ちしきの金曜日 2014年11月28日
 

たまにあるフニャフニャフワフワした道の謎を追う

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「JR横浜駅の西、すぐにある南幸橋の歩道。あのフニャフニャ感。何故に橋の部分だけ?キニナル。しかもこの橋だけみたいですが…」という疑問がヒザたっくんさんからはまれぽ.comに届いた。

調べてみたところ、「歩きやすさ」を追求した結果、クッション性の良いゴムチップウレタン舗装が採用され、南幸橋以外にもさまざまな橋や遊歩道などに採用されている、らしい。

はまれぽ.com 細野 誠治
はまれぽ.comは横浜のキニナル情報が見つかるwebマガジンです。毎日更新の新着記事ではユーザーさんから投稿されたキニナル疑問を解決。はまれぽが体を張って徹底調査します。

フワッフワする! この橋、フワッフワする!

キニナル(はまれぽ.comでは読者からの疑問を「キニナル」と呼んでいます)を読んで、すぐにピントきました!

横浜駅西口、ビブレの前の橋ですよね。赤いラバーを敷いたような路面。初めて歩いたときには「地震か!?」とビビったりしたわけですが、細野的には大好きです、あの感触。(陸上部出身者としてはトラックに敷かれたラバーに近いような・・・)

自分もキニナっていました! どうしてあの場所だけフワッフワなんでしょう? 素直に知りたい、そんなキニナル。ワクワクしてきました!
横浜駅相鉄口、ジョイナスを背にして真っすぐ
横浜駅相鉄口、ジョイナスを背にして真っすぐ
こちらが問題のフニャフニャのフワッフワ橋
こちらが問題のフニャフニャのフワッフワ橋
正しくは「みなみさいわいはし」漢字では「南幸橋」
正しくは「みなみさいわいはし」漢字では「南幸橋」
押して弾力を確認
押して弾力を確認
指の腹で押すと、かなり固めな印象。それでも弾力は感じられる。観察すると、赤い、細かくカットされたラバー(現時点ではこう呼ぶ)を貼り付けたと言うか、敷いたものだと分かる。ラバーの厚みは3mmくらい(南幸橋の設立は1954<昭和29>年だという)。

ここでこの橋、南幸橋の全景を写真に収めようとお隣の五番街からムービルへと続く幸橋(さいわいはし)に脚を向けると・・・。
欄干(らんかん)のモチーフはカモメとヨット。奥が幸橋
欄干(らんかん)のモチーフはカモメとヨット。奥が幸橋
橋の下では鯉が泳ぐ。ハマの人面魚さんも確認
橋の下では鯉が泳ぐ。ハマの人面魚さんも確認
で、こちらもラバーが。色はキレイな青
で、こちらもラバーが。色はキレイな青
そういえばコチラも同じでしたね。失念してました。投稿では「この橋だけ」とありましたが、現時点では南幸橋と幸橋の少なくとも2つの橋にラバーが敷かれていると。
幸橋から望む南幸橋。常に往来が激しい
幸橋から望む南幸橋。常に往来が激しい
どうしてなんでしょう? 橋を管轄する横浜市道路局に聞いてみよう。

舗装のひみつ、いろいろ

こちら横浜関内ビルの7階に管轄する橋梁課が入る
こちら横浜関内ビルの7階に管轄する橋梁課が入る
お忙しいなかお話を伺うことができた。
お答えいただいた3氏。
はまれぽ取材歴10回! 高島テクノロジーセンター顧問、松本誠氏
はまれぽ取材歴10回! 高島テクノロジーセンター顧問、松本誠氏
橋梁課長の菊地健次氏(左)と居山拓矢(いやま・たくや)氏
橋梁課長の菊地健次氏(左)と居山拓矢(いやま・たくや)氏
橋梁課からお2人、そして橋梁課OBの松本氏にお時間をいただいた。
さっそく質問。どうしてあの橋、南幸橋は“歩くとフニャフニャ”するんでしょう?

