ひらめきの月曜日 2015年8月10日
 

フグ250円!うどん120円!大阪しみったれツアー

最高にしみったれた先輩とジュース10円の自販機を探したりしました。
最高にしみったれた先輩とジュース10円の自販機を探したりしました。
ケチでしみったれてはいるけれど妙におごりたがりの愛すべき先輩に、万年金欠で腹ペコの後輩として付いていくという精神的なコスプレっぽい遊び方が楽しい。架空の人間関係をリアルな世界に持ち込み、しがらみを捨てて現世をさまようのだ。

今回は安酒を楽しむための作法などに詳しいスズキナオさんという友人に先輩役をやってもらい、最高にしみったれた大阪観光をしてきた。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

前の記事:「大阪にはシチューうどんがある!」
> 個人サイト 私的標本 趣味の製麺

新世界で高級魚のハモを食べよう

今回の大阪しみったれツアー、そして前回のシチューうどん、前々回の天国みたいな茶屋、をコーディネートしてくれたスズキナオさんは、東京生まれの東京育ち。

昨年大阪に引っ越してきたばかりの彼が、だからこそ見つけられた余所者目線でのおもしろスポットを、そこはしみったれずにドーンと案内していただいた次第である。

ということで、しみったれのナオ先輩に連れてこられたのは、通天閣のおひざ元である新世界。適当に通りを何本か歩いただけでも、今回の趣旨にふさわしい街という気がなんとなくしてくる。
僕がイメージする大阪はこの辺りのような気がする。
僕がイメージする大阪はこの辺りのような気がする。
ここで御馳走になるのは、関西の夏には欠かせないハモである。ハモは漢字で書けば鱧。私の名前が豊だけに、ハモを選ぶとはさすがシャレオツな先輩だ。

「関西の夏といえば、やっぱりハモを食わないとな。なあ豊」

関東ではあまり馴染みがないけれど、関西では料亭などでも出される高級魚。ただしナオ先輩の案内なので、もちろん店は料亭ではなく、お好み焼きと串カツの両方が食べられるという、新世界を煮詰めたような「酒の穴」という店である。
こちらがしみったれでおなじみのナオ先輩。
こちらがしみったれでおなじみのナオ先輩。

ハモが200円、そしてフグは250円

とりあえず280円のレモンハイで乾杯をして、ナオ先輩に注文をゆだねる。

「ハモと一緒に、フグもいっとくか?」

うわぉ。ハモだけでも感激なのに、フグまでいいんですか!さっすが先輩!
お時間のある方は、第一弾の「しみったれた先輩におごられるツアー 」を先に読むと、より味わい深いです。
お時間のある方は、第一弾の「しみったれた先輩におごられるツアー 」を先に読むと、より味わい深いです。
店員さんから、ハモはポン酢にするか三杯酢にするかを尋ねられて、一瞬とまどう先輩がかわいい。

わかります、その気持ち。僕もその違いはピンときません。どっちも酢だと思います。マックのナゲットでバーベキューかマスタードなら即答できるのですが。

でもそこにこだわりがあるということは、きっと名店なんだろう。先輩がポン酢をセレクトして出てきたのが、この料理である。
じゃーん。イメージと合致した人は何人いるだろうか。
じゃーん。イメージと合致した人は何人いるだろうか。
白い牡丹のようなハモを想像していたら、ちょっと違うものが出てきた。乾物を戻した何かみたいだ。

ハモという魚は小骨が多いので、皮一枚を残して身をミリ単位で刻む骨切りという下処理をするのだが、これは完全に刻まれている。先輩、これなんすか?

「これはね、200円のハモ皮。夏はやっぱりハモだよな〜」

まさかの皮オンリー。鶏皮ポン酢のハモ版といったところだろうか。だが私は無類の魚の皮好きで、シャケの塩焼きなんて人の分まで皮を食べたいタチなので、これは嬉しい変化球だ。

そして続いて出てきたフグも、やっぱり皮オンリーだった。よくフグ刺しにちょこんと添えてあるアレである。アレのみ。
フグ皮は250円。こちらは聞かれなくてもポン酢のようだ。
フグ皮は250円。こちらは聞かれなくてもポン酢のようだ。
最近ちょっと夏バテ気味だったので、このサッパリしっぱなしの皮2連発はうれしいじゃないですか。先輩は僕の体を気遣ってくれているのかもしれない。

「く〜、やっぱりフグをつまみに呑む酒はうまいね〜」

フグの皮だけをモリモリ食べるのが夢だったんで、最高っす! この弾力のある歯ごたえとチクチクする感じ、たまらないっす!
フグは皮にトゲがあってヘビメタの人みたいだ。
フグは皮にトゲがあってヘビメタの人みたいだ。
ハモの皮、おからと同じ値段なのか。
ハモの皮、おからと同じ値段なのか。

先輩おすすめの八宝菜をいただく

続いて先輩が注文したのは、意外なことに八宝菜だった。

八宝菜といえば中華料理。この店にあるとは思えないメニューだが、ここにきたら絶対に頼むべき名物なのだとか。お値段はなんと200円。

「八宝菜で200円ということはだ、一宝あたり30円以下の計算なんだよ!」
写真がいい感じに薄くなっていて内容がわからない。
写真がいい感じに薄くなっていて内容がわからない。
昭和の時代から変わらない味だという名物の八宝菜は、僕の知っている味とはだいぶ違ったが、新しい世界の広がりを教えてくれる味だった。

ハッ、新世界だけにか!
具はジャガイモ、ニンジン、タケノコ、ネギ、シイタケ、豚肉、カマボコ、チクワ、キャベツと八宝以上。とろみがなくサラッとしている。
具はジャガイモ、ニンジン、タケノコ、ネギ、シイタケ、豚肉、カマボコ、チクワ、キャベツと八宝以上。とろみがなくサラッとしている。
酒の穴の八宝菜は、母親が冷蔵庫の整理だといって作った名前のない料理を思い出させる優しい味だった。

これはうまいですねと食べ進めていたら、急に先輩が興奮した声を上げた。

「ちょっとこれみろよ!ネギがハートになっているぞ!」
小さな喜びを大切にする先輩。
小さな喜びを大切にする先輩。
ハモ皮、フグ皮、ウズラの卵のない八宝菜。自分がどれだけ固定観念にとらわれて生きてたのかを反省させられるようなメニューだった。

先輩はいつだって僕の視野を広げてくれる大切な存在なのだ。

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