ロマンの木曜日 2015年5月14日
 

九重“夢”大吊橋でケーブルに震える

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大分に木鷽を探しにいったついで、と言っては失礼かもしれないが、歩道専用としては日本一の「九重“夢”大吊橋」に行ってきたのでレポートする。
ちなみに九重“夢”大吊橋が正式名称、以後ずっと“夢”付きでお届けする。
1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。

前の記事:「不思議な木鷽(きうそ)をもらいに大分に行った」
人気記事:「「湖面から突き出た足」製氷器を作る」

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“夢”

【あらすじ】

大分の角埋神社の神事に参加し「木鷽」をゲットしようと目論んだ乙幡であったが、道行きは困難を極めた。だが現地で神様のような土地の方、岩本さんに出会い、いろいろ助けてもらう。おかげで目的は達成され、無事取材は成功したのだった。その後のことである―。

(そのときの記事はこちら:不思議な木鷽(きうそ)をもらいに大分に行った
車があれば何も怖くない。
車があれば何も怖くない。
「この近くに、おおーきな吊り橋があるんですよね?」

私は、件の神様、じゃなくて現地ふるさとガイドも務めておられる岩本さんに聞いてみた。事前に調べたところ、ここ角埋神社の近く(といっても地図上でおおいに俯瞰しての“近く”だが)に、日本一を誇る大吊橋があるようなのだ。日本一とくれば、“ついで”どころではなく取材をせねばなるまい。ゆらゆら揺れるでかい吊り橋を恐る恐る行くさまを、皆さんにぜひお届けせねば。

「電車で数駅大分方面へ戻って、そこからバスが出てるようなんですが・・・」と話すと、いやいやいや、と岩本さん。「それは大変ですよ、車で行ったほうがいいです。私出しますよ、ぜひ乗ってってください」と、木鷽に続いてありがたいお申し出。これ以上は申し訳ない、と返すが、車ならすぐですよ、ガイドがてらぜひ連れて差し上げます、ということなので、またもお世話になることにした。なんだろう、この旅はうまく行き過ぎである。鷽のような、いや嘘のような話である。

車に揺られ、くねくね山道をしばらく行くと―。
あれか。
あれか。
あれなのか。でかいものがだんだん近づいてくる恐怖。
あれなのか。でかいものがだんだん近づいてくる恐怖。
ここは、大分県は玖珠郡九重町にある「九重“夢”大吊橋」。周囲の雄大なパノラマを観光資源にしようと、2006年にオープンした。駐車場には観光バスが何台も連なっている。そういえば今日は日曜日だった。

そしてここは観光地だ。“夢”大吊橋のチケット売り場などの施設も商魂たくましく充実ぶりを見せている。なるほどそういう感じなのですね。
エネルギー系の会社の広告みたいだ。
エネルギー系の会社の広告みたいだ。
チケット売り場から先、橋までアーケードが伸びる。
チケット売り場から先、橋までアーケードが伸びる。
“夢”。
“夢”。
岩本さん「もう幾度となくお客さんを連れてきた場所なので私は車にいます、ゆっくり自由に見てきてください」とのこと。お申し出、これまたありがたくお受けして、入場券500円を買って進んでいく。
「日傘・雨傘の使用」を想像するだけで、体が浮いてくる気がする。
「日傘・雨傘の使用」を想像するだけで、体が浮いてくる気がする。
水戸黄門のようでいらっしゃる(板が助さん格さん、ってね…)
水戸黄門のようでいらっしゃる(板が助さん格さん、ってね…)
巨大なものは、心を惹かれる反面、恐怖の対象でもある。昔から自分がよく見る夢で、巨大な怪獣が遠くのほうで暴れていて自分ははるか遠く離れた場所からそれを見ているのだが、それがだんだん近づいてくるのではという恐怖で目が覚めることがある。

この橋には自分から近づいてきたわけだが、こうして目の前に対峙してみるとあの夢の怖さがオーバーラップしてくるようだ。“夢”吊橋とはこういうことでもあるのか。

うわー、うわー、見てみたい、でも目をそらしたい、というせめぎあいの中、ズンズンと橋に迫って行った。
最大幅の写真で、伝わりますでしょうか。
最大幅の写真で、伝わりますでしょうか。
高さ39mの主塔がまず立ちはだかる。うん、でかい。でも怖いというより、この場合は安心感を覚える高さだ。これだけ大きければさぞ頑丈に作られているだろうから。

でも橋を渡る手前に一人女性が立っていて、橋を渡り終えた仲間に「あなたも来ればよかったのにー!」と声をかけられていた。怖くて渡れなかったのだな。行ってしまったら怖くて戻ることもできないという気持ち、わかる。

この赤茶色の路面を越えると、主塔2本間の距離が390mで、歩道専用橋としては日本一の長さということなので、まずはそこまで歩いてみよう。
幅員が少し狭まって床もグレーチングで透けるようになり、なかなかの心細さだ。
幅員が少し狭まって床もグレーチングで透けるようになり、なかなかの心細さだ。
川床まで173m…。
川床まで173m…。
しかもこの日は風が強かった。
しかもこの日は風が強かった。
震動の滝(雌滝)を望む。この高さ・距離から見ると、大滝も単に水の流れなんだなと思える。
震動の滝(雌滝)を望む。この高さ・距離から見ると、大滝も単に水の流れなんだなと思える。
ピラミッドより高いそうですよここ。
ピラミッドより高いそうですよここ。
中国系の男性2人組が、怖いのか腕を組んで悲鳴を上げながら歩いていくのがちょっとおかしかった。
中国系の男性2人組が、怖いのか腕を組んで悲鳴を上げながら歩いていくのがちょっとおかしかった。
それにしても金属的な景色だなぁ。
それにしても金属的な景色だなぁ。
10分ほどで渡り終えた。長いのか、短いのか。巨大なハープの中を歩いているような不思議な感覚が面白かった。

しかし、かなりしっかり作られていると見えて、この日は風が強かったにもかかわらず橋はそれほど揺れなかった(これだけの橋が風の分だけ揺れてたら絶対ダメだろうが)。試しにカメラを床に置き、しばらく動画を撮ってみたのだが、揺れはほとんど画面に映らず。

怖さの点では、面接会場ともなったこういった吊り橋のほうが、かえって上なのではと思われる。見た目からして全く異種な橋同士だが。

わかりやすい「怖くて揺れる」という紹介の仕方を想像していたのだが、いい意味で当てが外れたので、別の角度から見てみよう。
1万人単位ならキリがよく、100万人単位なら中途半端な数字。
1万人単位ならキリがよく、100万人単位なら中途半端な数字。

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