特集 2015年6月1日

今週は梅雨入りカウントダウン(か) ~あと出し天気予報

梅雨前線はスタンバイOK。あとは本州付近に定着するかどうか。
梅雨前線はスタンバイOK。あとは本州付近に定着するかどうか。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:今週は5月なのに夏日連発 ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

日曜の天気が当たりません

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちら</a>でやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
日曜(31日)の朝は、カーテンを開けて絶句。…なんでこんなに晴れてるの? 曇り予報だったのに、朝からまさかの青空。

しかも、東京は32.2℃まで上がって、5月の観測史上最高気温に。つまり、140年間の5月の中で、最も暑い日となったわけだ。

「日曜に雨が降って、いったん暑さはやわらぎます」と連呼していた先週の自分を、今から殴りにいきたい。

関東の南海上にあった梅雨前線の雲がかかりそうで、ほとんどかからなかったのが敗因。上空が乾燥しているため、雲がぜんぜん分厚くならない。

暑さは人の怒りを増幅させるから怖い。強い日差しに顔をしかめている人の目が、やや殺気だっているように見えたのは気のせいと思いたい。

金曜(29日)は、一時的くらいと考えていた雨が、ほとんど途切れずしっかり降って×。
これで日曜は2週連続のハズレ。次の日曜、6月7日の予報を回避したいです。
これで日曜は2週連続のハズレ。次の日曜、6月7日の予報を回避したいです。

5月は暑さの4冠でした

終わってみれば、暑さの記録ラッシュの5月だった。

東京を例にとると、
1.5月の平均気温 →観測史上1位
2.夏日(25℃以上)の日数 →観測史上1位
3.真夏日(30℃以上)の日数 →観測史上1位
4.5月の一日の最高気温記録 →観測史上1位

と、暑さの4冠を達成。

そんなもん達成しても嬉しくないが、後年、5月で暑い日があっても、「2015年の5月に比べればマシ」と悪名高く残ったほうが、世の役に立つか。

まぁ、たいていの人は、来年には「去年の5月ってそんな暑かったっけ」って言うんですけどね。

そんな中、暑さを冷ます雨の季節の足音が、ズンズンと聞こえはじめてきてた。

梅雨入りのカギをにぎる梅雨前線に今週は注目

梅雨前線が、いよいよ本州付近へ。火曜(2日)に西から雨が降り出して、水曜(3日)は東日本でも雨に。
梅雨前線の雨雲がやってくる。
梅雨前線の雨雲がやってくる。
そのまま梅雨前線が、南に離れていかなければ、各地でぞくぞくと梅雨入り。少なくとも、前線に近い九州南部の梅雨入りは固そうだ。

梅雨前線が離れるか、定着するかは、前線より南にある真夏の空気の成長しだい。
真夏の空気が弱ければ、梅雨前線は離れて、梅雨入りは先送り。
真夏の空気が弱ければ、梅雨前線は離れて、梅雨入りは先送り。
真夏の空気が強れば、梅雨前線は離れず、ぞくぞくと梅雨入り。
真夏の空気が強れば、梅雨前線は離れず、ぞくぞくと梅雨入り。
気象予報士は梅雨前線にほんろうされて予報に悩むが、梅雨前線も真夏の空気にほんろうされているだけの存在。

だから、動きが読みづらく、梅雨時はズバッとした予報が出しづらい。 と、それらしく、事前に言いわけしておく。

梅雨前線は今週中に定着して、梅雨入りとなるか?
結果は次回!
!
今週の格言
『梅雨入りを左右するのは、梅雨前線のように見えて、実は真夏の空気』

詰め天気

前回(5/18)の出題は、「この日の“那覇”は、どんな天気と気温だったでしょうか?」でした。
2006年7月6日朝。気象庁天気図
2006年7月6日朝。気象庁天気図
この日の那覇は、晴れて、最高気温は35℃でした。

沖縄で35℃、ふーんと思うかもしれませんが、那覇で35℃以上になったのって、観測の統計がある85年間で、たった3日しかないんですよ。そのうちの貴重な一日だったんですね。

南の台風はまだ遠く、北の前線も遠い状態(前線の南側はけっこう晴れやすい)。南(台風)も北(前線)も気圧が低いので、その間の沖縄は気圧が高い状況になって、晴れやすかったんですね。

東から高気圧が張り出してるとも、読み取れます。
雲はこんな感じでした。
雲はこんな感じでした。
そして、台風周辺の暑い空気が流れ込んで、気温がいちだんと上がりやすい日だったんですね。

「朝から夏空。南の台風から前線に向かって暖気が入って、35度以上になりました。(たいわんぼうずおやじさん)」

パーフェクト!

「北に前線、南に台風。沖縄の辺りだけ微妙に気圧が高い?ということで、沖縄は晴れ。(かずまさん)」

そうなんです!着目と予測の組立がすばらしい。

「天気は晴れベース。最高気温は30度を少し超えるくらい。(ニハチ100%さん)」

天気はいい線だったんですが、気温が残念!

「この詰め天気シリーズ、本になったら買いたいです!(Quail Uzuraさん)」

おぉぉ。読者の中で出版社のかたは、いらっしゃいますかー?
今週の定石
『高気圧に覆われ、近くに台風がある時は、高温が出やすい』
今回、正解した皆さんはこちら。

弘樹さん、たいわんぼうずおやじさん、かずまさん、naraoさん、matryoshkaさん、タケウマさん、しんぺさん、かるいしさん、MMさん、スートラさん。

今回は出題時に宣言した通り、難しかったですね。正解率は、これまでで最低ランクでした。

さて、今週の問題は、こちらです。

今週の問題

この日の“東京”は、どんな天気だったでしょうか?
朝。気象庁天気図
朝。気象庁天気図

(ヒント)

・本州南にある低気圧と前線に注目です。
・前線の形もヒントになりそう。
・最低気温は、19℃くらいでした。

解答はこちらから↓
正解は再来週(6/15)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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