ひらめきの月曜日 2015年6月22日
 

法事パンとローカルパン袋集め

法事用のパンを集め始めてたはずが、関係ないパンの袋まで集め始めた話です
法事用のパンを集め始めてたはずが、関係ないパンの袋まで集め始めた話です
島根県の東部と鳥取県の西部では、法事のときにパンを配る風習がある。一般的には「法事まんじゅう」だが、この地域では「法事パン」だ。多くのパン屋で法事パンを扱ってる。

それならば、お店ごとの法事パンを比較してみよう!……とあちこちのパン屋をまわっていたところで、市街地から離れるとレトロなパン袋の文化が残ってるのを発見した。

そこからパン袋に興味を持ちはじめ、徐々に脱線していく様子をそのままお伝えします。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。
> 個人サイト それにつけてもおやつはきのこ

法事パンってなんだ

私はこの「法事パン」の風習がある地域の出身だが、実はそんなによく知らない。……というのも、まだそんなに法事に呼んだり呼ばれたりした経験がないからだ。

けど「法事パン」という字面への馴染みは多少ある。
「法事パン承ります」という表記がある店は多いので、字面では見ることが多い。(これはパン屋に置いてあったチラシ)
「法事パン承ります」という表記がある店は多いので、字面では見ることが多い。(これはパン屋に置いてあったチラシ)
元々まんじゅうだったものが、どっかのタイミングでパンになったので、定番はあんぱん。

そこから徐々に種類が増えて、今はクリーム、メロン、ジャムパンなどを法事パンとして出してる店が多い。
ひとつずつ法事パン用の袋に入れられ、箱詰め
ひとつずつ法事パン用の袋に入れられ、箱詰め
箱に入れられ、のしが付けられる
箱に入れられ、のしが付けられる
ほとんどのお店がこんな感じなのだが、「パンと出前一丁詰め合わせ」を用意してるというギフトショップもあった。意外となんでもありか!

教えて! 法事パン

まずは少し話を聞いてみようかと、友人の友人(初対面)であるパン屋さんにお邪魔した。
松江市のキッチンおかださん。きれいな店舗。たまに買いに行くけど、お店の人と話すのははじめて
松江市のキッチンおかださん。きれいな店舗。たまに買いに行くけど、お店の人と話すのははじめて
対応してもらった島貫さんは、「キッチンおかだ」の娘さん(旧姓岡田さん)で4代目。ためしにひとつ作ってもらおう。
法事パン用の袋に
法事パン用の袋に
あんぱんを……
あんぱんを……
手早く入れて……(あっ、早い!)
手早く入れて……(あっ、早い!)
はい、できた! (こちらが島貫さん)
はい、できた! (こちらが島貫さん)
あっという間に出来たが、実際に注文を受けるときは3日前までの予約が必要。結構大がかりな作業みたいだ。

そうだ、お願いしたら自分の好きなパンを法事パンの袋入りで持ち帰りできるかな。

えーと、あのチョコクロワッサン(パン・オ・ショコラ)を……
島貫「え、これ??」 さくらい「はい、これを……」
島貫「え、これ??」 さくらい「はい、これを……」
法事パン・オ・ショコラできた!
法事パン・オ・ショコラできた!
島貫「けど、こういうクロワッサンって空気に触れさせないとサクサクが落ちますよ」

さくらい「え!」

クロワッサンは法事パンには向かないのか。そんな訳で、これは喫茶スペースで食べて帰ることにした。サクサクしてて美味しい。
サクサク…… チュルルル…… (無心で空腹を満たす)
サクサク…… チュルルル…… (無心で空腹を満たす)
こちらのキッチンおかださんでは、島貫さんのおじいさん(現在90代)ぐらいの代から法事パンをやってるとのこと。今では、どう始まったのかもよく分からないのだそうだ。
こしあん、おいしい(だいぶ食べてから写真撮ってなかったことに気付いた)
こしあん、おいしい(だいぶ食べてから写真撮ってなかったことに気付いた)
「これからいろんな店の法事パンを買って食べてたり、店ごとの袋を見る予定なんですよ」と今回の流れを伝えたところ、「それは気になる」というような反応が返ってきた。まだ法事にそんなに呼ばれる訳じゃないし、意外とよそのことって知らないらしい。

法事パンってそんなにこだわるポイントでもないんだろうし、自分のお店のやり方で昔から風習のように続けてると、あんまりよその店を意識しないのかもしれない。

怪しいモンじゃないと弁解しつつの購入

さて、色んな店で法事パン買ってみるか! そもそも単品で売ってくれるよな……? たぶん。

……と、おそるおそる問い合わせの電話をしてみたら、まずはだいたい不審がられた。
まあたしかに訳分からんわな
まあたしかに訳分からんわな
そこで、「県外の方に法事パンを紹介したくて……」というまったくウソではない理由をドーンと提示すると、そこそこ納得してもらえる。
なんか納得してもらえる
なんか納得してもらえる
これを乗り切り、約束の日時に各店舗に単品の法事パンを取りに行くことに。松江〜出雲近辺を8軒まわった。
中国地方の島根という県のはなしですよ、とまで言わないとみんなに分かってもらえてる気がしないので広範囲地図を載せとく
中国地方の島根という県のはなしですよ、とまで言わないとみんなに分かってもらえてる気がしないので広範囲地図を載せとく
買いに行った先にあった「承ります」と書いた看板
買いに行った先にあった「承ります」と書いた看板
最初もっといろんな袋があるのかと思ってたが、どうやら同じ袋を使ってる店が多い。

1〜5番が一番多く使われてる定番の蓮の花の袋。6が神戸屋から出てる地域限定のパンで、7と8番は両方とも出雲市の製パン会社が出してる他社とは袋の雰囲気が違う「特別御誂(おあつらえ)パン」。
7番、レトロでかわいい。8番の家紋デザインの袋はパンの種類によって色ちがい(あんとクリームとジャム)。6番だけはスーパーで注文して取り寄せだった。
7番、レトロでかわいい。8番の家紋デザインの袋はパンの種類によって色ちがい(あんとクリームとジャム)。6番だけはスーパーで注文して取り寄せだった。
食べ比べてみよう! ……と言っても、どれも珍しさはなく

「よくある普通のあんぱん」「昔ながらのクリームパン」みたいな説明をすれば思い浮かべてもらえる味だと思う。比較する気がないわけじゃないが、どれも普通で美味しい。
あんこの風味が引き立ってきめ細やかでごまのあしらいが……とか言えなくてすいません、普通に美味しい
あんこの風味が引き立ってきめ細やかでごまのあしらいが……とか言えなくてすいません、普通に美味しい
パン食い競争のときぶら下がってそうなフォルム
パン食い競争のときぶら下がってそうなフォルム
その中でも印象に残ってるのは7番の「なんぽうパン」のクリームパンがふっかふかだった。

全部法事用なので、基本的には事前注文で店舗に取りに行く形になるが、お盆や彼岸にはお供え用のが普通にスーパーで売ってたりするらしい。

あ……この企画、お盆のときにやればよかった……と今更思った。(うちはパンを供える習慣がないから、いつ売ってるとか認識してなかった)

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