「それは歩きやすさを追求した舗装、“ゴムチップウレタン舗装”を施してあるためです」と松本氏。
これがゴムチップウレタンの見本品
これがゴムチップウレタンの見本品
カラーバリエーションも豊富
カラーバリエーションも豊富
このゴムチップウレタン舗装、「快適な歩行感」「カラー化が容易」であること、「滑りにくい」そして「水はけが良い」などといったメリットがあるそうだ。それにアスファルトに比べ、熱反射(照り返し)が少ないとも。

主に遊歩道やジョギングコース、テニスコートや陸上競技施設などに使用されている。
パンフレットを見せてもらった
パンフレットを見せてもらった
良いこと尽くめじゃないですか。
「ただ問題点はポイ捨てされたタバコや、ガムに弱いんです」
ゴムが熱に弱いのは当たり前、そしてガムなど粘着物は隙間に入ってしまう。
ポイ捨ては絶対に止めましょう!
厚さは10mm。南幸橋の舗装はかなりヘタってる?
厚さは10mm。南幸橋の舗装はかなりヘタってる?
――もっと、このゴムチップウレタン舗装が広がればいいですね。
これから高齢化社会になるし、脚の負担を軽減できる舗装が普及してほしい。
・・・すると「コストが若干、上がってしまうんです」と菊池氏。

――どれくらいでしょう?
「“ゴムチップ”が1平方メートルあたり1万円、普通のアスファルトが1平方メートル2000円前後ですので約5倍の差があります」
(南幸橋に敷かれた“ゴムチップウレタン舗装”では諸経費などを含め、約1000万円の費用が費やされているそうだ)

――5倍! かなり高いんですね・・・。それにゴムだと、アスファルトに比べて劣化が早いような・・・。
「いえ。アスファルトもゴムチップウレタンも、耐久年数は約10年ですから変わらないんです」

――耐久年数が同じとは! 見た目以上にタフなんだ・・・。
お三方とも熱心にお答えして下さった
お三方とも熱心にお答えして下さった
「南幸橋にゴムチップ舗装を施したのが2007(平成19)年ですので7年が経過していますね」
(この年に橋の拡幅を行い、歩道部分ができた。その舗装にゴムチップウレタン舗装が採用されたのだった)

――結構、劣化しているような・・・。
「人の往来が激しい場所ですから、平均年数を割ってるんですね」と松本氏。
「つまづくと危険ですので、まずはその部分だけでも補修したいと考えています」と菊池氏。

そうなんだ! 
施工も簡単だという。ゲル状になったゴムチップを流し、上からコート剤を塗ることで舗装が完成するそうで、工期もアスファルトに比べ格段に早いそうだ。

歩行者に優しい舗装。唯一の問題はコスト高。利用状況や予算に鑑み、現状では歩道を中心に施工を行っている。
南幸橋、早く補修されるといいですね
南幸橋、早く補修されるといいですね
新しく張り替えられたら今より一層、フワッフワになりそうな予感!

ちなみに“フニャフニャ感”があるのは、橋というものが「揺れるように」設計されているためだそうだ。南幸橋は、周りや歩行者が踏みしめる振動で揺れるため一層“フニャフニャ”している印象を受けるのだとか。
拡幅前の南幸橋。約20年ほど前の写真
拡幅前の南幸橋。約20年ほど前の写真
南幸橋の歩道部分は、後から付け足されたもの。拡幅は2007(平成19)年だ
南幸橋の歩道部分は、後から付け足されたもの。拡幅は2007(平成19)年だ
ではそろそろ最後の質問を・・・。

――この舗装は、ここ南幸橋だけなんでしょうか?
「いえいえ、たくさんありますよ」

――えっ!? そうなんですか?
「主に歩道橋や人道橋(道路橋や鉄道橋などに対していう歩行者が渡る橋)に採用されてますから」
知らなかった〜。

そう言えば隣の幸橋も・・・と水を向けると「あそこは相鉄アーバンクリエイツさんの管理ですので・・・」
あっ、そうなんだ。

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