じゃあ、漬物を詰めようか
「びん詰の野菜って斬新! さすがニューヨーカー、おしゃれ!」のような意見がある一方、ネット上では一斉に「それって漬物じゃねーの?」とツッコまれていた。
ジャーサラダの書籍がたくさん出ている
そもそも、このジャーサラダ、保存が効くということでも話題になったものの、サラダのような傷みやすいものはいくら瓶に詰めたとしてもすぐ食べきってしまわなければ食中毒の危険性もある。
そうなると、ますます「漬物を瓶詰めしたほうがいいんじゃないの?」という話になってくる。
漬物にだっていろんな種類があり、色もカラフルなので詰め方によってはジャーサラダのように食べられるのではないか?
ジャーサラダ、けっきょく皿に出して食べるのか
築地でいちばん老舗の漬物専門店
築地場外の「中川屋」では、浅漬からべったら漬、たくあんまでさまざまな漬物を取り扱っている。
すももやエシャロットのような変わった漬物から
きゅうり、しば漬けといった定番までなんでもある
とりあえず、色と量を考慮しつつ、9種類の漬物を購入した。総額3990円。
漬物好きにはたまらない絵
購入した漬物は、たくあん、すもも、らっきょう、メロン、カブ、エシャロット、ナス、姫大根、きゅうり……といった面々だ。
なんでも漬物になるんだな
漬物屋さんの人に確認したところ、漬物は瓶に詰め替えても、空気が入らない状態であれば浅漬なら2、3日、それ以外でも4、5日は持つという。それ以降でも食べられるものの、色や味が多少落ちるらしい。
いずれにせよ、そんなに長く保存する気はないので、さっさと詰めてさっさと食べてしまいたい。
瓶詰めが楽しい
タクアンやキュウリなど、長めのものを刻んで下ごしらえをする。
漬物って色が鮮やかできれいだな
色の配分を考えつつ詰めていく
緑、黄色、青……これは……楽しいな!
買ってきた漬物を瓶に詰め替える。行為自体には別に新奇性もなにもない。おそらく、ガラス瓶が発明されてから今まで、いろんな場所でいろんな人がやってきた行為だ。
しかし、改めて色の配分を考えつつ、瓶の中に漬物を並べていく行為は、無心になれる。なんだか楽しい。
派手な色の漬物が外側にくるように並べていく
漬物の瓶詰め、プリミティブな創作意欲を適度に刺激してくれる、粘土細工や折り紙工作に通じる楽しさがあるのだ。こういうワークショップやったら受けるんじゃないか? とさえ思った。
ほら、きれいにできた!
なかなかの出来栄えではないだろうか?
漬物がかなり余ったので、家にあった他の瓶でも瓶詰めにしてみた。
円の大きさが足りないものは、切って瓶の円周に合わせるTipsなどを開発
ハイ完成
こうやって並べてみると、中身が漬物とはなかなか思えない。ピクルスだってこんなカラフルなものはなかなか無いのではないか?
「野菜を瓶詰めにして食べる」という部分に関してはまったく間違ってない。カラフルでおしゃれ。あってる。でも漬物なのだ。
外に持って出てみた
きれいに瓶詰めできたので、せっかくだから公園に持って出て食べることにした。
漬物うめえな
漬物自体はもちろんうまい。
ナスのジューシーさ、塩味の効いたエシャロット、甘酸っぱいスモモ、うま味が濃ゆいメロンのたまり漬けなど、色んな種類の漬物を同時に食べるのは味に変化がつけられて意外と食べられる。
ただ、一抹の寂しさ、物足りなさを感じてしまう……。
これが足りなかったのかな
これだな
うまい
これでまた一歩、NYスタイルのおしゃれで上質な暮らしに近づいたと言えるのではないだろうか。
ジャー漬物、欠点は食べにくいこと
瓶にサラダの代わりに、漬物を詰めてみた。首尾よくおしゃれできれいな「ジャー漬物」ができあがったのは良かったのだが、べつにそれって普通のことである。
一周回って「普通」に着地してしまうパターンのやつである。
ただそれでも、いろんな種類の漬物をいっぺんに食べるというのは、それはそれで面白いし、なにより漬物はうまい。
漬物同士で味が混ざっちゃうかな? という心配もあったけれど、意外とそんなこともなかった。
ジャー漬物、おすすめしたい。ただ、欠点としては若干食べにくい、という点は否めない。
下の方から掘り出すのめんどくさいけど、それもまた面白いと思えれば……