ひらめきの月曜日 2014年9月22日
 

サイゼリヤ以外のミラノ風ドリアを食べたい

いつものあいつと違うミラノ風ドリア
いつものあいつと違うミラノ風ドリア
「ミラノ風ドリア」という言葉がある。
それは言葉って言うよりサイゼリヤのメニューだろ、という指摘はその通りだ。しかし、単なる料理としてだけではなく、サイゼリヤの代名詞的な概念として存在しているようにも思えないだろうか。

すでに現象として一人歩きし始めているミラノ風ドリア。ふと思ったが、これってサイゼリヤ以外にもあるのだろうか。あるなら実際に食べてみよう。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」
> 個人サイト テーマパーク4096 小さく息切れ

まずはいつものあいつに会いに行こう

覚えているだろうか、初めてミラノ風ドリアを299円で食べたあの日のことを。

グツグツいってるドリアが300円しない衝撃。ホワイトとミートのソースのコントラストと、それらが融合した豊かな味わい…。
サイゼリヤって「サイゼリ屋」ってことなのかな
サイゼリヤって「サイゼリ屋」ってことなのかな
いい意味で殴られたような衝撃を覚えたあの日。サイゼリヤが街にあふれるようになってスペシャルな存在ではなくなっても、あの日の輝きは今も胸に残っている。

ミラノ風ドリアと向き合うこの企画を始めるに当たって、まずはもう一度実態を確かめておこう。
会いに行けるルネッサンス
会いに行けるルネッサンス
サイゼリヤのサイトの人気メニューコーナーを見てみると、やはりミラノ風ドリアには「人気NO.1」と冠されている。文字通りの看板メニューだ。

サイト内の説明文には「お客様の3人に1人が注文する人気No.1メニュー!」ともある。確かに多々あるメニューからすると注文率は高いのだろうが、個人的には「他の2人は何やってんだ!」とも思わされる。
小さくある英語表記は「Doria with Meat Sauce」
小さくある英語表記は「Doria with Meat Sauce」
改めてメニューを見ると、40年も前から存在していることがわかるミラノ風ドリア。私とほぼ同い年だから、結構なおっさんだ。

紹介文には「“コクがあるのにキレがいい”」と、ビールみたいなことまで書いてある。慣れ親しんだあいつと思っていたが、よく見ると新しい発見があるものだ。
やあ、また会えたね
やあ、また会えたね
そしてやってきたミラノ風ドリア。いつもと変わらず、焦げ目やソースの色合いからして元気そうだ。

ところで気になるのは、ドリアであることはともかく「ミラノ風」の部分。これって一体、どういう意味なのだろうか。

ネットで検索して行き当たったのは「ミラノは商業や金融で栄えた街だから、ミラノ風と冠された料理には金をイメージさせる黄色が使われている」という説。
ここがミラノ風らしい
ここがミラノ風らしい
なるほど、黄色という色なのか。確かにミラノ風ドリアはご飯が黄色い。

気に留めず食べてきたイエローライスだが、ここにミラノ風たる所以があるらしい。もし白いご飯だったら…と想像して比べても、黄色い方がおいしそうにも見えると思う。ミラノにふさわしい豪華さがここにある。

正装したミラノ風ドリア

すでに独立した概念として存在しているようにも思える、サイゼリヤのミラノ風ドリア。

サイゼリヤと言えばミラノ風ドリア、ミラノ風ドリアと言えばサイゼリヤ。そんな風に思い込んでいたが、冷静になればそれはひとつの料理のメニュー。

ならば他の店にもあるんだろうか。いつものあいつ以外のあいつにも会ってみたい。
「シェフ自慢のお肉料理」としてのミラノ風ドリア
「シェフ自慢のお肉料理」としてのミラノ風ドリア
そう思ってレストラン系サイトで調べてみたが、サイゼリヤ以外でミラノ風ドリアを出す店は本当に少ない。

実情としてもミラノ風ドリアはサイゼリヤの代名詞のようだ。それでもなんとか見つけてやってきたのは、横浜市の横浜テクノタワーホテル内にある「リューバンカフェ」というレストラン。

レギュラーメニューではないのだが、週替わりのランチメニューとしてミラノ風ドリアがときどき出るようだ。「お肉料理」としてのカテゴライズが新しい。
いつものやつより気品と迫力が3倍増しぐらい
いつものやつより気品と迫力が3倍増しぐらい
やってきたのはさすがに豪華なミラノ風ドリア。サイゼリヤのものより2まわり以上大きいキャセロールに入っている。特別なアレンジがされているわけではなく、正統進化しているように見える。
ミラノ風、よし!
ミラノ風、よし!
ミラノの風を感じて
ミラノの風を感じて
ミラノ風の所以であるらしい黄色も、ご飯にしっかり色づいている。ひとくち食べて驚いたのは、サイゼリヤのものとははっきり違う香り。

