ロマンの木曜日 2015年4月23日
 

海外の落書きスポットで翻訳したらロマンチストばかりだった

!
この写真はベトナムで見かけた落書きだ。岡本太郎である理由は、日本人街が近いからなのかもしれない。

こういったもはやスプレーアートのレベルから、ただの言葉まで、落書きは私たちの住む社会のあらゆる場所に存在している。教科書、トイレの壁、高架下の柱…。

そういえば、言葉だと、何と書いてあるのだろう?
1984年大阪出まれ、2011年からベトナム暮らし。日本から3600km離れた土地で、ダチョウに乗ったり、ドナルドのコスプレをしたり、札束風呂に入ったりしている。
> 個人サイト べとまる

ベトナムのサイゴン大教会、定番の観光スポット。
ベトナムのサイゴン大教会、定番の観光スポット。
休日は、結婚写真のメッカとしても知られている。
休日は、結婚写真のメッカとしても知られている。
ここは、実はもうひとつの面で有名。それは…。
落書きのメッカなのだ!
落書きのメッカなのだ!
落書きというと、おおむね公共の場を汚す行為として見られがちである。最近ではアーティストに開放している地域もあるが、それではここはどうなんだろう。

答えは、ダメ。

しかし、落書きは絶えない。観光客が入れ替わり立ち代わりやっているから?というとそうでもない、この行為に及んでいる人物はなんと地元の若者ばかり。
教会周辺の公園では、地元の若者たちがピクニックのように座り込んで談笑している。
教会周辺の公園では、地元の若者たちがピクニックのように座り込んで談笑している。
この落書きは地元のニュースで取り上げられたこともあり、神父さんも「やめてくれ」とは言っているが、ここには周囲を取り囲む柵がない(ハノイの有名な教会にはある)。落書きが誉められた行為だとは決して言えないが、愛されていることの裏返しとも言える。今回は、この落書きを翻訳してしまえという話だ。

でも私はベトナム語が読めないので、友人を呼んだ。
落書きを翻訳するためだけに呼ばれた、フンさんです。
落書きを翻訳するためだけに呼ばれた、フンさんです。
フンさん「今日は何処に取材するんですか?」
ネルソン「教会です」
フンさん「誰と通訳するんですか?」
ネルソン「落書きの翻訳です」
フンさん「落書きの翻訳…?」
ネルソン「はい」
「それっておもしろいんですか?」「それを君が確かめるんだよ」
「それっておもしろいんですか?」「それを君が確かめるんだよ」
フンさん「うーん」
ネルソン「どう?」
フンさん「ほとんどただの名前ですね」
これは名前、
これは名前、
これは名前とサイン、
これは名前とサイン、
名前、名前、名前、ほぼ名前…。
名前、名前、名前、ほぼ名前…。
ネルソン「嘆願書じゃないんだから!」
フンさん「あ、でも、他にも恋愛関係が多いですね」
ハートが付いているところからしても明らか、
ハートが付いているところからしても明らか、
これは、「私達はお互いのもの」という意味。
これは、「私達はお互いのもの」という意味。
「こくう」と読んだら横に倒したハートだった。
「こくう」と読んだら横に倒したハートだった。
フンさん「これは…」
ネルソン「何?」
「私はここにいる」、「俺参上」みたいな。
「私はここにいる」、「俺参上」みたいな。
ネルソン「日本でもありそうな落書きだな」
フンさん「そうなんですか」

フンさん「あ、これちょっとおもしろいですね」
ネルソン「なになに?」
「スケベ9」と書かれていた。
「スケベ9」と書かれていた。
ネルソン「スケベは分かるけど、9って何だよ笑」
フンさん「何でしょう…」

フンさん「あ、これちょっと怖いなぁ」
ネルソン「なになに?」
「私は全てを見ているぞ」と書かれていた。
「私は全てを見ているぞ」と書かれていた。
ネルソン「なんだそれ確かに怖いな!」
フンさん「浮気を知ってるぞ、みたいな感じですね」

ほかにもまだまだある、謎の落書き。
「私は内気」、誰に対する何の告白だ。
「私は内気」、誰に対する何の告白だ。
電話番号と友達募集、雑誌の読者コーナーか。
電話番号と友達募集、雑誌の読者コーナーか。
あとはフンさんにも読めないけど、
カンボジア(クメール)語、
カンボジア(クメール)語、
韓国語(ハングル)、
韓国語(ハングル)、
中国語といったように、他の外国語もあった。
中国語といったように、他の外国語もあった。
ネルソン「日本語がなくて正直ちょっと安心したよ」
フンさん「完全にないとも言えませんよ」
ネルソン「どういうこと?」
フンさん「これを…」
なんと…「OTAKU」と書かれていた!!
なんと…「OTAKU」と書かれていた!!
ネルソン「これは…ベトナム人オタクの仕業だな!?」
フンさん「まぁそうでしょうね」
ネルソン「何て書いてあるの?」
フンさん「オタクよ永遠に…みたいな意味です」
ネルソン「誇り高いオタクだな」
「TSUKIHENTAI × KANEKI」…?
「TSUKIHENTAI × KANEKI」…?
フンさん「HENTAIは…変態でしょうね」
ネルソン「TSUKI…うーん??」
フンさん「好きって書き間違えたのかも」
ネルソン「だとしても変態が好きってどうかと」

KANEKI(カネキ)は東京喰種という漫画のキャラクターにいるので、その愛情を示しているのかもしれない。だけど、教会に書くなよ。愛か?愛があるからいいのか?
その時、ちょうど書いている最中のカップルが…!
その時、ちょうど書いている最中のカップルが…!
近付いたら離れていってしまった、人目を気にはしているらしい。
近付いたら離れていってしまった、人目を気にはしているらしい。
ネルソン「名前なんだろうけど、括弧内の言葉は?」
フンさん「月と風ですね、ニックネームかな」
ネルソン「みんなロマンチストだね〜」

調べた結果、こんな割合だった。
!
・名前55%、恋愛25%、自己主張10%、友達募集5%、外国語(読めない)5%
・ベトナム語90%以外の外国語は、カンボジア語5%、韓国語3%、中国語2%
・落書きの全体数は500くらい
・80%が修正ペン、20%はマジックペンで描かれている
・最も古い日付は、ほぼ二年前に当たる2013年5月9日

名前が定番、あとは場所柄か、ほとんど恋愛関係の落書きでした

名前が多いということは、衝動的に思いつくものを書いてしまったという印象がある。周辺にいる若者たちが、「教会に…落書きしちゃおっか!」というノリで描いたとするならば、すごく納得できる気がする。

教会関係者などの当事者からすれば溜まったものではないだろうけど、落書きして逃げる地元の若者たちと雷親父のような神父さんを想像すると、他人ごとながらちょっと笑ってしまう。お互いに地元の人間同士だからこそ、まだ笑っていられる範囲だと思うけど。

でも、誰でも、何処でも、落書きはダメですよ。
最後に全然関係ない、四年前にスペインで見た落書き。そういえば教会に下ネタはほぼなかった、やはり場所柄だろうか。
最後に全然関係ない、四年前にスペインで見た落書き。そういえば教会に下ネタはほぼなかった、やはり場所柄だろうか。
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