ロマンの木曜日 2014年10月9日
 

全国の鈴木さんが集まる鈴木会

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鈴木さんという名字は多い。全国の名字ランキングで2位につけている。僕は「住」というマイナーな名字なので、メジャーな「佐藤」「鈴木」が羨ましい。三文判は必ず売ってるだろうし、電話口で名前を告げる時に「え? つつみ、ですか?」と聞き返されることもないだろう。

日本で2番目に多い「鈴木」さんが、全国から集まる「鈴木会」という会合が開かれることを知った。鈴木さんが集まって何をやるのだろう? 興味深かったのでその会に参加させていただくことにした。僕は鈴木じゃないけど。
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。
> 個人サイト すみましん

麹町に全国の鈴木さんが集結

普段、僕の仕事の経理関係を面倒みてくれている鈴木さんが、姉の鈴木さんと参加する予定だった「鈴木会」。姉の鈴木さんが用事で参加できなくなり、経理の鈴木さんからお声がかかった。
経理の鈴木さん
経理の鈴木さん
「鈴木会」という会の全貌が全く分からないまま(経理の鈴木さんも初参加で分かっていない)、会場のホテルに向かった。ホテルは麹町にあり、エントランスに「鈴木会」の文字があった。
関東藤白鈴木会
関東藤白鈴木会
「鈴木会」の正式名称が「関東藤白鈴木会」であることを、ホテルの入り口で知った。「関東藤白」とはどういう意味なのか。それもこれから開催される鈴木会に出席することで明らかになるのだろう。
ホテルの入り口で経理の鈴木さんと合流して鈴木会の会場へ。受付周辺にはすでに数名の参加者たちがいる。ここにいる人たちはみんな鈴木さんなのだ。
受付する人たち全部鈴木さん
受付する人たち全部鈴木さん
名札も全部鈴木さん
名札も全部鈴木さん
経理の鈴木さんが受付の方に事情を説明して、僕は経理の鈴木さんのお姉さんの名札を首からかけることになった。
今日は鈴木勇子として
今日は鈴木勇子として
鈴木でもなく、女性でもない僕が「鈴木勇子」という名札を下げている。間違い探しだったら答えは僕だ。

宴会場の中に入ると、金屏風の上に大きく「第1回 関東藤白鈴木会」の文字がある。座席は8割方埋まっていて、年輩の人たちが多いように見える。そして、(くどいようだが)ここにいる人たち全員が鈴木さんだ。アウトレイジ風に言うと、「全員鈴木」である。
全員鈴木(アウトレイジ風に)
全員鈴木(アウトレイジ風に)
自分は鈴木ではない、という負い目から僕は一番後ろの席に着き、会が始まるのを待った。

鈴木グルーブ

13時半になり、「鈴木会」はオンタイムで始まった。
司会の鈴木さん
司会の鈴木さん
司会の鈴木さんがマイクを取り、軽い自己紹介を済ませてから、

「それでは、私が鈴木さーんと呼びますので、元気に答えてください」

と参加者に明るい声で言った。

「いきますよ、鈴木さーん!」
「ハーイ!」

司会者の呼びかけに対して、参加者全員が手を挙げた。冒頭からグルーブ感あふれる鈴木会。まさに鈴木グルーブ!

続いて発起人代表からの挨拶があった。発起人代表ももちろん鈴木さんであるが、司会の鈴木さんから「ややこしいので、ここからは下の名前で紹介します」と説明があり、発起人代表のヒサモトさんが紹介される。
発起人代表の鈴木さん
発起人代表の鈴木さん
発起人代表の鈴木さんから、今回の鈴木会が発足されるまでの経緯の説明があった。昨年5月に和歌山で開催された「第7回鈴木サミット」の席で、関東にも鈴木会を作ろうという話が持ち上がり、この日に至ったという。鈴木サミット! それも参加したかった。

そして、この鈴木会には、

「鈴木姓に誇りを持つものが集い、祖先の歴史を研鑽し、会員相互の親睦を図り後世に伝える」

という目的があることも発起人代表の鈴木さんから伝えられた。

引き続き、議長の選出について鈴木(トシオ)さんから説明がある。
議長選出
議長選出
関東藤白鈴木会として第1回目の会合ということで、事前に選出されていた会長以下、幹部のみなさんが紹介された。
幹部のみなさま
幹部のみなさま
会長、副会長、事務局長、会計、もちろんすべて鈴木さんである。

