ひらめきの月曜日 2015年2月23日
 

結集せよ、ダシの素たち

ひとつの商品で22種類の材料が使われているものも
ひとつの商品で22種類の材料が使われているものも
料理の味付けとして手軽に使える「ダシの素」。簡単に味を整えられて便利だ。
和食で定番のカツオやコンブ。調べてみると、他にもさまざまな食材から抽出した味わいをつけられるダシの素がある。

単品でも十分頼りになるダシの素だが、これらを結集したら、一体どんな味になるのだろうか。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」

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ドラゴンボールのように集まるダシの素たち

たくさんのダシの素を混合させ、うまみを集結させる今回の試み。まずはそのラインナップを確かめてみよう。

最初に紹介するのは「野菜ブイヨン」。食品スーパーの成城石井が自社ブランドで出している商品だ。これひとつで22種類もの素材を使っているらしい。
知ってるにおいがする
知ってるにおいがする
すでに結集しているダシたち
すでに結集しているダシたち
容器を開けると、よいにおいが漂ってくる。さすがにさまざまな材料を使っているからだろう。香りを何に例えたらよいかと考え、思いついたのはスナック菓子だ。

こういうにおいのスナック、あった気がする。言われてみればスナック菓子も相当な種類のうまみが使われていそうだ。直接なめてみても、やさしめのスナック菓子味でかなりおいしい。

ほめ言葉なのかどうかよくわからないが、これはもう「実体のないスナック菓子」だ。
野菜につぐ野菜、そして野菜
野菜につぐ野菜、そして野菜
材料にはタマネギやニンニクなど、いかにも味わいの出そうな野菜の他、ニガウリやモロヘイヤといった変わり種もある。

ちなみに、今回集めたダシの素は上の写真にもあるように化学調味料を使っていないものに限定した。

普段は特に気にしない食生活を送っている自分だが、今回の試みでは化学調味料が入っていると、どうしてもその味が強くなってしまうと予想。というわけで、いわゆる「無化調」ルールでやってみたい。
安心感のあるにおい
安心感のあるにおい
手堅いメンバー構成
手堅いメンバー構成
続いては同じく成城石井ブランドの「和風だし」。カツオ・コンブ・サバ・イワシ・椎茸というおなじみのラインナップ。

それぞれ味わいの個性がとても強そうに思えるが、直接なめてみると予想よりもどぎつくない。素材が親しみのあるものでもあり、安心のうまさだ。
「ヴォー」の発音に自信がない
「ヴォー」の発音に自信がない
こ、仔牛の骨…
こ、仔牛の骨…
成城石井ブランドからの最終ダシは「フォン・ド・ヴォー」。焼色をつけた仔牛の骨を10時間以上煮出したとのこと。「和風ダシ」と違ってなじみがない。

直接なめてみる。………これ、めちゃくちゃうまいぞ!
なんとかして違いを出したかったメモ
なんとかして違いを出したかったメモ
試食しながら書いたメモも「野菜ブイヨン」と「和風だし」が「うまい」であるのに対して、「フォン・ド・ヴォー」は「うまーい」。

なじみがない分、味への驚きがワンランク上。これが牛の骨のうまみか…と、気分はヨーロッパだ。
あまりエビっぽくない雰囲気のえびだし
あまりエビっぽくない雰囲気のえびだし
「エビパウダー」と「干しエビ粉」は別物
「エビパウダー」と「干しエビ粉」は別物
ここからはユウキ食品製の調味料を紹介しよう。オイスターソースや鶏ガラスープが有名だと思うが、今回購入したのは「えびだし」。

エビに特化したダシの素。フタを開けると、記憶のどこかにあるにおいがする。
昔あこがれたにおいがする
昔あこがれたにおいがする
これは……金魚のエサとよく似たにおいだ。

個人的にマイナスの印象ではない。昔飼っていた金魚にエサをやるときいつも、「いいにおいだな、食べたらどんな味するのかな…」と思っていたからだ。今、人間として堂々とそのにおいのするものを食べられる。

