ちしきの金曜日 2015年2月6日
 

全国的にも珍しい幻のような鮒を売る市に行く

鮒を売る鮒市に行きました!
鮒を売る鮒市に行きました!
朝市や蚤の市など、世の中にはいろいろな「市」が存在する。毎日行われる市もあれば、不定期に行われる市もある。そして、年に一度だけ行われる市もあるのだ。

佐賀県の鹿島市では、年に一度だけ、全国的にも珍しい「鮒市」が行われる。その名の通り淡水魚である「鮒」を売る市だ。夜明け前から始まり、日が昇ると終わる幻のような市だ。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。
> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

鮒市の朝は早い

野菜を売る市があったり、骨董品を売る市があったり、鮒を売る市があったりする。世の中には多くの市があるが、鮒を売る市は珍しいそうだ。そんな鮒市は佐賀県鹿島市で、毎年1月19日に行われる、もう300年ほどの歴史がある市だ。
そんな鮒市にやってきました!
そんな鮒市にやってきました!
鮒市は、日の出前から始まり、日が昇る頃には鮒が売り切れ、市は終わると以前聞いたことがある。幻のような市だ。そんな幻を見てみたくて、佐賀県にやって来たのだ。夢のような市の始まりだ。
ただいま朝5時
ただいま朝5時
この鮒市は「二十日正月」を祝うために行われる。この市で鮒を買い、生きたままの鮒に昆布を巻いて煮込み「ふなんこぐい」を作り、恵比須・大黒像に供えるそうだ。コミケの行列のように、そのために鮒が並ぶのだ。
鮒!
鮒!

鮒はどこでも買えるから!

鮒市に出かけると、3軒の鮒を売るお店が並んでいた。昔はもっと多かったそうだ。ここに来る途中のタクシーの運転手さんの話では、「最近スーパーでも鮒が買えるから減ってるね」とのことだった。スーパーで鮒が買えるの? と思う。
念のためにスーパーに行ったら売ってた! すっげ!
念のためにスーパーに行ったら売ってた! すっげ!
恵比寿さんは鯛を持っているが鯛は高い。そこで鮒になったそうだ。確かに鮒と鯛は似ている。メガネをはずして見ると、もはやそっくりだ。私の視力では少し離れれば、魚かどうかも判別できない。
鯛!
鯛!
鮒! なんか似てる!
鮒! なんか似てる!

鮒市始まりました!

はりきって5時から鮒市に来たが、人はまばらだった。ただし6時を過ぎた頃から人は多くなり、鮒を売るお店は3軒と少なかったけれど、鮒を買う人は結構いた。鮒が飛ぶように売れる瞬間を初めて見た気がする。
人が増えて、
人が増えて、
鮒が売れる!
鮒が売れる!
鮒にも種類がある。この市では「ヘラブナ」と「マブナ」が売られている。ヘラブナが1キロ500円くらいからで、マブナが1キロ700円くらいからだそうだ。やっぱりマブナが美味しいらしい。大きい鮒は刺身で食べ、小さい鮒は「ふなんこぐい」になるそうだ。
素人にはこれが何鮒か分からない!
素人にはこれが何鮒か分からない!
昔は鮒を売る業者がこの通りにずらっと並び、各業者が500キロの鮒を売ったそうだ。最近は多い業者でも300キロくらい。11時頃には売り切れるかな、とのことだった。昔よりは幻感がなくなり、手の届きやすい市になっている。
とは言え、空が明るくなるにつれ、人も増えた
とは言え、空が明るくなるにつれ、人も増えた

鮒を食べる!

二十日正月に食べる「ふなんこぐい」は、2日ほど煮込んで完成するものだ。19日の朝に鮒を買えば、20日の夜にギリギリかなという感じだ。鮒市は朝早いな、と思っていたけれど、そのような理由があるのだろう。
これが「ふなんこぐい」です!
これが「ふなんこぐい」です!
切ったのがコチラです!
切ったのがコチラです!
この市では地元のお母様方が作った「ふなんこぐい」を無料で食べることができる。私はこの日、東京に帰る予定で、生きた鮒を買うことはできないし、完成品である「ふなんこぐい」も売っているのだけれど、大きいので買うことができずにいた。ラッキーだ。
美味い!
美味い!
淡水魚は泥臭いイメージがあったけれど、これが全然臭くない。文句なしで美味しいと言える。甘辛く煮込んであり、骨まで柔らかく、ご飯のおかずにもなりそうだ。鯛と一緒かと言われると、こうした鯛を食べたことがないので、分からないが美味しい。
これを作ったお母様方
これを作ったお母様方

若者の鮒離れ

空が明るくなるとお客さんはさらに増えた。それでもお客さんは少ないようで、鮒を売る方に話を聞けば、「最近の若い人は鮒を買わないから」と言っていた。若者の鮒離れだ。車、酒、鮒。若者は離れる生き物のようだ。
鮒離れされる鮒
鮒離れされる鮒
平日だし若者がいないのも仕方ないけれど
平日だし若者がいないのも仕方ないけれど
鮒にも時期があり、寒ブリと言ったりするように、鮒も「寒フナ」と言うそうだ。ちなみに鯛も寒い時期が美味しいらしいので、鯛の代わりが鮒というのも頷ける。もはや鮒は鯛なのだ。
スーパーにも売っていた!
スーパーにも売っていた!

夢が叶った!

鮒市の存在は知っていたのだけれど、遠いという理由でなかなか行けずにいた。数年越しの願いが叶ったのだ。行ってみると鮒だらけ。素晴らしい。

鮒を好きになるきっかけになった。買わなかったので、鮒離れの一人ではあるのだけれど。ちなみに福岡に住む祖母に鮒を買って行こうか、と聞いたら、いらない、と言われた。祖母の鮒離れだ。
買う人は3キロとか普通に買っていた!
買う人は3キロとか普通に買っていた!
 ▽デイリーポータルZトップへ  

 
 
関連記事
嫌いな食べ物が欲しい
30年物のサンマ寿司はほぼ液体
幻の白いタヌキとその幻の理由
千住を半日あるく

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