ちしきの金曜日 2015年8月14日
 

ものの固定方法を見る

「止まれ」の標識ひとつでもたくさんのパーツで固定されている
「止まれ」の標識ひとつでもたくさんのパーツで固定されている
いや、本当にいまさらだし本当にどうでもいいんですけど。

先日、信号を待っているときに目の前にあった標識を何気なく見ていて、ふと「この標識ってどうやって固定されているのか」ということが気になった。

そして何気なく裏側を見たら以外と複雑なことが行われていて、これは何だかおもしろいんじゃないか、と思ったのだ。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。 個人サイト:ダムサイト

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道路標識の固定方法

そのときはカメラを持っていなくて写真を撮れなかったので、あらためて家の近所の標識を観察してみた。
日本中どこにでもある標識
日本中どこにでもある標識
が、どう固定されてるかなんて知ってた?
が、どう固定されてるかなんて知ってた?
ポールにはバンドをボルトとナットで締めつけることで固定
ポールにはバンドをボルトとナットで締めつけることで固定
道路に無数に立っている「駐車禁止」の標識。白いポールにくっついている光景はよく見るけど、そのポールにどうやって固定されているかまでは意識したことがなかった。

裏を覗いてみると、標識の板の裏にはリベットかネジか溶接か何かでスリットの開いた凸型のプレートが接着されていて、そのスリットに丸いバンドが引っかけられ、そのバンドが白いポールをボルトとナットで締めつけることで固定されていた。それが1枚の標識に上下2ヶ所。思ったより大がかり!

しかも、標識をポールの真ん中か、左右どちらかに少しずらした位置に固定できるように、プレートに開けられたスリットが3ヶ所ある。設置する場所によってアレンジできるのだ。きめ細やかな設計!
たぶんバンドの標識側は外側に向いたツメがひっかけられているんだと思う
たぶんバンドの標識側は外側に向いたツメがひっかけられているんだと思う
こうなると気になって、同じような標識を何枚も見てみたけど、どれもまったく同じ構造をしていた。これぞ業界統一規格!
長方形の標識も同じプレートがつけられている
長方形の標識も同じプレートがつけられている
これは真ん中に取りつけられている例
これは真ん中に取りつけられている例
標識の裏側を何枚も見ているうち、この規格の名称とか、ほかにも標識の取りつけ金具の規格があるのかとか、この方式が採用されたときに敗れたほかの取りつけ方法があるのかとか、どうでもいいことまで気になってきてしまう。知らなくていいけど。
アームで伸ばしたタイプを発見して「ほぉー」などと声が漏れる
アームで伸ばしたタイプを発見して「ほぉー」などと声が漏れる
それから何か違う取りつけ方法はないものかと見て歩いていると、アームで伸ばしたタイプを発見した。

標識はポールと同じ太さのアダプター的なパイプに取りつけられ、そのパイプが標識を取りつけるバンドと同じような形のバンドでアームに固定されていた。

アームの断面がアルファベットの「H」の形をしていて、バンドがその溝にぴったりはまるようになっているあたりが美しい。
早くもこういう造形に美しさを感じるようになってしまった
早くもこういう造形に美しさを感じるようになってしまった
また、アームの根元が白いポールではなく電柱な点にも注目だ。

アームの電柱側にも標識側と同じバンドにアダプター的なパイプが取りつけられ、そのパイプがさらにごついバンドで電柱に巻きつけられている。ごついバンドと電柱の間はゴムかプラスチックのシートで養生され、電柱が痛まないように配慮されていた。

バンドと電柱を1本の長いボルトが貫いているように見えるのだけど、ひょっとしてバンドが回らないように固定されているのだろうか。
太い円柱の電柱に細長いアームを固定するための部分
太い円柱の電柱に細長いアームを固定するための部分
両側に固定するためのアダプターを発見して「あーなるほどねー」などと感心
両側に固定するためのアダプターを発見して「あーなるほどねー」などと感心
さらに別の場所では、両側に向かって標識を固定するためのアダプターを見つけた。

電柱から水平に伸びたパイプ(このパイプと電柱との固定方法を写真に撮ってくるのを忘れて悶えた)に巻きつくバンドと、両側の標識を固定したアダプター的パイプに巻きつくバンド部分がひとつになった、天秤のような形をした機能的な製品である。両側のパイプに巻きつくバンド部分の向きが互い違いになっているところなど、設計した人の心意気を感じられる(少しでもバランスをとるため、とかだろうか)。

こういう製品を作っている工場もあるのだ。世の中にあるすべての人工物は誰かが作っていると思うと、人間社会のシステムの大きさに途方に暮れる。

その後もいろいろな標識の取りつけ部分を観察した。いちばん最初に「本当にどうでもいい」などと書いたけど、ぜんぜんどうでもよくなくなっている皆さんはぜひ「次へ」をクリックしてほしい。

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