中国もマイペースだ
おっちゃんが寝そべって電話をし続けていた
若者グループがスマホで遊んでいた
なんてこった!
通路を歩いていると、お客さんが少ないのが気になるばかりか、おっちゃんは寝そべりながら大声で電話をかけているし、若者グループはスマホで遊んでいる。掃除のおばちゃんまでが、スマホに見入っている。科学館で科学を見ていないではないか。
たしかに科学館内の最新科学の産物はスマートフォンだ。科学館の展示物より最先端を行っているのは間違いない。スマホは猛烈に普及している。スマホに完敗の展示物なのか…!
もやもやしながら展示コーナーに進んでみた。
THE科学館というべき趣
親子連れのほか、老人グループや、社会人男性グループもいる。が、人は少ない。
近くに駅がなく、ちょっと微妙な場所にあるのが、閑古鳥が鳴いている原因なのだろうか。
人が少ないからこそ、老人の憩いの場となっているのも中国らしい。今はないが、ロボットと3Dディスプレイとバーチャルリアリティを駆使した麻雀ができたらいいと思う。
射的を楽しむ老夫婦
未来に進む老夫婦
宇宙飛行士の訓練に取り組もうとするタフなおじいさん
展示物は壊れて放置されたままのものも結構多く、多少問題がある。環境問題を提案する展示はあるけれど、PM2.5の話が出てこないし、どうも建てられた2009年から時がとまっているようだ。
つくられた2009年当時の最新技術が集まったところなのか、パソコンをつかったゲームも今のスマホゲームよりも魅力的ではないようだ。日本の博物館もそうだけど、なかなか今の時代、最新技術や最新研究を展示するのは難しい。
スマホやタブレットを使う今どきの中国の子供には、パソコンを使った科学学習ゲームがビビッと来ないのか、触ってはすぐに次の展示物に行く。中国の子供はなかなか辛口だ。
ポージング写真は子供から。親から子に伝わっていくらしい
チベットに行く青蔵鉄道の車窓と運転席を再現している
流れる景色の上にかぶさるエラー画面でWindowsを知る
中国の科学館では結構みるロボットアームの自動運転。自信のジャンルだ
その後ろの説明画面の「2時間見ました、視力保護に注意!」というテレビのメッセージがスマート
面白い展示もある
基本的に意図せずしてユルめだけれど、面白い展示があったこともしっかりいっておきたい。
総合科学館なので、細胞のミクロの世界から、動物の世界、コンピューターの世界、環境問題、宇宙開拓まで幅広くいろいろあるのだ。
中国人の子供はここに来れば、本腰を据えればいろいろ学べるいいところだと思う。本腰を据えさせる親は素敵だ。
ハンドルをまわすと立方体の中の歯車がかみ合って、ドラや太鼓がなる。 ピタゴラスイッチにして、三国志のジャーンジャーンジャーン!の世界だ
中国は目が宇宙に向かっている。宇宙の展示については結構充実しているかも
月面をイメージした模型。見たことが無くて新鮮!
宇宙ステーションの展示。専用の鍛えるマシーンも利用できる。若田さんの写真もあった!
宇宙ステーションのトイレの模型。外に漏らさない大の仕方、小の仕方の解説付きだ
期待のロボットもあった!目の前の人の顔に合わせて表情を真似るロボット
ロボット作品集なんてのもあった。実物が見たいぞ!
科学館や博物館もお国柄がでる
人や街にお国柄がでるように、科学館にもお国柄がにじみでて面白かった。逆に外国人が日本の科学館にいったら、日本的だなあ、きっちりしてるなあと思うのではなかろうか。
中国では口コミで人気が広がるときく。ひょっとしたら口コミでつまらないと伝わって来ないのかもしれない。最先端の科学製品を常に持ち歩いていているから科学館は不要なのかもしれない。
それでも壊れているかそうでないのかわからない器具を前に子供に説明するお母さんや、人気がないからこそ利用する老夫婦をリスペクトしたい。
少数派だが、彼らは素晴らしい。僕もかくありたい。