「異議がなければ、拍手をお願いします」

という鈴木さんの呼びかけに、会場の鈴木さん全員が拍手で答えた。
異議なし! と拍手で答える鈴木さんたち
異議なし! と拍手で答える鈴木さんたち

鈴木さんのルーツ

鈴木会の目的として、「祖先の歴史を研鑽」とあるように、この会の中でも「鈴木姓のルーツ」についてのお話があった。

全国藤白鈴木会会長の鈴木(イサオ)さんが鈴木姓のルーツを語る。
全国藤白鈴木会会長からルーツについて
全国藤白鈴木会会長からルーツについて
全国に鈴木姓は約200万いるらしく、そのルーツは紀州熊野にある藤白神社境内の鈴木屋敷にあるという。今は無人の屋敷だが、昭和17年までは鈴木重吉さんという人が住んでいて、その鈴木さんは紀州藤白鈴木家の末裔にあたる。

日本で2番目に多い「鈴木さん」が、その屋敷から始まって全国に広がったのだ。諸説あるのだろうが、この鈴木会ではルーツについてそう説明していた。

僕が鈴木だったら、「鈴木屋敷」を訪れたいと思うだろうし、鈴木会に参加した今、鈴木でなくても行きたいと思ってる自分に気づく。

配布されていた「鈴木屋敷ものがたり」という冊子の中に、「鈴木さん」ができるまで、という図解があった。
鈴木屋敷ものがたり
鈴木屋敷ものがたり
「鈴木さん」ができるまで
「鈴木さん」ができるまで
鈴木ではない僕が、どんどん鈴木さんに詳しくなっていく。

鈴木さんたちの懇談会

議長選出、ルーツについてなど堅い雰囲気のまま、鈴木会の第1部は終わった。ここから休憩をはさみ、鈴木会は懇談会へと流れていく。

鈴木さんから乾杯のご発声があった。
鈴木さんから乾杯のご発声
鈴木さんから乾杯のご発声
会場にはアルコール類各種と豪華な料理が並ぶ。
豪華な料理
豪華な料理
おいしそうなお肉
おいしそうなお肉
料理の中にお刺身の盛り合わせがあった。この中にスズキはあるのだろうか?
刺し盛りの中にスズキはあるか?
刺し盛りの中にスズキはあるか?
白身魚の違いが良く分からないので、スズキの存在を確認できない。

近くにいた鈴木さんに、「この中にスズキはありますかね?」と聞きたかったが、グッとおさえた。鈴木でもない僕に、鈴木にまつわるダジャレを語る権利などないのだ。

会場内では、鈴木さんたちが各々に懇親を深めている。初対面の鈴木さんとは名刺交換をして、知り合いの鈴木さんにはお酒を注いで。先ほどまでの堅い雰囲気から一変、鈴木会の会場は鈴木さんたちの笑い声で溢れた。
名刺交換をする鈴木さんや
名刺交換をする鈴木さんや
話に花を咲かせる鈴木さんや
話に花を咲かせる鈴木さんや
お酒を注ぎ合う鈴木さん
お酒を注ぎ合う鈴木さん
「私の団地なんて、4人もいますよ」

と、大きな声で笑う鈴木さんがいて、こういう会話も鈴木会ならではだな、と微笑ましく聞いた。


こうして、第1回関東藤白鈴木会は穏やかな雰囲気のまま、幕を閉じた。

最後に全員で記念写真を撮ったのだが、鈴木でもない僕に、「是非、入ってください」と鈴木さんが声をかけてくれた。
記念写真
記念写真
「鈴木じゃない人にも、是非、鈴木会を楽しんでもらいたいんですよ」

と語ってくれた鈴木さんに、鈴木姓の懐の深さを感じた。

試しに自分の名字について調べてみたら、全国に「住」という名字は281人しかいないことが分かった。200万人の鈴木さんから比べたら、誤差のような数字だ。これから先、「鈴木さーん、ハーイ!」のようなグルーブ感を味わうことはないだろう。少し寂しい。

次に鈴木会が開催されることがあったら、是非、僕にポスターを作らせていただきたい。案としては次のようなビジュアルを考えている。
全員鈴木
全員鈴木
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