ロマンの木曜日 2014年12月18日
 

世界が検索したラーメン味オレオとオレオ入りラーメン

これが世界中で話題のオレオラーメンだ!と思ったら違った!
これが世界中で話題のオレオラーメンだ!と思ったら違った!
2014年は海外で「オレオラーメン」というものがちょっとした話題になったらしい。どのくらい話題なのかというと、グーグルの検索ランキングで上位にくるくらいだ。そりゃすごい。

「俺のラーメン」ではない。「オレオラーメン」である。でも調べてみると、それは実在するものではなかったので、実際に作ってグーグルの人に自慢してくることにした。

「ほら、これが世界中の人が探していたオレオラーメンだろ?」って。でもそれは大きな勘違いだったのだ。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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事の発端はウェブマスターからのメッセージ

ある日のことでした。当サイトのウェブマスターである林さんから、以下のようなメッセージが届いた。

「こんにちは。突然なんですが、オレオを砕いてラーメンをつくることってできますか?」

まさにハテナである。最初、「オレを砕いて」と読み間違えて、何を言っているんだろうと思ったのだが、読み返して「オレオを砕いて」であると気が付き、やっぱり何を言っているんだろうと思った。そしてメッセージは続いた。

「グーグルが発表するキーワードランキングにオレオラーメンというのがあるらしく、デイリーとしてアンサーをしておきたい」

詳しく話を聞いてみると、どうもその「オレオラーメン」というのは、MTVのサイトがつくった冗談の記事が発端らしく、実在するものではないらしい。そんなの「オレオで詐欺」である。
これか!(こちらの記事)
これか!(こちらの記事
元記事が英語のサイトだったので文章は全然読まなかったのだが、ぱっと見る限りではインスタントラーメンのオレオ味が出たよという冗談なのだろう。醤油ベースでタマネギが使われているので、千葉の竹岡ラーメンがモチーフかもしれない。

即レスで「やりましょう!」と元気に返信して、このプロジェクトは大きな勘違いを抱えたままスタートしたのだった。

オレオとラーメンはほぼ同じものであるという気づき

オレオで作るラーメンとは、一体どんなものであるべきなのだろう。

とりあえず近所のスーパーでオレオを買ってきて食べたのだが、驚くことにオレオとラーメンは、ほぼ同じ食べ物だということに気が付いた。
これってすでにラーメンと同じ構造じゃん!
これってすでにラーメンと同じ構造じゃん!
ラーメンといえば小麦粉の麺を脂多めのスープ(いろいろありますが)でいただく食べ物だが、オレオは小麦粉のカカオクッキーを脂肪分多めのクリームでいただく食べ物なのである!

ほら、根本的な構造が一緒だ。最近サービスエリアや屋台などでも見かけるラーメンバーガーは、ほぼオレオであるといっても過言ではないだろう。
クッキーが麺、クリームがスープだと思えば、これはラーメン!
クッキーが麺、クリームがスープだと思えば、これはラーメン!
そのことに気が付いてしまえば、あとはオレオの持つオリジナリティを生かしつつ、形状と味をラーメンに近づければいいだけだ。もう迷いなんかない。

オレオで麺を打つ

オレオでラーメンを作るには、まずクッキーとクリームを分割する必要があるので、オレオを三枚に下ろす。

オレオには小骨がないので、魚よりもよっぽど簡単だ。クッキーが多少崩れても今回は問題ないあたり、アジのなめろうを作る気分に似ている。
出刃包丁よりも刃の薄いペティナイフなどがいいでしょう。
出刃包丁よりも刃の薄いペティナイフなどがいいでしょう。
剥がしたクッキーを砕いて、水を混ぜたらラーメンの生地になるかなと思ったら、やっぱり全然ならなかった。

さすがにオレオ100%の麺は無理そうだ。
これはこれでオレオの佃煮みたいで、オレオに付けて食べるとうまい。
これはこれでオレオの佃煮みたいで、オレオに付けて食べるとうまい。
そこで砕いたクッキーをすりこぎで細かくして、小麦粉(強力粉)と合わせることにした。オレオのクッキー部分60グラムに対して小麦粉200グラム。そこに塩と重曹を少し溶かした水を加えて生地にまとめる。

小麦粉はオレオの主原料であり、塩も若干入っているので、どちらもオレオの延長線上であるといって問題ない材料だ。

かんすいの代わりに入れた重曹はラーメンのアイデンティティであり、これを入れないと「オレオうどん」になってしまう。
見た目はコーヒー豆みたいだけど、コーヒーが欲しくなる甘い匂いがする。
見た目はコーヒー豆みたいだけど、コーヒーが欲しくなる甘い匂いがする。
見た目はコーヒー豆みたいだけど、コーヒーが欲しくなる甘い匂いがする。
見た目はコーヒー豆みたいだけど、コーヒーが欲しくなる甘い匂いがする。
ちゃんとまとまってくれるか少し心配だったが、しっかりとオレオの色のした生地になってくれた。

