特集 2015年6月8日

珍しさを表す単位はメヅラになりました

きょうから世界の見え方が変わります
きょうから世界の見え方が変わります
世のなかには金や骨董のように貴重で価値があると認められたもの以外にもただ珍しいだけのものがある。

たとえば新宿区で働いている身長170センチの44歳はひとりしかいないかもしれない。
2015年6月5日に北新宿のナチュラルローソンで売れたコーラは1本しかないかもしれない。

珍しさで言えば金と同じである。
逆に言えば金は珍しいようで結構な人が持ってるから珍しくない(かもしれない)

世間が価値を認めるとかそんなことはおいておいて、純粋に珍しさを味わいたい。そんな珍しさをあらわす共通単位を決めたのだ。それがメヅラだ。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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特設サイト「メヅラ」オープン

メヅラがわかるサイトがこちらである。
6つのテーマについて自分や自分が持っているものが何メヅラかがわかる。

たとえば通勤時間35分は3.042メヅラ、27センチのナイススティックは22.12メヅラ。
珍しさだけで見たら僕はナイススティックに負けているのだ。

メヅラという共通の単位のもと、世の中のすべてのものが序列化される。なんて気持ちいい。新しい世界を開いてしまった気がする。

開発はカメリオの白ヤギコーポレーション

このサイトの開発はニュースアプリ「カメリオ」を作っている白ヤギコーポレーションである。カメリオはニュースキュレーションアプリながらマイナーなテーマが多すぎるのだ。
絵に描いたようなロングテール
カメリオの資料から。絵に描いたようなロングテール
和田アキ子というテーマを設定して熱心に読んでいる人がいる。殺し屋も。
和田アキ子というテーマを設定して熱心に読んでいる人がいる。殺し屋も。
schooというオンライン学習サービスで白ヤギコーポレーションの社長シバタアキラさんと一緒になることになり、その事前打ち合わせ(雑談)で盛り上がってそのままサイトができた。
打ち合わせ中に互いに「上に確認します」と言わなかったのですぐできた。

データ収集はデイリーポータルZ

メヅラはあらかじめ調査したデータをもとにメヅラを算出している。
労働時間などの個人の属性についてはデータ収集のために5月下旬、突然デイリーポータルZで「珍しさアンケート」というアンケートを実施した(たくさんの回答ありがとうございました!)。

ナイススティックと10円玉については得意の根性で調べた。
ナイススティック100本
ナイススティック100本
10円玉1000枚
10円玉1000枚
10円玉は500枚までなら銀行で無料で交換してくれる(その銀行のクレジットカードを持っている必要あり)。問題はナイススティックである。

調べる前々日から編集部でナイススティックを集め始めた。そこで編集部橋田がナイススティックあつめに才能を発揮して60本以上のナイススティックを買ってきた。
店頭在庫を買ったうえに翌日入荷分をお取り置きしてもらったそうだ。

たぶんそのスーパーで橋田はナイススティッ子と呼ばれているだろう。

ナイススティックは長さが違うのだ

話は前後するが、なぜナイススティックがメヅラの対象になっているかだ。
ナイススティックは1本ごとに長さが違うのだ。ライター小野さんがこの記事「妻がナイススティックに対して真剣過ぎる」で明らかにしてインターネットがざわついたのは記憶に新しい。
こんなに違うのだ
こんなに違うのだ
6月4日、ニコニコ生放送の番組内でナイススティックの長さと10円玉の製造年を調べた。ライター・関係者で6名を動員した。
ナイススティックチーム。左から開封→計測→結果のシール貼り
ナイススティックチーム。左から開封→計測→結果のシール貼り
開封はschooの小禄さんである。シバタさんと僕を引きあわせた結果、ひたすらナイススティックの袋を開けるという作業をすることになった。うかつなことを言うものではない。
こちらは10円玉チーム。右・青Tシャツの宮城さんが製造年を読み上げ、左・ワイシャツの江ノ島くん(背中を向いているが)がシールを貼る
こちらは10円玉チーム。右・青Tシャツの宮城さんが製造年を読み上げ、左・ワイシャツの江ノ島くん(背中を向いているが)がシールを貼る
この地味なようすはニコ生でなぜか800人以上が視聴した
この地味なようすはニコ生でなぜか800人以上が視聴した
ナイススティックは1時間ほどで計測が終わり、このような結果となった。
最短は27.0cm、最長は31.1cm
最短は27.0cm、最長は31.1cm
その差は4.1cm。ちょっとした小さいパンひとつぐらいの差がある。発酵で膨らむものとそうでないものがあるのかもしれない(ということは季節によって差がある?)

27センチ台は相当メヅラである。
データを紙のグラフでもらって戸惑う白ヤギコーポレーション・データサイエンティスト
データを紙のグラフでもらって戸惑う白ヤギコーポレーション・データサイエンティスト
いまや結果をデータでもらうのが当然だが紙どころか手作りグラフである(このあとデータサイエンティストはちまちま手で入力していた)。

計測しながらサイトも作る

計測する部屋に開発テーブルも用意した。白ヤギコーポレーションから4名参加してここでサイトを作ってゆくのだ。
白熱する議論。ゴリゴリとコードを書いている
白熱する議論。ゴリゴリとコードを書いている
その手前で計測し終えたナイススティックを江ノ島が食べる
その手前で計測し終えたナイススティックを江ノ島が食べる
取り込まれたナイススティックの計測結果
取り込まれたナイススティックの計測結果
江ノ島に取り込まれるナイススティック
江ノ島に取り込まれるナイススティック
白ヤギコーポレーションのデータサイエンティストによる分布のパターンのメモ
白ヤギコーポレーションのデータサイエンティストによる分布のパターンのメモ
少しでも長いのを探す江ノ島
少しでも長いのを探す江ノ島

10円玉も計測完了

0時をこえると思った10円玉の製造年しらべも完了した。2時間ちょっとで調べることができた。10円玉1000枚の製造年を調べるのは4名で2時間。
10円玉を数える予定の人は覚えておいてもらいたい数字である。
1000枚の10円玉の製造年分布
1000枚の10円玉の製造年分布(クリックで拡大
昭和28~30、33、61年が1000枚に1枚と相当メヅラである。

これを調べているときに製造枚数を調べたらそれでいいのではないかという意見があったが、製造枚数と流通している枚数は違うかもしれないからという理由で突っぱねた(もう調べ始めちゃったしな)。

僕の父は50円玉を貯めていたが、その理由は「世の中から50円玉をなくして日本を混乱に陥れたい」というアナーキーなものであった。そういう人もいるのだ。
調べていた宮城さんの手が真っ黒。指先の匂いだけだとロボットのようだった
調べていた宮城さんの手が真っ黒。指先の匂いだけだとロボットのようだった

というサイトです

調べる話が長くなったが、このようにして作られたのがメヅラである。自分の勤務時間や財布に入っている10円玉がどれほどメヅラか。ぜひ調べて競い合って欲しい。
ナイススティックはいろいろアレンジして食べてます(現在進行形)
ナイススティックはいろいろアレンジして食べてます(現在進行形)
お金のやりとりいっさいなしに(ついでに契約書なんてものも一切なしに)いっしょにサイトを作ってくれた白ヤギコーポレーションのカメリオもよろしく。

schooの授業は6/9です

メヅラ誕生のきっかけとなったschooの授業があります。
6/9 19:30~
https://schoo.jp/class/2325
ナイススティックの長さがどう仕事に活きるのか
ナイススティックの長さがどう仕事に活きるのか
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