これは、サフランだ。高価な香辛料だが、たっぷり使っているようで、風味が力強く伝わってくる。

ご飯を黄色くするときには安価なターメリックが使われることもよくあると思うが、さすがのホテル性だ。
ずいぶん背伸びしているように見える価格
ずいぶん背伸びしているように見える価格
価格は税込みで1520円。サイゼリヤは税込み299円だから、約5倍。濃厚なクリームにミートソースもコクがあり力強いおいしさだが、5倍となると身構える。
オプション充実のミラノ風ドリア
オプション充実のミラノ風ドリア
カレーにも浮気できます
カレーにも浮気できます
しかし、このミラノ風ドリアの価格には、サラダやカレーの食べ放題ブッフェもついてくる。腹いっぱい保証つきなのだ。

野菜は新鮮だし、カレーには肉がゴロゴロ入っているしで、店内のホテル的な雰囲気と合わせて1500円というのも高くないように感じた。

ミラノ風ドリア in 自分ち

サイゼリヤ以外のレストランではなかなか見かけないミラノ風ドリアだが、目先を変えると身近なところで出会うことができる。スーパーやコンビニの冷凍食品コーナーだ。

今回見つけた3品はどれも200円ほどで値段も手頃。あくまで個人的な感覚だが、サイゼリヤ版に似ている順に紹介してみよう。
埼玉発のミラノ風ドリア
埼玉発のミラノ風ドリア
ミラノ風、確認!
ミラノ風、確認!
まずは埼玉基盤のスーパー、ヤオコーの「こんがりミラノ風ドリア」。サイゼリヤ基準がなければ十分おいしそうだが、グラタン寄りに見えるビジュアルが減点対象となった。

味はサイゼリヤ版と比べてあっさりタイプで、やさしい味付けがおいしい。サイゼリヤのことは忘れて食べた方が気持ちがぶれなくてよいと思う。
ローソン版はミートソース押し
ローソン版はミートソース押し
ミラノ風チェックをクリア
ミラノ風チェックをクリア
続いてはローソンの「とろ〜りチーズのミラノ風ドリア」。一番濃厚で、個人的には一番好きだった味。ビジュアル的にもミートソースが強調されていて、サイゼリヤ版に非常に近く見える。

実は3つの冷食版のうち、始めはこれが一番サイゼリヤ版に近いと思っていた。数人に見せて比べてもらっても、「これが一番サイゼリヤっぽい」とのことだった。

ここで改めてサイゼリヤ版を見てみよう。
ザ・ミラノ風ドリア
ザ・ミラノ風ドリア
ローソン版と表面のテクスチャーが違うのがわかる。

落ち着いて見たとき、スーパー系の冷食版で最もサイゼリヤ版に近いのは続いてのライフ版だろう。
ちょっと意外な気もするけどこれが最も近い
ちょっと意外な気もするけどこれが最も近い
ローソンのはおいしそうに見えるが、サイゼリヤへの忠実性からすると落ちる。うまそうに見えるのは確かなので、サイゼリヤ版の記憶を無意識で美化していたようにも思える。
そうか、こんな感じだったか
そうか、こんな感じだったか
もちろんミラノ風、OK
もちろんミラノ風、OK
見た目をよく観察すると、サイゼリヤにかなり寄せてきていることがわかる。味の濃さはヤオコー版とローソン版の中間で、ここもサイゼリヤっぽいかもしれない。

ところで、サイゼリヤが考える「ミラノ風」とは?

さまざまなミラノ風ドリアを確かめてきた。どれも「ご飯が黄色い」というミラノ要素はしっかり押さえてある。

ここまで検証したあと、ふと思ったことがある。当のサイゼリヤは「ミラノ風」についてどう考えているのだろう。念のため、問い合わせ窓口に電話して聞いてみることにした。
改めて40年の歴史連なる命名の意図を聞いてみよう
改めて40年の歴史連なる命名の意図を聞いてみよう
───ちょっとおたずねしたいのですが、「ミラノ風ドリア」の「ミラノ風」とは、どんな特徴のことを言っているんですか?

「確認して参りますので少々おまちください」と言われてしばし、教えてもらった答えは以下のものだった。

「特にこれが、ということではなく、イメージでミラノ風とつけさせていただいております。」

…えっ!そうなの!?

一瞬言葉に詰まった私が、「それは、イタリアンレストランということでイタリアの都市をつけた、ということですかね…?」と聞くと、「さようでございます」。

ざっくりとしたイメージとしての「ミラノ風」。うん、かっこいいよね、ミラノ。憧れるよね、ミラノ。それくらいの感じで捉えておけばよいのかもしれない。

心をイタリアから日本に引き戻す箸袋
心をイタリアから日本に引き戻す箸袋
単なるメニューを超え、独自の現象として存在感がある「ミラノ風ドリア」。

そこにミラノがなくても、仮にドリアですらなくたって、確かに「サイゼリヤのミラノ風ドリア」は、ある。そこまで言ってしまってもいい。

サイゼリヤ自身がミラノ風に特定の意味がないと考えていることが判明し、超然とした存在性はさらに際立ったと思う。
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