味わってみる。エビというよりは、においがそのまま味になった印象で例えづらい。もちろんうまみはしっかりあり、金魚に対して「あいつら結構いいもの食べてたんだな」と思わされる。
由来はあごが外れるうまさ「あごだし」
由来はあごが外れるうまさ「あごだし」
貝柱って柱にして柔らかいよね
貝柱って柱にして柔らかいよね
ユウキ食品の製品からは、トビウオの「あごだし」と「貝柱だし」もエントリー。あごだしは自分の住む関東ではあまり使わないように思えるが、他の魚とは違う個性の味わいがおいしい。

「貝柱だし」は缶詰の貝柱をそのまま食べたときの粉末版といった味。もちろんこれもうまい。
うまさ大爆発の予感
うまさ大爆発の予感
ここまで揃えて、結集したダシは以下のようになる。
仔牛の骨 チキンエキス ビーフエキス エビ
カツオ サバ イワシ 貝柱
トビウオ タマネギ ニンニク トマト
セロリ トウモロコシ ジャガイモ ショウガ
大麦若葉 ケール ブロッコリー セイジ
カボチャ チンゲンサイ パセリ タイム
ローレル ニンジン ニガウリ ホウレンソウ
桑の葉 モロヘイヤ ヨモギ コンブ
シイタケ
合わせて33種類だ。ちょうど1クラスの人数分くらいではないか。みんなをまとめる定番ポジションのカツオやコンブ、ブロッコリーみたいな髪型だった奴、モロヘイヤのように粘っこいあいつ。それぞれなんとなく思い当たりはしないだろうか。

ウルトラヒーロー大集合的なダシ

そんなそれぞれうま味のある奴らを混ぜ合わせて一体化させてみよう。
大体のイメージで調合
大体のイメージで調合
33種類の味が凝縮
33種類の味が凝縮
味のバランスを取るために、目分量ではあるが、野菜ブイヨンなどの混合ダシは多めに、エビや貝柱のような単品系のダシは少なめに混ぜてみる。
ダシたちよ融合したまえ
ダシたちよ融合したまえ
これが今話題のあのスープか
これが今話題のあのスープか
これらをシンプルにお湯で溶いて味わってみよう。まさに「特別なスープ」のできあがりだ。お湯を入れているので、当然ながらあったかいんである。

うまいことが約束されたスープとも言える。では試飲してみよう。
感動を求めて当日初の食事として味わう
感動を求めて当日初の食事として味わう
抽象的なおいしさ
抽象的なおいしさ
……なんだかわからんがうまい。

どうやらバランスを取ることにはおおむね成功したらしく、その分何の味かはさっぱりわからないが、とにかくおいしい。味わいが破綻することなく、調和しているとも言える。

これは「滋味深い」ってやつかも知れない。全体的にやさしい味わいでもある。

さて、作った自分は正体を知っているわけだが、これが何かを知らないで飲んだら、どんな感想をもつのだろうか。
一応手作りスープではある
一応手作りスープではある
正体を明かさず飲んでもらう
正体を明かさず飲んでもらう
今回、未知の立場での試飲をお願いしたのは当サイトライターの玉置さん。趣味を超える勢いの趣味としてラーメンのスープを完全自作するくらいだから、鋭い味覚の持ち主のはずだ。

調合ダシの素をお湯で溶かして飲んでもらおう。
「変なものではないです」と繰り返し説明した
「変なものではないです」と繰り返し説明した
じっくり味わって飲んでくれた玉置さん。味の感想はこんな感じだ。

・いわゆる「お吸いもの」っぽい味
・漠然としたうま味
・素材の正体はよくわからない
・やさしい味わい
・トータルとして全然おいしい

おお、これはかなり「正解」に近い感想ではないか。
これらを合体させた味がその正体
これらを合体させた味がその正体
種明かしをすると、「少しざらつきがあって、溶けきらない何かがあるところに、化学調味料の不在を感じるかもしれない」とも話していた玉置さん。なるほど、そういう表現の仕方もあるのか。

「謎のうまいスープ」としての結集ダシ。どんな料理に入れても力を発揮してくれそうだ。

33ダシライス
33ダシライス
結集ダシのビジュアルは、ふりかけ風にも見える。試しにご飯にかけて食べてみた。

お湯で溶いたときと違い、舌にダシの粒が直接当たって溶けていく。それゆえ、舌のあちこちで別々の味が濃厚に現れては消えていくのが新しい。

調和というより、粒それぞれが順番に主張する。この食べ方も面白い味だった。
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