数十円の袋ラーメンの数々
ひとつ数十円の袋ラーメンの数々
ただ、寿司売り場で売っていた寿司セットは99000ドン(500円ぐらい)心なしかお得感はあった。
うっかり買いそびれた
うっかり買いそびれた
おそらく、日本だと800〜1000円ぐらいのボリュームはあるが、必ず入ってそうなイクラやマグロが入っていない。その代わり、サーモンは大人気のようだ。
サーモン……ですよね?
サーモン……ですよね?
旅先での生モノに警戒していたため、残念ながら買って食べることはしなかったのだが、ついぞこれほどの刺身や寿司はここでしかみることはなかった。

はしばしににじみでる東南アジア

基本的に日本のスーパーのような小奇麗さは変わらないけれど、物の売り方などににじみ出る東南アジアっぽさは隠し切れていない。
貝量り売り
貝量り売り
ホームセンターの砂利売り場ではなく、貝売り場である。各々必要な貝を必要な分だけすくって買うのだ。

こういう潮干狩りのエッセンスだけを抽出したような貝の売り方は日本ではあまり見かけない。
生け簀の横に食べかけのスープが置いてあるところなんかはしびれる
生け簀の横に食べかけのスープが置いてあるところなんかはしびれる
これでもかという量の味の素
これでもかという量の味の素
味の素そのものをこれだけの量、臆面もなく売ってるのも日本ではあまり見かけない。

ベトナム人のガイドさんによると、フォーを味の素で味付けしている食堂が結構ある。という話を聞いたことがあるが、さもありなんという思いだ。

でかいカルディにいるみたいだ

買い物袋の口を縛られる

お土産代わりにベトナムのインスタントラーメンや蚊取り線香など、いくつか購入し、お会計が終わると、レジ係のひとが手早く袋づめを始め、有無をいわさずレジ袋の口を縛られた。

見た目は日本とほとんど変わらないベトナムのイオン。しかし、つぶさに観察すると売っているものだけではなく、防犯に対する考え方や、モノの売り方など、様々なところでベトナムのやり方を見つけることができた。

今回、あまりじっくり回って見る時間がなかったが、ベトナムのイオン見物は単純にひとんちの中をみせてもらうような楽しさがあった。

そう、出張先で入るスーパーがちょっと楽しいのは、ひとんちの中を見せてもらうような、ひとんちの冷蔵庫を覗くような。そんな楽しさがあるのだ。

それがわかっただけでも行ってよかった。
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