これでクッキーを焼いてオレオに戻すというのも楽しそうだが、今日のところは麺棒でグイグイと伸ばして、包丁で切って麺にしていく。
最初は火星土産みたいな質感だが、練りまくることでしっとりと餅肌になってくる。
最初は火星土産みたいな質感だが、練りまくることでしっとりと餅肌になってくる。
水分量がちょっと少なかったのか、伸ばすのがけっこう大変でした。
水分量がちょっと少なかったのか、伸ばすのがけっこう大変でした。
そんなこんなで、オレオのクッキー部分が2割強入った麺の誕生である。

特別な道具がなくてもオレオは麺にできるのだ。
白いのは砂糖ではなく打ち粉(でんぷん)。生チョコみたいでうまそう。
白いのは砂糖ではなく打ち粉(でんぷん)。生チョコみたいでうまそう。

クリームでラーメンスープを作る

続いてはラーメンの味を左右するスープ作りである。いろいろ考えたのだが、オレオといえば牛乳との愛称がバツグンのお菓子。

クリーム部分を牛乳で伸ばし、そこに濃厚な鶏白湯スープを加え、塩で味を調整することにした。目指すはどこまでも白いスープ。
温めた牛乳でオレオのクリームを溶かす。これだけならうまそうだが、そうは問屋が卸さない。
温めた牛乳でオレオのクリームを溶かす。これだけならうまそうだが、そうは問屋が卸さない。
甘い香りに対抗すべく鶏白湯スープを用意して、牛乳と同量加えてラーメンに近づける。
甘い香りに対抗すべく鶏白湯スープを用意して、牛乳と同量加えてラーメンに近づける。
おっかなびっくり味見をしてみると、これがまったくピンとこない味だった。私は一体何を作ったのだろう。

ラーメンスープの味を決める大きなポイントに塩分濃度いうのがあるのだが、はてどうしたらいいものやら。塩を入れるほどに引き立つ甘さ。
かなり甘い。でもどこかラーメンっぽい。でも甘い。
かなり甘い。でもどこかラーメンっぽい。でも甘い。

とりあえずオレオラーメンができた

スープの味に不安を残しつつも、とにかく黒い麺を茹でて、オレオラーメンを完成させてみることにした。

茹でたら麺がバラバラになるかなと思ったが、ちゃんと麺として茹ってくれた。太めの田舎蕎麦みたいだ。
全然問題なく麺ですね。
全然問題なく麺ですね。
ココア色をした茹でたての麺と、甘い香りの熱々スープという前例なき組み合わせ。

うまそうなものを食べる前に「まずいわけがない!」というコメントをすることがあるけれど、この場合は「まずいわけがある!」だろうか。
写真だけ見ると、なにがなにやらですね。
写真だけ見ると、なにがなにやらですね。
まずスープを飲んでみると、まさにクリーミー!脳内で過去に食べた料理を検索しても似たものが出てこない。ベースの鶏白湯スープがしっかりしているので、甘いながらもラーメンらしさが感じられる。白味噌で味噌ラーメンにしてもおもしろいかもしれない。

麺はうどんのような太さだが、ちゃんとラーメンの麺になっている。そして味がしっかりココアクッキー。ツルンとした喉越しのクッキー。カントリーマァムの中心にこういうしっとりした部分があるよね。

それにしても甘いが、素材も味もカラーリングも、これは間違いなくオレオラーメンである。

甘いものが苦手な人が一番苦手なタイプの味かもしれないが、発売されて商品棚から一瞬で消える刹那の味が好きなので、売っていたら一回くらい買ってもいい味だ。なんにせよ、語れる味ではあることは間違いない。

冷やしオレオラーメンを試食してもらった

自分一人でこの味を楽しむのはなんだか申し訳ないので、これを他のライター陣にも食べてもらうことにした。同じサイトのライター同士、楽しみも苦しみも分け合おう。

食べてもらったのは、改良版となる「冷やしオレオラーメン」である。オレオラーメンは冷めてから食べた方がうまかったので、冷やして食べることを前提に、スープから鶏白湯スープを抜いてみた。
牛乳でオレオのクリームを溶いた冷たいスープに、茹でてから水で洗ったココアクッキー麺。白い器と同化するね。
牛乳でオレオのクリームを溶いた冷たいスープに、茹でてから水で洗ったココアクッキー麺。白い器と同化するね。
このスウィーツ感覚で食べられるであろう冷やしラーメンを、正体がなんだか教えないで数名の方に食べていただいたところ、予想以上に好評だった。

なんだかわからないけれど甘くてうまいものから、これがオレオだという気づきを経て感じる心の満足感。もはや食のエンターテインメントだ。
「この汁がうまい!あ、オレオだ!遠くにオレオを感じる!」と、べつやくさん。
「この汁がうまい!あ、オレオだ!遠くにオレオを感じる!」と、べつやくさん。
「杏仁豆腐?バニラ?オレオか!」と、中央の安藤さん。 「ココナッツ?よくわからないけれど違和感なくうまいですよ」と、右の小野さん。
「杏仁豆腐?バニラ?オレオか!」と、中央の安藤さん。 「ココナッツ?よくわからないけれど違和感なくうまいですよ」と、右の小野さん。
冷やしオレオラーメン、まさかの成功である。ラーメンの要素はほぼ形だけだが。

スープの甘さに麺が負けているという意見が多かったので、もっと小麦粉の割合を減らして、オレオのクッキーらしいビターな麺にしたほうがベターだろう。よし、次はそうしよう。

何とこの話はまだまだ続くのである。

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