はっけんの水曜日 2014年12月24日
 

カンガルーだらけの動物園

こんなに近くでふれあえる
こんなに近くでふれあえる
動物園の動物は、ふつう檻の中にいる動物を檻の外から観察するのが一般的だ。

最近の動物園には、動物をさわったり、だっこしたりできるコーナーが設けられているところも多いが、そういったコーナーにいるのはたいていウサギやハムスターといった小型の動物ばかりだ。

ところが、北九州には110頭のカンガルーとふれあえる動物園があるらしい。

カンガルーってあなた……しかも110頭って。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。

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カンガルーのほうが多い

カンガルーって、オス同士がボクシングしてるようなイメージがあるけど、ふれあいに行って蹴られたり殴られたりしないだろうか? そんな不安を胸に抱えつつ、動物園に向かう。

折尾駅で列車を乗り換え、二島駅からさらにバスで20分ほど。響灘緑地公園の中にある「ひびき動物ワールド」のカンガルー広場を目指す。

響灘の寒風吹きすさぶなか、小雪も舞い始めた。端的にいうと寒い。
寒い
寒い
こごえながら広すぎる公園内を抜け、カンガルー広場までやってきた。
ぼく以外にお客さんがいない
ぼく以外にお客さんがいない
カンガルー広場入場料300円を支払い、中に入る。

園内はちょっとした広場にカンガルーが放し飼いにされており、カンガルーたちは思い思いのかっこうでくつろいでいる。

ホントにカンガルーだらけだ。
カンガルーだらけ!
カンガルーだらけ!
小屋の辺りに固まっている
小屋の辺りに固まっている
寒いためか、カンガルーは小屋の周りや壁面に寄り添うように分散して固まっていたのだが、少なくとも、この公園に入ってからここに来るまで出会った人間(職員7〜8人、客1人)よりも、ここのカンガルーの方が多い。

実はかわいい

「ふれあえる」というふれこみなので、さっそくカンガルーにさわってみたい。おずおずと近寄り、カンガルーのせなかをなでなでしてみる。
やわらかーい(あたりまえ)
やわらかーい(あたりまえ)
カンガルー。おとなしいし、さわられてもぜんぜん嫌がらない。毛も思いのほかやわらかく、あったかい。

ケンケン吠える犬よりもよっぽどこっちのほうがいい。
あれ? よく見ると、かわいい……
あれ? よく見ると、かわいい……
か、かわいい!
か、かわいい!
いままで、動物園のカンガルーは檻ごしか、離れてしか見たことなかったため、こんなに愛らしい顔つきをしてるとは不覚にも気づかなかった。

そうか、カンガルーってかわいかったのか。これはもっと一般に周知されてしかるべき事実だ。
こんなに近づいても嫌がらない
こんなに近づいても嫌がらない

天気が悪いとケンカする

しかし、カンガルーといえば、なぜかボクシングのイメージがある。立ち上がってケンカする姿が、ボクシングしてるように見えるからだ。

ここのカンガルーはボクシングしないだろうか? と思っていたら、折よく後ろでボクシングがはじまった。
なにコラ、タココラ!
なにコラ、タココラ!
お互いのゆるいパンチが炸裂
お互いのゆるいパンチが炸裂
これがかの有名なカンガルーのボクシング……。でも、じゃれてるようにしかみえない。

近くに飼育員さんがいたので、話を聞いてみた。

――これがあの有名なカンガルーのボクシング……ですか?
「そうですね。天気が悪かったり、気温が低かったりすると、機嫌が悪くなってよくケンカするんですよ」

――じゃれてるんじゃなくて、ケンカしてるんですよねこれ?
「ええ、オスはこうやって群れの中での順位を決めてるんです。彼らの中には飼育員も含めて序列があるんですよ」

――え? 飼育員にも序列あるんですか?
「あります、飼育員でも順位が低いひとはナメられてて、カンガルーが言うこと聞いてくれなかったりしますね」
飼育員も含めての順位があるのか!
飼育員も含めての順位があるのか!

すべてのカンガルーに名前がついている

この「ひびき動物ワールド」にはカンガルーの他に、ワラビー、ワラルー、ウォンバットなどの有袋類が約250頭が飼育されており、なかでもカンガルーは110頭を数える。

――もしかしてこれ全部に名前ついてるんですか?
「ついてますよ、一応ICチップで管理してますけど、近づいて顔みたらわかります」
110頭全部顔が違う(らしい)
110頭全部顔が違う(らしい)
――すみません……全部同じように見えます
「いや、一頭ずつ全部顔つきちがいますよ。すごい飼育員になると10数メートル離れててもちゃんと名前言い当てられるぐらいですから、体つき、毛並み、顔色みんなちがいます」

――顔色?
「具合の良し悪しがわかるんですよ、体調がいいとか悪いとか」

カンガルーにも顔色がある。近頃、人の名前や顔でさえ覚えられなくなったぼくにとっては信じがたい話だ。

生まれた時期がわかりやすいように五十音順で名付ける

カラスにいたずらされて耳が欠けてしまった子カンガルー、おのれ、カラスめー!
カラスにいたずらされて耳が欠けてしまった子カンガルー、おのれ、カラスめー!
110頭もいるカンガルーの名付けも、ただ適当に名づけているわけではなく、生まれた時期がわかるようにあいうえお順に名付けをしているという。

「順番もですが、例えば、月ちゃんの子供はムーンみたいに家族で関連のある名づけしてるんです」

よく、動物園で飼育している動物の名前がお菓子の名前だったり魚類の名前だったりすることがあるけれど、もしかしたらこういう理由かもしれない。
飼育員さんが「でっぱちゃん」と呼んでいた出っ歯の女の子
飼育員さんが「でっぱちゃん」と呼んでいた出っ歯の女の子

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